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[2017年11月20日]決算特別委員会 政策企画 あいちビジョン推進費について しもおく議員 

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〔未定稿 文責:日本共産党愛知県議会議員団〕

子育て世帯への経済的支援

【しもおく奈歩 委員】

 決算に関する報告書1ページの「1 あいちビジョン推進費」と「4 まち・ひと・しごと創生総合戦略推進費」について伺います。2015年10月策定の「愛知県人口ビジョン」では、合計特殊出生率を国と同じ1.8として2060年の人口を700万人程度見込めるとしています。県の予測は過大であり、国立社会保障・人口問題研究所の出生率に準拠した、2060年に610万人とする推計の方が現実的な推計ではないかと思いますが、県が想定する700万人の根拠を伺います。

【企画課主幹】

 人口ビジョンの推計人口700万人の根拠についてお答えする。人口ビジョンで示した本県人口の将来見通しについては、合計特殊出生率、人口の移動率等の前提条件を置いて推計を行っている。

 合計特殊出生率については、厚生労働省の「出生動向基本調査」で示されている、本県の既婚者の「予定子ども数」や、未婚者のうち「結婚を希望する人の割合」などから、県民の希望がかなった場合の出生率を算出すると1.8となり、その県民の希望出生率ともいえる1.8を2030年に実現し、さらに2040年以降は、人口を維持していく出生水準、いわゆる人口置換水準の2.07に回復することを前提に推計を行っている。ちなみに、この2030年に1.8、2040年に2.07という前提条件は、結果として国の長期ビジョンと同じとなっている。

 人口の移動率については、強い産業力を維持し、引き続き、人口流入のトレンドを維持・継続させていくという考え方のもとに、過去20年間の平均移動率、具体的には年間1万3千人程度の転入超過が継続していくことを前提に推計を行っている。

【しもおく奈歩 委員】

 「あいちビジョン2020フォローアップ報告書(平成28年度版年次レポート)」において、「夫婦が理想の子供の数を持てない理由として、経済的な負担を挙げる世帯が最も多くなっていることから、子育て世帯への経済的支援、とりわけ、多子世帯への経済的負担の軽減を図っていくことが求められる」と指摘されていますが、担当部局に指摘や意見があったことを伝えているのでしょうか。また、経済的な負担軽減が図られるように助言や働きかけなどは行われているのか伺います。

【企画課主幹】

 あいちビジョンについてお答えする。あいちビジョン推進3年目の昨年度は、ビジョンの中間点検を目的として、外部有識者によるフォローアップ懇談会を開催し、委員からの提言を踏まえ、年次レポートとして、フォローアップ報告書をとりまとめた。

 フォローアップ懇談会においては、委員から、出生率を上げるためには、子どもが3人以上いる多子世帯の経済的負担を軽減することが必要との提言をいただいた。

 フォローアップ懇談会には各部局の関係職員も出席しており、懇談会の提言についても、議事録の形で各部局にフィードバックしている。また、提言を踏まえたフォローアップ報告書については、企画課でたたき台を作った上で、関係部局と協議・調整しながら取りまとめを行っており、課題認識については、本課と関係部局との間で十分共有できている。

【しもおく奈歩 委員】

 誰もが子どもたちの健やかな成長を願い、安心して子育てできる社会を実現できるような、思い切った政策を関係部局と一緒になってつくっていくことを要望します。

 次に人口ビジョンで言われている「雇用の場を提供して、本県への移住・定住を取り込んでいく」ことに関連して伺います。今、非正規雇用が拡大し、賃金も低く多くの若者が苦しめられています。そういう現状の中、「雇用の場」と言った場合、非正規ではなく、正社員として働く場の確保が欠かせないと考えますが、正社員化の促進への取組を積極的に支援するよう関係部局への働きかけ等を行っているのか伺います。

【企画課主幹】

 「愛知県人口ビジョン・まち・ひと・しごと創生総合戦略」に関するご質問についてお答えする。正社員化の促進について、総合戦略を策定した際に開催した有識者会議においても、委員から、「不本意な形で非正規となっている労働者への正社員化への働きかけは非常に重要」との指摘をいただいた。

 有識者会議には各部局の関係職員も出席しており、指摘についても議事録の形で各部局にフィードバックしている。また、総合戦略については、有識者会議での提言を踏まえて、関係部局と協議・調整しながら取りまとめを行っており、課題認識については、本課と関係部局との間で十分共有できている。

【しもおく奈歩 委員】

 しっかりと関係部局とも調整して、一緒になって取り組んでいく必要があります。正社員が当たり前となる社会、働きながら結婚して子供を産み育てることができる社会といった、本当に県民の願いに沿った政策の展開を進めていくことを要望します。

国家戦略特区について

 次に、国家戦略特区制度の趣旨と体制について伺います。

【企画課主幹】

 国家戦略特区制度の趣旨と体制についてお答えする。

 国家戦略特区制度は、経済社会の構造改革を重点的に推進することにより、産業の国際競争力を強化するとともに、国際的な経済活動の拠点の形成を促進する観点から、国が定める国家戦略特別区域において、規制改革等の施策を総合的かつ集中的に推進する制度である。

 国家戦略特区は本県を含め、全国で10か所が指定されており、本県は平成27年8月に指定を受けている。各区域には「国家戦略特別区域会議」が設置され、国、地方自治体、民間事業者の参加の下で、活用する規制の特例措置を記載した区域計画の作成や、新たに追加すべき規制改革メニューについて協議をすることとなっており、本県ではこれまで区域会議を6回開催してきた。

 区域計画については、内閣総理大臣が国家戦略特区諮問会議の意見を踏まえて認定することにより、記載した特例措置の活用が可能となる仕組みとなっている。

【しもおく奈歩 委員】

 「あいちビジョン2020」の重要政策課題2「グローバル展開」での外資系企業の誘致、海外からの人材獲得、重要政策課題4「農林水産業」、重要政策課題12「環境・持続可能まちづくり」での社会資本の計画的・効率的な維持管理・更新、運用などを進めるために、県として、国家戦略特区の申請を行い、特別区域が指定をされていると思います。

 そこで、県として指定をされている特別区域、認定され取り組まれている事業、まだ認定はされていないが、県として提案している事業について伺います。

【企画課主幹】

 本県における国家戦略特区の状況についてお答えする。

 まず、本県は県内全域が国家戦略特別区域に指定をされている。国家戦略特区には、既に全国展開されたものも含め、86の規制改革メニューがあり、各区域が地域の事情を踏まえ、様々なメニューを活用している。

 そのうち、本県では、日本初の活用となる「有料道路コンセッション」や「県立愛知総合工科高等学校専攻科の民営化」をはじめ、農業、医療、雇用・創業など様々な分野で13の規制改革メニューを活用している。

 また、規制改革に関する提案としては、資格能力を有する外国人の新たな在留資格による受入れを提案した「外国人雇用特区」をはじめ、「近未来技術の実証」や「農業分野への外国人材の受入れ拡大」などがある。

【しもおく奈歩 委員】

 特別区域に指定されているものについて、創業人材等の多様な外国人の受入れでは、日本で創業するために必要な在留資格「経営・管理」を取得するための要件を上陸後、6か月猶予するとしています。そして、新たな提案として、「外国人雇用特区」、「農業分野への外国人材の受入れ拡大」の提案をしており、外国人の雇用及び外資系企業の誘致を国の規制を緩和して進めようとしています。

外国人労働者の労働環境と日本人雇用

 このように外国人の経営・雇用条件を緩和する理由は何でしょうか。

【企画課主幹】

 国家戦略特区における、外国人の経営・雇用条件の緩和についてお答えする。

 「外国人創業活動支援事業」は、外国人起業家の受入れを促進し、本県の目指す「日本一ビジネスのしやすい地域の実現」に寄与することを意図しているものである。

 一方、「外国人雇用特区」及び「農業分野への外国人材の受入れ拡大」については、人口減少や高齢化により労働力不足が懸念される中で、製造業や農業といった産業の国際競争力を強化し、中長期的に生産力の維持・向上を図ることを狙いとするものである。

【しもおく奈歩 委員】

 人材不足の解消と経済活性化のためということでありました。しかし、最低賃金の引き上げ、農業への手厚い支援など、本来、県内の労働者や農業者が働きやすくする環境を整備することこそ、人材不足を解消し、経済活性化につながると思います。

 逆に、労働基準法違反で大きな問題と今なっているのが、外国人技能実習生の問題です。愛知県労働組合総連合の方に話を伺い、「岐阜県の縫製業者はベトナム人実習生を月6万円、残業代は1時間400円という低賃金で働かせていた。岐阜に次いで多いのがこの愛知で、残業代1時間500円の低賃金で働かせている、こういう実態がある。」と話していました。このように、少なくない外国人が最低賃金以下で働かされる、長時間労働で働かされると、こういう問題が起きています。

 そこで、特区ではこうした問題について、どのような対応がなされるのかうかがいます。

【企画課主幹】

 国家戦略特区における外国人に関する問題への対応についてお答えする。

 「農業分野への外国人材の受入れ拡大」については、先の国会で成立した改正特区法において、「農業支援外国人受入事業」として制度化されているので、この事例で説明する。この事業では、農業支援外国人の受入れを適切かつ確実に実施するため、関係自治体や国の機関で構成される「適正受入管理協議会」を設置することとしている。協議会では、ご指摘のような問題が発生しないよう、農業支援外国人が就労する農業経営体に対する現地調査を行い、外国人材からの苦情・相談窓口も設置することとしている。

 また、本県が提案している「外国人雇用特区」においても、同様の仕組みである「第三者監理協議会」を設置し、本県で働く外国人労働者が不利益をこうむることがないような対応を考えている。

【しもおく奈歩 委員】

 今、本当にこの外国人労働者というのが大きな社会問題になっています。安易な外資の誘致や外国人材の確保を進めるために規制を緩和することは、一層の労働環境の悪化を招き、日本の労働者にとっても大きな悪影響を及ぼすものです。

 国家戦略特区は、法の目的に「構造改革を重点的に推進することにより、産業の国際競争力を強化するとともに、国際的な経済活動の拠点を形成する」と書いてあるように、そもそも国民生活の方は全く向いていないものです。大企業の利益優先のための規制緩和を、県民や国民の声を排除してひたすら推進するこの国家戦略特区は廃止するべきであることを申し上げ、質問を終わります。

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