〔未定稿 文責:日本共産党愛知県議会議員団事務局〕
2015年6月26日 6月議会健康福祉委員会(特別養護老人ホーム)
【わしの恵子議員】
介護保険制度の根幹である特別養護老人ホームの増設について質問します。
先の県議選で、私ども日本共産党は、県の高齢者人口10万人当たりの特別養護老人ホームの施設数が全国47都道府県中で最下位という、総務省の統計を示し、特養ホームの増設を訴えてきました。特養ホーム増設は県民の切実な要求であり、県政の喫緊の課題です。
そこで、第1に、県の特別養護老人ホームの待機者について伺います。在宅者と他の施設の入所者に分けて示してください。
【高齢福祉課主幹(介護保険)】
本県の特別養護老人ホームの入所待機者につきましては、平成26年4月1日現在での在宅者のみを集計・公表しておりまして、その結果、要介護1から要介護5の方は11、771人、うち要介護3から要介護5の方は7285人となっています。まお、施設入所者分については集計・公表していません。
【わしの恵子議員】
要介護1から要介護5の方は11、771人ですか。施設に入っている方は集計がないと言われましたが、他の施設に入所しながら特養を待っている方もある。そういう方たちも、特養ホームの待機者に加えるべきではないですか.
【高齢福祉課主幹(介護保険)】
施設に入所している方につきましては、それぞれの施設においてすでに適切なケアマネジメントにより介護を受けて暮らしていることから、入所待機者として把握しておりません。
【わしの恵子議員】
なかには特別養護老人ホームに申し込んでも入れないから、有料老人ホームに入ったりサ高住に入ったりしている方もいらっしゃると思います。だから他の施設に入りながら特別養護老人ホームに申し込んでいる方も是非つかんでほしい。そうでないと県民の実態が本当に正しく把握去らないのではないかと思います。
次の質問です。要介護1から要介護5の方は11、771人と言われたが、本年4月から第6期計画になるが、県は要介護1から要介護5の方を対象として対象者の解消にどう努めていくのか。
【高齢福祉課主幹(介護保険)】
県では、先ほど申しましたように、要介護3以上の方について待機者と把握しておりまして、第6期の愛知県高齢者健康福祉計画におきましては、入所待機者のうち要介護3以上の7285人の解消を図るため、平成27年度から29年度までの3年間で対応するように考えています。
【わしの恵子議員】
要介護3以上の7285人といわれましたが、介護制度が今年から新しくなりましたね。私は、これまでは「特別養護老人ホームは要介護3以上」という原則はなかったと思うんです。そういう点では、介護保険制度始まって以来の大改悪ではないかと思います。お聞きしたいのは県が待機者としている7285人については、どのように解消していく計画をもっているのですか。
【高齢福祉課主幹(介護保険)】
県では、特別養護老人ホームの入所待機者の解消を図るため、これまでも、特別養護老人ホームの整備を進めるとともに、介護老人福祉施設、認知症高齢者グループホーム、料有老人ホームなどを活用し、総合的に取り組んでいます。
第6期計画においては、入所待機者のうち特に必要度の高い要介護3以上の7285人の解消を図るため、平成27年度から29年度までの3年間で特別養護老人ホームや介護老人福祉施設、認知症高齢者グループホームなどで、6,537人の整備を計画し、また、第5期計画に基づく整備で26年度以降に開所する3,332人分と合わせて9,869人分の定員増を図り、その解消につとめていきます。
【わしの恵子議員】
いまの答弁では、7462人の解消は、第6期介護事業計画で6537人と26年度以降開所分3332人をあわせると9869人になるから大丈夫という説明でした。そうであるならば、第5期介護事業計画の評価についてどうだったのかお聞きします。
【高齢福祉課主幹(介護保険)】
平成24年度から26年度までの第5期におきましては平成23年の調査で把握した要介護3以上の7442人の待機者の解消を図るため、7569人分の整備を計画し、これに対して26年度までに6928人分が整備に着手し、3596人分の整備が完了しております。これと第4期計画に基づく整備で23年度以降に開所した4491人分と合わせて、8087人分の整備を図り、その解消に努めてきた。
【わしの恵子議員】
特別養護老人ホームだけではなく他の施設も含めて整備してきたということですが、第5期計画の評価について調べてみました。評価の一つに「介護老人福祉施設については、入所待機者は横ばいの状況ですが地域密着型施設などの整備を図り、ケア付き住居施設なども含め総合的な施設の組み合わせにより待機者を解消することが求められています」ということはやっぱり計画通りきちっと言っていないということ。第6期の計画が絵にかいた餅にならないように、第5期計画の評価・反省を踏まえて計画通り増設に力を入れていただきたい。
合わせて、やはり特別養護老人ホームに入りたいと願っている方が多いと思います。有料老人ホームや「サービス付高齢者住宅」とか他の施設はなかなか難しいところがあって、やはり介護保険制度の根幹である特別養護老人ホームをきちんと整備していただきたいと要望します。
【わしの恵子議員】
第2に、特養ホーム設置費補助金と定員数について伺います。
第1期計画が始まった2000年度以降の本県の特養ホーム設置費補助金総額と定員数について調べてみました。第2期計画の終わる2005年度までは、国庫補助が3分の2、県が3分の1でした。しかし、第3期計画の始まる2006年度からは県の単独補助金に変更されました。そして、補助金の額も2002年度では一人当たり400万円~440万円あったのが、第5期の2012年度からは、一人当たり275万円に減らされてしまいました。そのなかで、施設を建設していくには苦しいことだったと思います。
そこでお聞きします。このように補助金が次々減らされてきたことが、特養ホームの設置が計画通りに進まなかった大きな要因になったのではないですか。
【高齢福祉課主幹(介護保険)】
県では、3年毎の策定する計画において、市町村が推計した利用見込み量を基に定員30人以上の特別養護老人ホームの整備目標を制定し計画的に整備を進めているところであり、補助金単価切り下げの影響はないと考えています。
今後も、市町村が推計した利用見込み量が適切に提供される、しっかりと取り組んでまいります。
【わしの恵子議員】
いまお答えいただきましたが、県の資料を見ても、実際には、2006年度の第3期計画から一般財源化されたことにより整備定員数が大きく減っています。第2期の新規整備定員数は2427人だったのが、第3期では1090人に減り、第4期は769人、第5期は少し増やしても1270人です。このように特養ホームの補助金を減らしたことにより、定員数も減少していることが、大きな問題です。
特別養護老人ホームの設備不足問題は将来、ますます深刻になると危惧します。「日本創生会議」が75歳以上が大幅に増加する2040年の介護ベット不足のランクを発表しました。それによると、西三河の豊田、刈谷、岡崎は全国最下位という判定で、これに対し、大村知事は「これからの増設計画が見込まれていない」と反論したが、将来どころか今が深刻な特別養護老人ホームの不足。抜本的に増やしていただくことを強く求めます。