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中部国際空港災害対策について質問しました しもおく議員

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10月4日、振興環境委員会(振興部関係)で、しもおく議員は「中部国際空港災害対策」質問しました。全文を紹介します。(コチラからダウンロードできます)

[未定稿 文責:日本共産党愛知県議団]

 

 

【下奥委員】
9月4日に、今年最強とされる台風21号が近畿を中心に全国各地で猛威をふるいました。強風は、広い地域で家屋や電柱、立木の倒壊など甚大な被害をもたらしました。
 そして、台風が上陸した近畿の沿岸部では、高潮によって沿岸部や関西国際空港が冠水し機能不全に陥りました。同時に、強風で流されたタンカーが空港と対岸を結ぶ連絡橋に激突したことで、利用客・職員合わせて約5000人が孤立するという事態になったことは深刻です。
 そこで、伺います。今回関西国際空港でおきたことは、中部国際空港をもつ愛知県も他人ごとではないと思います。しかし、知事の開会日での提案理由の説明の際に述べた中に、関空の教訓を生かすことは何も述べられませんでした。改めて、関西国際空港の事態について、基本的に、どう認識されているのか伺います。

【航空対策課主幹】
 今回の被害を踏まえ、国において、今後、被害の検証、必要に応じた対策を検討する予定と聞いております。県としては、こうした国の議論を注視してまいります。

【下奥委員】
 今回の事態を受けて、各社新聞報道が海上空港の災害時の弱さや、もろさを指摘しています。関空の担当者は、「想定外だった」「備えはしていたが、まさかここまでとは思ってなかった。甘かった」と話していると報道で伝えています。
 そこで、伺います。中部国際空港の現状の津波や高潮の想定と対策や災害への備え、災害時の情報伝達など、どうなっているのかお示しください。

【航空対策課主幹】
 中部国際空港は、伊勢湾台風時の潮位3.29mを想定し、護岸や地盤高を決めており、空港の基本施設である滑走路、ターミナルビルの地盤の高さは3.79m以上となっております。情報提供については、「セントレア防災マニュアル」では、重大な気象情報の発表又は地震などの発生時には、屋内へは非常放送で、屋外へは警報サイレンや空港消防署の車両による巡回などにより情報を伝えるとともに、旅客の安全を確保するため、高所への避難誘導を行うよう定められております。

【下奥委員】
 異常気象が頻発する近年の日本で「想定外でした」という言い訳は通用しないと思います。今年は、8月だけで9個もの台風が発生、21号台風は「非常に強い勢力」で上陸しました。
地球温暖化の中で、今後も異常気象が続くことが懸念されます。今後は、異常気象を想定した高潮対策強化を行う必要がると考えます。
 そこで、伺います。今後、伊勢湾台風以上の大型台風が襲来する可能性があります。愛知県の公表している高潮浸水想定は、日本に上陸した過去最大の室戸台風と同規模の台風が伊勢湾台風と同じルートで通る最悪の場合1~2メートルの浸水が予想されるとして、浸水することを前提になっています。
多くの方が利用する空港は、最も安全重視が求められる施設です。それにも関わらず、浸水前提での高潮・津波対策でいいのでしょうか?安全性が重視されていないのではないでしょうか?伺います。

【航空対策課主幹】
 中部国際空港では、伊勢湾台風を想定した施設整備を行っており、想定外の被害に対しても、電源施設などの重要施設の防水対策や、「セントレア防災マニュアル」を策定し、もしもの場合の体制が取れるよう備えていると聞いております。

【下奥委員】
今回の関西国際空港の浸水被害を教訓に、「想定外」をなくす対策として、現状を見直し高潮対策の強化を行うべきではないでしょうか?また、排水ポンプや電気設備など空港の心臓部といえる重要施設を上層階へ移設することも必要だと考えますが、いかがでしょうか?

【航空対策課主幹】
 繰り返しになりますが、空港会社では想定外の高潮に対しては、電源施設などの重要施設の防水対策などをおこなっていると聞いており、今回の検証については今後の対策も含め注視していきたいと考えております。

【下奥委員】
 空港島では、今、国際展示場の整備が進められています。浸水や孤立する危険のある場所は、たくさんの人を集めるのにふさわしい場所とは思えません。ただちに、国際展示場の整備を白紙も含めて見直すべきではないでしょうか?また、知事は、関西国際空港の被害を受け、人工の空港島について、何の反省も教訓もなく、二本目滑走路の促進を堂々と掲げています。
そこで、伺います。危険な空港島での大型開発、大規模化はやめるべきと考えますし、少なくとも現時点で、慎重な見直しを行うべきと考えますが、答弁を求めます。

【航空対策課主幹】
 空港施設については、先ほどお答えしたように伊勢湾台風で想定される潮位以上の地盤や護岸の高さを確保しており、一定の安全性は確保されていると考えております。

【下奥委員】
 次に、今回の災害で浮き彫りになったのは「孤島化」してしまうという問題です。今回、関西国際空港では、タンカーが連絡橋に衝突して、橋桁が破損し通行できなくなり、空港は完全に孤立してしまいました。また、地震や冠水で道路が寸断される危険も新聞報道で指摘されています。
 そういったときに、孤島化した場合の対策が重要だということが示されたと思います。
 そこで、伺います。孤立した場合緊急時の交通手段について、お示しください。

【航空対策課主幹】
 空港島が孤立するような災害が発生した場合には、まずは、島内に残された方への安全確保を第一に考えた対策が定められており、緊急的な交通手段については、被害の状況に応じて対応することになるのではないかと考えております。

【下奥委員】
 もう一つ重要なのが、今回関西国際空港の連絡橋にぶつかった船は、いかりを下ろしたまま強風で引きずられる「走錨」状態になっていたことです。9月11日付の中日新聞で報道されています。
 さらに、タンカーも含めると30隻の船が走錨の可能性が高い動きをしていたそうです。愛知県も、同じような被害に遭う可能性も否定できないと思います。
 そこで、伺います。数十年に一度といわれる大型台風がたびたび発生する中で、これまで通りの対応では、通用しないこともあります。橋や、空港などの重要施設近くで、錨泊の禁止区域を設けるなど、被害防止について、県も責任をもち、関係機関とも連携しながら、対策を検討すべきではないでしょうか?答弁を求めます。

【航空対策課主幹】
 関空におけるタンカー衝突事故については、現在、海上保安庁が原因の調査を行っていると聞いており、その結果を注視してまいります。

【下奥委員】
また、今回の場合では、利用客には情報がほとんどいきわたらなかったことをはじめ、毛布のみが配られて、冷たい床で寝かされる、といった人権も守られない状況だったそうです。
 そこで、伺います。孤島化したら、直ちにそこは避難所となります。関西空港での事態を教訓に、中部国際空港の避難場所の確保をはじめ、段ボールベッドや食料など備蓄の内容を充実させるべきではないでしょうか?現状はどうなっているのか、お示しください。

【航空対策課主幹】
 空港会社では、ターミナルビル等の建物内の安全な場所に、計15か所の滞留場所を設定するとともに、6500人が3日間滞留できるエアマット、毛布、食料等の災害用物資を備蓄していると聞いております。

【しもおく委員】
 *国際空港が避難所になるわけですから、当然、国際的な避難所基準に適合した避難体制を構築すべきであることは言うまでもありません。国際赤十字社による国際基準、人権を守った避難体制をきちんと確保されることが必要です。
海外の方も利用する空港として、避難所のスペースの確保をはじめ、備蓄状況は世界に公表される必要があると思いますが、どうなっているのか、備蓄は、何日分あるのか、食料はどうか、寝具は十分確保されているのか、ミルクはどうか、医療体制はどうか、それで十分だという根拠は何か、詳しくあきらかにしていただきたい、と思います。

【航空対策課主幹】
 災害用備蓄品については、6500人が空港島内に滞留した場合を想定し備蓄しており、公表されております。備蓄品の内容としては、水、ビスケットや缶パンなどの食料、毛布や保温シート6500枚等の他、ターミナルビル内店舗の食料、薬品等の在庫も活用することとしております。
なお、この6500人という想定は、航空機を利用する方だけでなく、一般来場者も含め空港に来場した方が最も多い時間帯の来場者数で設定したものと聞いております。
医療体制については、空港内に設置されている診療所が、災害時にも業務を継続できる体制をとることになっていると聞いております。

【下奥委員】
日経新聞が中部国際空港を取材して報道しているが、その中で格安航空会社LCCの乗り入れが拡大し、中部国際空港利用者は2018年度に1300万人と11年度に比べ1.5倍になる見通しだと。現在は6500人と想定されているが、混雑する時間帯に災害が起きれば緊急物資が不足する懸念もあると言われているが、この点について県の見解を伺います。

【航空対策課主幹】
備蓄については一定の基準に基づき定めているものですので、これらは便数や利用者の増加に伴い検証・検討されていくものと承知しております。

【下奥委員】
 さらに、今回関西国際空港では、被災者に情報がうまく伝わらなかったのはなぜか。教訓にすべきです。被災者は情報が何よりの頼りです。被災者に情報がうまく伝わるようにするための対策はとられているのか、その情報伝達の責任はどこにあるのか、こんごの対策をどう考えているのか、答弁を求めます。

【航空対策課主幹】
 関西国際空港では、地下に設置された防災センターが浸水し、設備故障により、館内アナウンスの施設が使用不能となったと聞いております。中部国際空港では、そのような重要施設は地上に設置されていると聞いております。なお、情報伝達については、空港の設置管理者である空港会社が担っております。

【下奥委員】
 次に伺います。関西国際空港と、対岸を結ぶ連絡橋は、所有者や運営者が複数の企業・団体にまたがっているのが特徴です。そのため、関西空港の被災で、空港の安心・安全をめぐる責任の所在がはっきりしない、民営空港の弱点が浮き彫りになりました。関西空港は、空港については、運営は、関西エアポート、所有は、新関空会社。土地は、旧関空会社となっています。連絡橋については、鉄道は、新関空会社がJR西と南海電気鉄道に貸付、道路は、機構が所有し、西日本高速道路が管理運営となっています。
 こういった複雑な権利関係が迅速な復旧や今後の防災対策工事の妨げになりかねません。
 そこで、伺います。中部国際空港は、災害時の責任の所在は、企業・県・国どうなっているのでしょうか?お示しください。今回の関空の事態を教訓に、どのインフラを誰が責任をもち、防災対策をするのか、災害時の責任者はどこなのか、壊れた場合どこが責任をもって直すのか?ということなどをはっきりさせて、県としても把握し、責任をもつ必要があるのではないでしょうか?権利関係について、基本的な答弁をまず求めます。

【航空対策課主幹】
 空港の基本的な施設の復旧については、空港会社が担っております。空港島には様々なインフラがあるが、それぞれの施設ごとに管理や復旧方法が定められております。

【下奥委員】
 具体的にお聞きします。一般的な見解は聞きしましたが、では個別、空港島そのものの津波や高潮、地震などの災害に対する防災対策については、中部国際空港が防災についても、復旧についてもすべて責任をもつのかどうか、詳しくご説明ください。

【航空対策課主幹】
 空港会社が定めている「セントレア防災マニュアル」は、空港会社だけでなく、関係者すべてが災害等有事の際にとるべき対応について定めており、それにより空港会社が中心となって、関係者で定期的に訓練を行い災害に備えているところです。なお、災害時のそれぞれの施設の復旧については、それぞれで対応することとなります。

【下奥委員】
 次に、鉄道橋についてはどうでしょうか。同様に、防災や復旧について、中部国際空港連絡鉄道株式会社と名古屋鉄道の責任分担はどういう関係になるのでしょうか、伺います。

【交通対策課主幹】
 中部国際空港への鉄道の海上橋につきましては、中部国際空港連絡鉄道株式会社が建設・保有し、名古屋鉄道株式会社に使用させているという状況です。海上橋の保守管理については、中部国際空港連絡鉄道株式会社と名古屋鉄道株式会社との協定に基づき、名古屋鉄道が保守管理を行っております。また、海上橋が被災した場合の復旧については、協定に基づき、中部国際空港連絡鉄道株式会社と名古屋鉄道株式会社が相互に協議を行い、復旧工事を実施することとしておりますが、緊急を要する場合は、それぞれが応急の措置を講じたのちに協議することになっております。
 
【下奥委員】
結局、非常に曖昧な体勢になっていると思います。その根本原因は、空港を民営化し株式会社方式による運営形態にした問題点が、空港の安全安心をめぐる責任の所在がはっきりしないという形で、非常に深刻に浮かび上がっていると思います。民間活力を導入したことによって、バラ色どころが、県民や利用者の安全安心が危ないという重大な問題点があらわれています。
 この点について、県当局はどのように考え、何を検討していくのか、お答えください。

【航空対策課主幹】
 中部国際空港は、「中部国際空港の設置及び管理に関する法律」により、空港会社が管理運営を行い、安全の確保や、災害時の対策についても適切に行うことが定められております。また、同法により、国が空港会社に対し、監督上必要な命令をすることができることとなっており、必要な場合は、国が関与することとになります。

【下奥委員】
さらに伺います。石井国土交通大臣が関西空港や連絡橋の復旧工事の現場を視察し「高潮による被害を最小限に食い止めるよう抜本的な対策が必要だ」と述べました。また、羽田や中部空港などほかの海上空港での対策に関連して「数十年に一度の台風に備えた対策をとってきたが、今回の被害や気候変動による影響も踏まえてこれまでの対策を検証し、今後について検討していきたい」と述べました。
 そこで、伺います。石井大臣が根本的な改善が必要と述べたことについて、県としてどう受け止めているのか伺います。

【航空対策課主幹】
 国土交通省が空港を所管する省庁として、海上空港についての必要な検証、検討を行うものと受け止めている。県としては、その議論について注視してまいります。

 【下奥委員】
 海上空港の今後の防災対策について根本的に改善するためには、国が積極的に財政的にも寄与することがなければ、絵に描いた餅でしかありません。県として、積極的に国の防災対策予算の拡充をはじめ、国がきちんと責任をはたすことをあらためて求めるべきと考えますが、いかがでしょうか?答弁を求めます。

【航空対策課主幹】
 繰り返しとなりますが、海上空港の検証は今始まったところであり、国土交通大臣も「海上空港を含む空港の機能確保など必要な対策を講じていきたい」という発言もされている。県としてはこれらの検証・議論を注視してまいります。

【下奥委員】
注視だけではなく、県として、県民や世界の人が利用する場所ですので責任を果たすことを求めていくことも検討してはどうでしょうか?

【航空対策課主幹】
 検証の結果、何が必要か、それからどういうことが今後足りない部分で必要かが明らかにされていくこともあろうかと思います。何をやると発言できる段階ではありませんが、議論を注視した上で必要があれば関係者と共有しながら対処していきたいと考えております。

【下奥委員】
 愛知県としても、関空の今回の災害を教訓として、空港島の安全安心の確保にあらためてとりくむよう要望し、質問を終わります。

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