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カジノを含むIR誘致について質問しました しもおく議員

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10月4日、振興環境委員会(振興部関係)で、しもおく議員は「カジノを含むIR誘致について」質問しました。全文を紹介します。 (コチラからダウンロードできます)

[未定稿 文責:日本共産党愛知県議団]

【下奥委員】
カジノを含むIRの問題について質問します。
 特定複合観光施設区域整備法、いわゆるカジノ実施法が先の通常国会で十分な審議も、国民の合意のないままに7月20日、自民党、公明党、日本維新の会の賛成で決定されました。
参議院での国会論戦では、7月12日発売の『週刊文春』で、米国の大手カジノ運営企業「シーザーズ・エンターテイメント」が日本進出のためのアドバイザーとしている人物の会社が西村康稔・官房副長官ら超党派のカジノ議連の幹部にパーティー券購入の形で資金提供、「脱法献金」していたことを報じました。そのことを踏まえ、日本共産党の大門参院議員がその事実をただしました。そして、西村氏はパーティー券購入は事実であることを認めました。西村氏は、カジノ実施法の前提となったカジノ解禁推進法の提出者であり、まさにカジノ解禁の地ならしをすすめてきた海外カジノ企業の意に従った「最も悪質な売国法」であることが明らかになりました。
しかも、カジノ実施法成立直後の21日、22日に行われた共同通信社の全国電話世論調査によると、カジノ実施法に反対との回答は64・8%にのぼり、賛成27・6%を大きく上回っています。
そこで伺います。愛知県は、このカジノ実施法の成立後、「MICEを核とした国際観光都市」の実現に向けたアイデア募集説明会を8月21日東京都と8月23日名古屋市で、事業への参入の意向を有する事業者を対象に、非公開で行いました。なぜ、非公開で行ったのですか。

【地域政策課主幹】
今回の説明会は、本県が検討を進めている「MICEを核とした国際観光都市」について、民間事業者の方々から幅広くアイデアを募集するためのものであり、参加される企業の事業戦略にも関わるため、この点を考慮し、非公開としました。なお、説明会への参加企業数や参加者数、県からの説明内容、質疑の概要などについては、説明会終了後、記者に対して説明を行っております。

【下奥委員】
どういう事業者が関心をもって参加したかは、広く県民にも明らかにすべきで、公開すべきではなかったでしょうか。さらに伺います。参加した事業者の中には、カジノ運営にかかわる事業者は参加していたのでしょうか。

【地域政策課主幹】
説明会には、東京、名古屋の2会場合わせて、国内外から延べ72社の参加がありました。なお、参加企業に配慮し、今回は総数のみの公表としております。

【下奥委員】
新聞報道によると、都内の説明会には、海外、国内の32社が参加をし、県はアイデア募集の内容について、カジノを含む構想も「排除するものではない」という説明をしたとなっています。それは事実ですか。お示しください。

【地域政策課主幹】
今回のアイデア募集は、民間事業者から、幅広い観点で様々なアイデアをいただくことを目的としており、特定の業種や分野についてフォーカスをしたりとか、除外するようなことはしないとの考えで実施しました。

【下奥委員】
除外しないということは、カジノを含む構想も排除するものではないという説明も行われたという認識で良いのかどうか?確認です。

【地域政策課主幹】
今申し上げたとおり、特定の業種や分野についてフォーカスをしたり、除外するようなことはしないとの考えで実施しました。

【下奥委員】
9月14日にアイデア募集の締め切りとなっています。
何通のアイデアが寄せられ、その中には、国際観光都市としての機能整備に関する研究会が3月26日に提出したとりまとめで強調した「国がめざす日本型IRの活用について、愛知県として検討を進めていくべき」を踏まえた、カジノを含むIRの活用についてのアイデアはありましたか。お示しください。

【地域政策課主幹】
アイデア募集について、応募期限である9月14日までに、国内外の31社からアンケート票の提出がありました。今回のアイデア募集の結果については、事業者の名称やアイデア、ノウハウの保護に配慮したうえで、今年度の調査結果として、事業終了後に概要を公表することを考えております。

【下奥委員】
 これも回答がありませんでした。それでは、カジノ実施法直後の説明会が、カジノ誘致に向けた具体的な動きを開始したものと思われても仕方ありません。
 カジノの誘致については、これまでも委員会で質問してきたように、多くのみなさんから反対の声があがっており、MICEの中核施設となる国際展示場の建設予定地である中部国際空港島の所在地の自治体からも懸念が表明されています。
 日本弁護士連合会は今年6月19日に「特定複合観光施設区域整備法案(いわゆる「カジノ解禁実施法案」に改めて反対し、廃案を求める会長声明を出し、暴力団対策、マネー・ロンダリングなどの問題があり、刑法が禁止している賭博行為を容認するものとして、反対し廃案を求めています。
常滑市の片岡市長はカジノ実施法が成立した7月20日の記者会見で「治安への影響や依存症対策などで、まだ見えない部分が大きい。国の動向を注視し、県と歩調をそろえて調査をすすめたい」と述べたと報道されています。また、地元会社経営者は、「競艇場の来場者が多かった時代は常滑のイメージが悪かった。カジノができても、あまり街にメリットはないのではないか」と述べたことも報道されています。
 シンガポールを例に、海外観光客数を伸ばすためにカジノの必要性が強調されますが、実際は、カジノのない日本の方がシンガポールより、海外観光客数の増加が大きいのです。2011年と2016年を比較しますと、シンガポールの増加率は124%。日本は386%です。都市や地域でみても、長崎は254%、北海道は404%です。観光振興にカジノはいりません。地域の魅力を高める努力こそ必要です。
 自治体は県と歩調をあわせるといっているのですから、きっぱりカジノを含むIRは検討にいれないと態度を示すべきではありませんか。県の見解をお示しください。

【地域政策課主幹】
ご質問について、本県では、中部国際空港やその周辺エリアにおいて、MICEを核とした国際観光都市の実現に向け、調査研究を進めています。国際観光都市としての機能整備の具体化に向け、更なる検討を進めてまいりたいと考えております。

【下奥委員】
大変、残念な回答です。カジノ実施法の問題点は6月議会で指摘したとおりです。また、ギャンブル依存症を加速する問題については、繰り返し指摘してきました。
もともと、愛知県は、東京都、福岡県についで公営競技場が多い県です。中央競馬が1カ所、地方競馬が2カ所、競輪2カ所、競艇2カ所、場外発券場が9カ所、パチンコ屋はわかっているだけで614軒。それだけにギャンブル依存症が多いことが予想されます。カジノ依存を生み出し、人の人生が崩壊する、ギャンブル依存を一層増やすものを愛知に誘致するなんてことは許されません。カジノで観光や地域の振興と政府は述べていますが、カジノは人の人生を不幸にするもの。その不幸を土台にして観光・地域の振興というのは歪んだ考えです。あらためて日本共産党はカジノ誘致に反対を表明します。

 最後に、「MICEを核とした国際観光都市」についてですが、国際展示場の過剰な需要見込みや採算性のなさをこの委員会でも問題にしてきました。大きな国際展示場を作り、アクセスが便利ならば、海外から人がくるというのは安易な考えだと思います。2015年の国際会議開催件数は東京が1位で583件、福岡が2位で450件ですが、大阪は3位でした。大阪はご案内のように関西国際空港があり、福岡の2・7倍の国際会議場ももっています。そもそも国際会議は自治体が整備する国際会議場以外でもやられています。2015年の国際会議開催件数1位は九州大学で158回です。2位は東北大学、3位は名古屋大学です。大半の国際会議や展示会は既存施設で開催可能です。
 海外からの観光誘致そのものは必要なことですが、そのために大規模な施設をつくる、アクセスを充実させるのではなく、地域の魅力を増す、住みやすく、暮らしやすい愛知県をつくるためにこそ、必要な予算を使うべきだということを申し上げて質問を終わります。

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