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「豚コレラについて」 しもおく議員が質問 【2月議会 議案質疑】

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3月8日、2月定例議会本会議で、しもおく議員は「豚コレラについて」質問しました。全文をご紹介します。 ☞コチラからダウンロードできます

2月定例議会 本会議議案質疑    2019月3月8日 しもおく奈歩議員

第8款 農林水産費 第2項 畜産業費   豚コレラついて

                   (文責:日本共産党愛知県議団) 

      

【しもおく議員】日本共産党の下奥奈歩です。通告に従い、平成31年度予算案の歳出第8款農林水産費 第2項畜産業費 1目畜産総務費、2目畜産振興費、3目家畜保健衛生費等について質問いたします。よろしくお願いいたします。

豊橋・東三河をはじめ、愛知県は、農業が豊かな県となっています。そのなかで、畜産も盛んで、全国の有数の畜産県ともいわれています。地域の経済を支える、大事な地場産業の一つです。

愛知県としても、農家を支えて、畜産業を盛り上げていくために力を尽くしていくべきです。

 そんな中で、今、畜産の振興に打撃となっているのが、豚コレラです。昨年9月9日、岐阜県で豚コレラの発生が確認され、昨年末には愛知県犬山市で猪への感染が確認され、ついに2月5日には、豊田市の養豚場の豚5頭から県の遺伝子検査で陽性反応が出ました。

この養豚場は、愛知県田原市にある分場への子豚の移動に加えて、通年ベースで長野県、岐阜県、滋賀県、大阪府、などにある養豚場に子豚を出荷していたことから、愛知県以外の4府県に感染が拡大してしまいました。

極めて重大です。私の住んでいる、東三河では有数の養豚農家が畜産を営んでおり、田原市にまで感染が拡大し、不安が大きく広がっています。田原市「養豚団地」とその関連農場では16施設の豚計1万7325頭の殺処分がされました。

農家や職員のみなさん、関係者の悲痛な思い、いっぱいだと思います。この場をお借りして、地元、三河地方のこれらの対策に全力をあげている農家や職員のみなさん、関係者の皆さんに心から感謝を申し上げたいと思います。ほんとうにありがとうございます。

しかし、愛知の畜産を守るために、何としても豚コレラを食い止めなくてはなりません。感染の広がりによって養豚農家の方々の緊張がずっと続いています。

この豚コレラの防疫の徹底には、膨大な資金、人員の投入、そして時間がかかります。したがって、中長期的な支援体制がどうしても必要になってきます。

殺処分を余儀なくされた農家はもとより、移動制限、出荷制限された農家や流通関係者の方々の苦しみ、不安に寄り添い、再建に向けた息の長い支援がほんとうに求められています。

私たち、日本共産党県議団は2月21日に、大村知事に被害農家への財政支援など求める「豚コレラ対策」を申し入れました。

いま畜産農家はどこも精神的にも経営的にも限界の状況です。農家の現場では、外部との接触はできるだけ避けて、感染拡大の恐怖と戦いながら、想定しうる限りの防疫体制を敷いています。

しかし、資金の不足でシャワーゲートなど高度の防疫施設を整備できない農家もあります。猪などからの防護柵、電気柵の設置、維持にも相当の費用がかかります。さらに最近の農水省の疫学調査チームの検討会のなかでは小動物が感染を媒介している可能性があるという指摘もあります。そうなると完全に遮断するための整備も必要です。消毒のための費用も大きくかさみます。

感染拡大のリスクを減らすには、こうした設備投資、衛生管理への支援に加え、施設に入る車両を一方通行にするなど工夫が求められるといいます。

このような農家の防疫、衛生管理への支援を本気になって万全の構えで支えることがいまほんとうに求められています。

愛知県として、防疫のため、これらの点での支援策についてどのように検討しているか、先ず伺います。

【農林水産部長】豚コレラに関するお尋ねのうち、まず、農家における防疫体制の整備に向けた支援策についてであります。

国においては、豚コレラの防疫対策として、「飼養衛生管理基準」の遵守徹底を強く求めております。県としては、国のチェックリストを活用した立入検査を通じて、当該農場の課題を把握し、農場主に課題への対応を求めるとともに、農場に出入りする人や車両の消毒の遵守徹底を図っているところであります。

また、今回の豚コレラの感染拡大の要因となっている野生イノシシ対策としては、国の補助制度を活用して、農場周辺への侵入防止柵等の設置を進めており、年度内には33農場と県有の3施設で整備を完了するとともに、他の農場につきましても、新年度速やかに整備を進めてまいります。

県としましては、これ以上、豚コレラが発生することのないよう、県内の農家における防疫体制を整備する取組を、しっかりと支援してまいります。

【しもおく議員】また、殺処分を余儀なくされた養豚農家の方々の中には、経営再開をめざす大事な担い手の方がいます。

そこで欠かせいないのが万全の補償体制です。いま発生農場に対して殺処分した豚の評価額を都道府県が算出し、国が手当金として保証する制度はありますが、現場からは「雇用を含めた農場全体での評価額を算出して欲しい」「まとまって補償金が出ても、収入とみなされたら税金が払えない」というような声が出ていると言われています。まさにいま、畜産農家の経営と生活を守るための万全の補償と、再建への厚い支援策が求められています。将来に希望と展望のある支援があってこそ、再建しようという決意が生まれるのです。しかし、現在のような、とりあえず、つなぎで融資するだけのような補償などでは、まったく足りません。

養豚農家が再建するには、出荷できるようになるには数年かかると言われています。その間の餌代、飼料代などはどうなるのか、その間の生活費はどうなるのか、農家は不安でたまりません。そのような農家の方々の不安に寄り添う、抜本的な手厚い支援策を講じなければなりません。そうしてこそ、希望が生まれるのです。

地元豊橋から、「昨年の台風で国と県が、被災農家への支援をしてくれてやる気になった農家もある。手厚い支援が必要」という声も寄せられています。

そこでお尋ねします。畜産に力を注ぐ県として、政府に対しこうした支援の早期実現を要望すると同時に、県独自にもより手厚い支援策が必要と考えますがいかがでしょうか。すべての被害農家、被災農家にあたたかい答弁を求めます。また、根本的施策と同時に、緊急の支援策が必要であり、その具体対策も明らかにしていただきたいと思います。

【農林水産部長】農家の経営支援についてであります。

豚コレラの発生農家をはじめ、移動制限等により損害が発生した農家に対しては、経営再建に向けた支援が求められております。

殺処分の対象となった発生農場や関連農場及び移動制限等で豚の出荷ができない農場に対しては、国から手当金等の支払いがなされます。また、豚の出荷を制限された農家に対しては、出荷できない間にかかった餌代や、売上げの減少分などを国と県で全額補償する制度があります。

しかしながら、手当金等の支払いまでには、一定の期間を要するのが現状で、豚コレラの発生農場などでは、経営の悪化が懸念されることから、こうした農家を対象とした緊急対策として、農家の皆さんが経営再建に必要となる資金を直ちに確保できるよう、「つなぎ融資」を速やかに実施するための経営支援策を講じることとし、開会日にご議決をいただいたところであります。

県としましては、緊急対策の内容を市町村や金融機関などに、速やかにお知らせし、「つなぎ融資」の円滑な実施に協力を求めるとともに、国に対しては、手当金等の申請を着実に進めてまいります。

また、国における支援制度としては、「家畜疾病経営維持資金」が設けられております。これは、国からの手当金等が交付された後、養豚経営の収益が安定的に確保できるようになるまでの資金融通措置でありまして、国が公益社団法人中央畜産会に委託して実施しております。

この資金の貸付利息については、中央畜産会が2分の1の利子補給を行うことになっておりますが、県においても、残りの2分の1の利子補給を行うことを、豚コレラの緊急対策として、今回、当初予算の補正予算として追加提案いたしました。

さらに、この資金の償還については、これまで、据置期間2年、償還期限5年とされておりましたが、去る2月26日に、国は、豚コレラ拡大防止に対する対策の追加の支援措置を決定され、その中で、据置期間3年、償還期限7年に延長されたところであります。

県としましては、こうした支援制度を活用して、農家の皆さんが早期に経営を再建できるよう、きめ細かな支援に努め、愛知の畜産をしっかりと守ってまいります。

【しもおく議員】さらに、地域の理解も必要です。発生した養豚農家は「経営を再開したい。しかし、息の長い支えがなければ、立ち上がれない」と言います。殺処分に直面する農家の苦しみや不安、加工業者や流通業者の方がの被害に寄り添う対策が求められています。

畜産は、食料を供給するという直接的な役割だけでなく、地域産業の不可欠の一翼を担っています。畜産で生じる糞は良質な堆肥となり、耕種農家を支え、循環型の地域づくりに貢献しています。副産物は、皮革製品や医薬品にも活用されています。ですから、家畜の伝染病対策は、農業だけにとどまらず、地域全体、国民全体の問題として捉えなければなりません。

そこでおたずねします。いま述べました観点からいえば、直接の殺処分された農家だけでなく、出荷制限された周辺農家、風評被害の加工業者や流通関係者など、被害補償について、広く厚くしなければなりません。そうでないと、実際には畜産全体の復興再建は困難だと思います。

現場のこうした被害の広い実態に、よくかみあった支援策を講じていただきたいと思いますが、答弁を求めます。

【農林水産部長】風評被害対策等についてであります。

はじめに、議員お示しの出荷制限された周辺農場に対しては、国と県の負担により、売上減少額や飼料コストの増加などに相当する額が交付されることになっております。

また、県独自の支援として、出荷できなかった豚のふんの処理や子豚の導入などにおけるコスト増に相当する額を支援する措置を、追加の緊急対策の中に盛り込んだところであります。

次に、風評被害対策であります。

豚コレラは、豚、イノシシに固有の病気であり、人に感染することはありませんが、加工業者や流通関係者の皆さんの中には、影響が出ている方もおみえになるものと考えております。

そこで、今後は、本県における豚コレラの清浄化の達成を契機として、県と畜産団体が連携して、県産豚肉の安全性について広く広報活動を展開するとともに、消費拡大に向けたイベントを県内各地で開催して、一日も早く県民の皆様の不安を解消し、あいちの豚肉の消費拡大にしっかりと取り組んでまいります。

【しもおく議員】しかもいま畜産業界は安倍政権によるTPP11やEPA、FTAなどの自由貿易協定によってかつてない自由化レベルにさらされ、未曾有の危機の中にあり、しかもこんごますます影響が拡大していくことが予想されます。さらに消費税増税の追い打ちがあれば、決定的な打撃を受けることになるでしょう。

こうした状況のなかで、畜産など日本や愛知の農業の「価値」に対する国民的・県民的理解の醸成がいま必要です。EUではこうした田園や農業の「価値」に対する理解があり、それを背景に財政的負担への理解があります。愛知の農業振興への将来を考えると、これらの大きな問題も視野に入れて展望を切り開く必要があります。これらについて、当局の見解を伺います。

【農林水産部長】⻑期的な政策と(次に、愛知の農業振興に向けた展望についてであります。

本県は、中部最大、全国三番手の大農業県であります。

平成29年の農業産出額は、3,232億円で、全国第7位となっております。また、本県の養豚の産出額は、257億円で全国第9位となっており、品目別順位において、常に上位を占める本県の重要な部門となっております。

こうした中、議員お示しのTPP11をはじめとするグローバル化の進展への対応については、国において総合的な対策が講じられるとともに、本県においても、「食と緑の基本計画2020」の策定にあたり、こうした大きな転換点にあることを踏まえて施策を検討してまいりました。

基本計画においては、本県の特長や強みを生かした12の重点プロジェクトを掲げ、効果的な施策の展開を図っておりますが、特に、農林水産業と商工業がバランスよく発展し、産地と大消費地が隣接しているという本県の特色を生かして、県民の皆様に、身近な農林水産業への理解の促進にも努めているところであります。

今後とも、グローバル化の進展に対応した国の制度を有効に活用しながら、農業者の皆さんが将来に希望の持てる農業を実現するため、愛知の農業振興にしっかりと取り組んでまいります。

【しもおく議員】次に、対策に日夜あたっている県職員の方々の問題です。岐阜県では、豚コレラが確認されて以降、その対応のために時間外労働が過労死ラインの月80時間を超える職員は延べ132人(うち93人が月100時間超過、9~12月)に達しています。

愛知県でこうした事態にならないように、とりわけ、獣医師へどのような方策を講じているのか、実態と対策についてお伺いいたします。

【農林水産部長】防疫業務に従事した県職員への対応についてであります。

本県で発生した豚コレラにおいては、1例目と2例目をあわせて、18の農場で、約2万5千頭の豚の殺処分を行うという、極めて困難な防疫措置となりました。

こうした中、1例目においては2,081人、2例目においては3,621人の合計で約5千7百人の県職員が防疫業務に従事していただきました。心から感謝申し上げます。

防疫業務に従事した県職員に対する身体面及びメンタル面の健康保持については、相談窓口を設けてしっかりと対応しております。

また、獣医師職員への対応でありますが、2つの事例が連続して発生する中、豚の殺処分に従事する獣医師職員の負担は、極めて重いものがありました。

こうした職員は、国家資格を有する職員として、使命感を持って対応していただきました。

獣医師職員においては、現在も、監視対象農場が多くある中で、気を緩めることができない状況が続いておりますが、特定の職員に過度な負担がかからないよう、職員の勤務管理と健康管理にしっかりと取り組んでまいります。

【しもおく議員】要望

最後にいま養豚農家の方々は感染の恐怖と闘っています。関係者の方々のご苦労もほんとうに大変です。「豚コレラがひと段落しても養豚農家が再開するのに、2〜3年はかかる。餌代も大変」という不安の声が寄せられています。また、野生鳥獣の肉(ジビエ)を生業とする若者たちの経営にも深刻な影響が及んでいます。いまこそ現場に寄り添う心の支えが必要だということをお要望し終わります。

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