愛知が米追従政治の拠点に
安倍内閣は1月20日、2020年度政府予算案を国会に提出しました。昨年10月の消費税率10%引き上げ後、初の年度当初予算。一般会計総額は102兆6580億円。社会保障を抑制する一方で、軍事費は過去最高に増額されました。軍事費と愛知にかかわる特徴を見てみます。
8年連続増
安倍政権の2020年度政府予算案の軍事費総額は、過去最高の5兆3133億円。19年度に比べ559億円の増額です。軍事費の増額は安倍首相の政権復帰から8年連続です。
19年度補正予算案でも軍事費0・4兆円が追加され、トランプ政権の要求に応えて、米政府の言い値で買わされる有償軍事援助(FMS)で高額兵器の〝爆買い〟をすすめます。 補正予算案の軍事費の9割は本来20年度当初予算案に計上すべき兵器などのローン返済費用です。
F35戦闘機 “爆買い”
新年度予算案に盛り込まれたF35A戦闘機の購入費用は、3機分で281億円。別途、整備用機材等の費用として374億円を計上しました。
県営名古屋空港に隣接する三菱重工小牧南工場(豊山町)で組み立てられた空自F35は、昨年4月9日青森県沖で墜落。県営空港滑走路では試験飛行が再開されています。
日米両政府は、小牧南工場をアジア太平洋地域のF35の修理・整備拠点化を進めています。
巡航ミサイル
F35Aに搭載可能な対地・対艦ミサイル「JSM」の取得費用136億円が計上されました。
空中給油機
新型空中給油・輸送機KC46A4機分の取得費1052億円を計上しました。空中給油機は、戦闘機部隊等が太平洋など広大な空域で作戦を遂行する場合に航続距離を延ばすためのものです。
現在、KC767空中給油・輸送機が配備されている空自小牧基地は海外派兵の空輸拠点です。
攻撃型空母
短距離離陸・垂直着陸が可能なF35B戦闘機6機を米国から購入する費用793億円を初めて盛り込みました。
自衛隊最大のヘリコプター搭載型護衛艦「いずも」の甲板を改修し、F35Bが発着できるようにする費用は31億円。自衛隊が「専守防衛」の建前をを投げ捨てる攻撃型空母への改造です。
「いずも」は18年7月、物資補給、乗組員の休養、広報活動を理由に名古屋港金城ふ頭に入港しています。
県巨額援助の三菱機また納入延期
大村愛知県政は、三菱重工など軍需産業を支援する「アジアNo.1航空宇宙産業クラスター形成特区」を国の指定を受け推進しています。県は三菱重工の小型ジェット旅客機(スペースジェット、旧MRJ)生産を支援するとして、14年に工場用地を確保。17年に県営空港内に駐機場を整備しました。しかし三菱は今年予定の初号機納入を2021年以降に延期する方針に。これで延期は6回目。受注キャンセルが懸念され、中小部品メーカーの経営が悪化しています。