【しもおく奈歩議員】 子どもの医療費無料化は子育て世代の切実な願いです。住民の粘り強い運動とわが党地方議員の論戦で18歳までの医療費無償化が広がっています。全国では18歳までの医療費無料化自治体は通院で84%。入院で86%まで広がり、県段階でも18歳まで助成が通院で23%。入院で26%となっています。
愛知県内をみてみますと、入院は今年から高浜市も加わり54自治体、100%となりました。通院も今年中に実施する4市も含めて51自治体、94.4%%まで広がり、残すは岡崎市・高浜市・西尾市・3市のみです。全国的に見ても愛知県は子どもの医療費無料化が進んでいると思います。そこで、伺います。愛知県として、子ども医療費無料制度の県下自治体への広がりをどのように評価されているのか伺います。
【児童家庭課担当課長】 県内の各地域において、子ども医療費の助成対象年齢が拡大している状況については、それぞれの市町村が地域の実情に応じて取組を進められてきた結果であり、地域の子育て支援の一助となっているものと考えております。
【しもおく奈歩議員】 愛知県は、通院で義務教育就学前まで窓口負担を無料、入院は中学校卒業までを対象としています。この助成制度の意義、効果をどのように認識されているのか伺います。
【児童家庭課担当課長】 子ども医療制度については、医療保険における自己負担相当額を公費で負担することで、子どもの健康の保持増進と、子育てに要する経済負担の軽減を促進し、少子化対策としても意義あるものと考えております。
【しもおく奈歩議員】 県の子どもの医療費助成制度には自己負担も所得制限もありません。大変、利用しやすいものであると思います。子ども医療への所得制限は、愛知県以外の25都道府県が導入しています。現在、自己負担・所得制限どちらもないのは、山形県・群馬県・鳥取県・香川県と愛知の5県だけです。
そこで、伺います。愛知県として所得制限や自己負担を取り入れてこなかった理由について、お示しください。この点は、引き続き堅持すべきと考えますがいかがでしょうか。答弁を求めます。また、子ども医療費助成の予算(決算)の額、一般会計に占める比率についてお示しください。
【児童家庭課担当課長】 県としましては、通院医療にあたっては小学校就学前、入院医療にあたっては中学校卒業までの子どもが、必要な医療を等しく受けられるよう、所得制限及び一部負担金の無い仕組みとして運用してまいりました。
子ども医療制度につきましては、将来に渡って持続可能な制度として運用できるよう努めてまいります。
次に、子ども医療事業費のうち、事務費を除く本体部分の当初予算額及び決算額並びに一般会計全体に占める比率について2020年度分から2023年度分までお答えいたします。なお、金額については百万円単位切り上げで申し上げます。
まず、予算額についてお答えいたします。2020年度の事業予算額は84億4千7百万円、一般会計予算に占める比率は0.33%、2021年度の予算額は77億5百万円、比率は0.28%、2022年度の予算額は81億7千3百万円、比率は0.29%、2023年度の予算額は77億6千6百万円、比率は0.26%となっております。
続いて、決算額についてお答えいたします。2020年度の事業決算額は62億9千1百万円、一般会計決算に占める比率は0.23%、2021年度の決算額は77億4千8百万円、比率は0.23%、2022年度の決算額は76億8千1百万円、比率は0.25%、2023年度の決算額は87億1千1百万円、比率は0.31%となっております。
【しもおく奈歩議員】将来にわたって持続可能なものにしていくということで、所得制限や自己負担はこのまま継続をしていただくということでよいか、もう一度答弁をお願いします。
【児童家庭課担当課長】 将来にわたって持続可能な制度となるよう、財源の確保等に努めてまいりたいと考えております。
【しもおく奈歩議員】2008年以来、愛知県は助成対象の年齢がずっと通院は就学前、入院は中学校卒業までとなっています。大村知事就任後は、拡大していません。なぜ17年間も対象を拡大してこなかったのでしょうか。県の考えをお示しください。
【児童家庭課担当課長】福祉医療制度につきましては、子ども医療を始めとした4つの医療費助成を持続可能な制度として運用していくことが大変重要であると考えており、全国の都道府県の中でも一定の水準にある仕組みとして安定的な運用に努めてきたところです。
【しもおく奈歩議員】 子どもは病気やけがが多く、重症化リスクも高いため早期の診断と治療が大切です。発熱しても手元にお金がなくて病院にいけない状況は、病状が急変しやすい子どもにとって命に直結する問題です。ぜんそくなど慢性疾患で継続的な治療が必要な子どものいる家庭には長い期間の負担となります。お金の心配をせずに受診できる仕組みが欠かせません。
東京都は、2023年に子どもの医療費無料を18歳まで拡大しました。愛知県の財政力からすれば、医療費助成の対象年齢を18歳まで拡大しても十分にまかなえると思います。そこで伺います。愛知県も、入院・通院ともに18歳まで無料化へと市町村へ半額補助を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。答弁を求めます。
【児童家庭課担当課長】 県としましては、子ども医療制度を持続可能な制度として安定的に運営する観点から、当面は現行の水準を維持してまいりたいと考えております。
一方、子ども医療制度につきましては、本県も含め、全国の全ての自治体で独自の負担軽減や無償化が行われ、事実上のナショナルミニマムとして定着している現状を踏まえると、全国一律での制度創設など、国において統一的な対応が図られるべきものと考えております。
このため、本県としましては、これまでも、国に対して全国一律での新たな支援制度の創設などについて要請を行ってきたところであり、知事会、市長会、町村会の地方3団体からも同様の要請が行われております。引き続き様々な機会を捉えて、国への申し入れを行ってまいります。
【しもおく奈歩議員】県内の市町村ががんばって独自で、医療費無料を拡大している部分を支えるのが県の役割だと思います。半額県負担にして、自治体にはそれぞれ子育て支援に独自の知恵と予算を振り向けてもらうことができます。そのためにも、すべての子どもの命と健康を医療につなぐ、子ども医療費助成制度は18歳まで県で支えるその決断をしていただきたいということを強く求めます。