〔未定稿 文責:日本共産党愛知県議会議員団事務局〕
2015年6月26日 6月議会健康福祉委員会(子どもの医療費)
【わしの恵子議員】
子どもの医療助成についてお尋ねします。 いま、子どもの医療費無料化拡充は、子育て世代の大きな願いであり、先の一斉地方選でも私どもだけでなく、他会派の方も公約に掲げられておりました。この間、犬山市が来年4月1日から、現行では小学3年生までが対象の通院医療費の全額助成を中学3年まで拡大する方針を明らかにしました。江南市でも中学3年以下の通院医療費を来年4月から全額助成する方針を明らかにしたところです。
これによって、県下54市町村における子どもの医療費助成は、1つの市(愛西市)を残して、中学卒業まで何らかの助成が行われるということになります。
また、7つの市町村では、入院・通院について、高校3年生まで全額助成、一部助成をしています。
ところが、いま、県の制度は子どもの医療事業費補助金は、入院では中学校卒業までとなっているものの、通院では小学校入学までしか補助が出されておりません。
そこで、第1にお聞きしますが、市町村では高校まで医療費助成をしているところがあるなか、県としては、少なくとも通院も中学卒業まで補助金の対象として広げるべきだと考えますがどんな認識かお尋ねします。
【児童家庭課主幹】
子ども医療助成制度につきましは、子育て家庭を支援するために、昭和48年度に県が補助制度を創設し、現在、通院は小学校就学前、入院は所得制限を設けることなく医療費を無料化しており、都道府県の中でも高い水準となっております。こうした中で、市町村に子育て支援の推進を働きかけ、その結果、県の制度をベースに順次拡大していただき、ほとんどの市町村において中学校までの窓口無料化が実現しており、補助の目的は達成したものと考えております。
福祉医療制度は、限られた財源の中で持続可能な制度とすることが必要だと考えております。当面は現行制度演行を維持することが重要でありまして、新たに対象を拡大することは考えておりません。
【わしの恵子議員】
新たに拡大することは考えておりませんと言われましたが、この制度は所得制限も窓口一部負担もないということで、弱い立場にある県民の命と健康を支える重要な役割を果たしていると評価しています。
「県の補助金の目的は達成した」といわれましたよね。「ほとんどの自治体で中学校卒業までやっている」と。そうゆうことではなくて、県が補助を増やせば、さらに、市町村もそのお金を使ってさらに8歳までやろうとか、広がると思うんですね。そういうのが県の役割ではないですか。
振り返ってみますと県の健康福祉部は、2013年1月、財政事情を理由に、2014年度を目途に制度を見直すこととし、患者一部負担金の導入、所得制限の導入を行うと発表しました。所得制限の導入については、市町村の事務経費を考慮し、マイナンバー制度実施後導入するというものでした。
早速、医療関係団体や市町村議会、県民からの改悪反対の声があがり、知事はとうとう6月3日、一部負担金の導入を当面見送ると表明しました。
しかし、所得制限導入については、所得を捕捉できるマイナンバー制度実施後を見込んで、引き続き検討するとしていました。
そこで第2にお聞きしますが、マイナンバー制度を機に、2017年度からの子どもの医療費助成制度への所得制限導入の検討を続けているのかどうか伺います。
【医務国保課(国保・福祉医療)】
始めに、福祉医療制度の見直しに関する誤解がありますので、若干説明させていただきます。
福祉医療のみなおしにつきましては、医療費が増加する一方で生産年齢人口が減少する中、制度を維持可能なものにするために検討を行ったものであり、一部負担金の導入を意図したものではありません。また、見直しの検討に当たっては、一部負担金や所得制限を導入した場合のシミュレーションを示して、市町村長や医師会等関係者との意見交換を行いましたが、一部負担金や所得制限を導入するといったことはありません。様々な方面のご意見を念頭に判断した結果といたしまして、現行の全国トップレベルの手厚い制度を今後とも引き続き継続していくことを表明したところです。
次に、お尋ねのありました所得制限の導入の検討について、お答えいたします。平成25年6月に知事が発表いたしました「福祉医療についての現段階での基本的考え方」におきまして、「福祉医療における応能負担原則という観点や、ほとんどの県で導入されていることから、…いわゆるマイナンバー制度の導入の動向も踏まえながら、この点に関する研究は引き続き深めていきたいと考えている」とされておりまして、この考えに基づきまして、平成25年度から「福祉医療制度の関する勉強会」を開催し、市町村との意見交換を行っております。
【わしの恵子議員】
同じことを言っていると思います。制度存続のためにと言いながら、結果的に一部負担金や所得制限の導入となって、発表する段階ではそういうことを言ったのだと思います。具体的に表明されたから、医療関係者の皆さんや県民から反対の声が上がった。。その時、私も県に申入れを行った覚えがあります。知事は、一部負担金導入を見送ると表明されました。先ほど、「制度存続のため」と言われましたが、角度を変えれば同じことだとおもいますので、私の認識は間違っているとは思っておりません。
マイナンバー制度は、全国民に12桁の番号を割り振り、税や社会保障の個人情報を国が一元的に管理・活用し、地方公共団体が連携利用できるもので、そのねらいは、税や保険料の徴収強化や社会保障の削減にあります。いま、個人の年金情報の漏えい、流出が大問題になり、マイナンバー制度への不信が広がっています。
こういった中で、県がこのように問題が噴出しているマイナンバー制度を利用し、福祉医療への所得制限を検討しているなら、間違っていると思います。
県民は子どもの医療費助成など福祉医療制度の拡充を求めています。冒頭で紹介したように、市町村はお母さん方の願い、子育て世代の願いであることを考えているからこそ、県の補助基準を上回る医療費無料化をすすめています。県は補助金・補助対象を広げて市町村の取り組みを応援すべきであります。
入院・通院とも中学卒業までの無料化はもちろん、さらにすすんで18歳まで無料化することが必要だと思います。
県負担が大きくなるというなら、削るべきところは他にあると思います。
私は今、健康福祉部が福祉医療制度、子どもの医療費助成の仕事をするにあたって、一番大事なこと、原点に返って考えていただきたいと思います。強きを助け、弱きをくじくような財政のあり方こそも直していただきたいと思います。
知事は、6月定例会開会にあたり提案説明のなかで、「日本一子育てしやすいあいち」の実現を言われました。私も大賛成です。そのためにも福祉医療制度の改悪は行わず、子どもの医療費無料化の拡充をすべきではないですかと強く求めて質問を終わります。