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[2017年11月9日]決算特別委員会 健康福祉 介護報酬のマイナス改定 しもおく議員

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〔未定稿 文責:日本共産党愛知県議会議員団〕

介護報酬のマイナス改定による悪影響

〔下奥委員〕

 決算に関する報告書の134ページの介護保険事業費に関連して、介護報酬の問題を中心に質問したいとおもいます。

 厚生労働省は10月26日、介護保険サービスの公定価格となる2018年度介護報酬改定の基礎データとなる介護サービス事業所の「経営実態調査結果」を社会保障審議会の委員会に示しました。

 この調査は、介護サービスを提供する約32000の施設や事業所を対象に16年度決算の収支状況を調査し、47.2%から回答を得たものですが、2016年度決算の企業の利益率にあたる収支差率は3.3%で、14年3月を対象にして前回調査の時の7.8%から大きく落ち込みました。

 厚生労働省の担当専門官は、委員から「厚労省はどう評価するか」と問われ、15年度の前回の介護報酬の改定によって、基本報酬が44.8%の大幅マイナスになったことと、介護人材不足で賃金をあげていることが原因と指摘しました。

 委員からは、「相対的に収支差はどのサービスも低いレベルであり、特養ホームが全国平均で1%台ということは、かなりの事業所でマイナスになっているのではないか。事業を維持するための最低限の利益を割り込んでいるのではないか」と懸念が示されてということです。

 10月23日に発表された、特養ホームが会員である全国老人福祉施設協議会の調査結果では、赤字施設の割合が33.8%となっており「もはや限界」という声明を出しています。

 今回話題になっている介護報酬ですが、3年に1度見直しが行われていますが、前回の改定時、2015年、なんと介護報酬が2.27%マイナスとなり9年ぶりに減少しました。すると、それまで増加傾向にあったデイサービスの数は翌年減少しに転じました。

 そこで伺います。このような介護報酬のマイナス改定によって愛知では2016年度どのような影響が出ているのか、お考えを伺います。

 

【高齢福祉課主幹(介護保険)】

 前回の介護報酬改定の影響等で全国的に事業が縮小傾向にあるのではないかというご指摘をいただいているが、愛知県の介護保険事業所の全体の総数で言うと、減少傾向にはなく増加傾向にあり、必要なサービス量については提供が出来ていると考えている。また、各市町村保険者から毎月、利用者からの苦情等の受付もさせていただいているが、その中でサービスについて利用できないという苦情については現在伺っていない。

 更に、県の委託事業で、居宅介護支援事業所の集合体の団体に相談事業を委託しており、その中でケアマネージャー等からの相談受付もしているが、その中においてもサービスのマネージメントでサービス量の不足に基づくような悩み事やご質問等については、現在のところ確認が出来ていない。

 

【下奥委員】

 いろいろ説明はされて影響はないということだが、影響は本当に深刻なものとなっているのが実情である。デイサービスは今深刻な経営難に陥っています。

 この地域コミュニケーションの核ともなる施設で、そんな場所が失われれば引きこもりになる高齢者もいるでしょう。そうなると介護をする家族の負担も増え、全てを家庭で抱え込まなくてはならなくなり、いつか社会問題として顕在化してしまいます。

 また同時に厚生労働省が推進する地域包括ケアシステムにとっても悪影響で、住み慣れた地域で安心して最期まで暮らす、という理念のもとで設計された制度が破たんします。介護報酬が引き下げられるということは、そのような事態を招きかねません。

 愛知の介護事業の経営実態の調査について伺ったところ、県の調査はないということでしたが、この介護報酬引き下げの中で、介護労働の実態調査がどうであったのか、離職率、採用率、従業員の過不足状況、不足している理由、採用が困難である原因、介護職員処遇改善加算を受け取った事業所の経営面での対応状況、労働者の所定内賃金などについてお答えください。

 

【高齢福祉課主幹(介護保険)】

 賃金は、若干の増加傾向にはあるが、平成28年度の介護労働安定センター愛知支部の調査で恐縮だが、そちらのデータで賃金の状況について申し上げると、愛知県の賃金は27年度が238,110円であったものが28年度は247,843円と1万円前後上昇している。全国平均に比べ約2万円高い賃金となっている状況があるので、賃金等については先ほどの加算等の適用状況からの影響もあって、こういう状況が起きているものと思っている。

 

【下奥委員】

 介護労働安定センターの愛知支部の資料は私も今手元にありますが、その中で良いところだけを言われたので、それではいけないと思います。

 実際どういう声が上がっているかというところで、採用が困難である原因は、賃金が低いであったり、仕事がきついであったり、介護サービスを運営する上での問題点では、今の介護報酬では人材の確保・定着のために十分な賃金が払えない、ということが半数以上ということが書いてあります。本当に厳しい状況になっていると思います。

 介護報酬の削減で、職員の給与にもしわ寄せが来ているのが実態であります。介護の仕事は本当にやりがいがあって、若者が大変だけれども頑張ろうと一生懸命働いている。しかし、「給与が低く結婚しても生活できない。」こういう声が出ているのが実態であります。

 介護施設で働いていた豊橋の若者も結婚し子供が出来た後、家族を支えられないからと離職し、他の仕事に就きました。介護報酬が削減されてしまえば、ますます若者の介護職離れが増えていくことが危惧されます。人手が不足していけば、一人ひとりにかかる負担や責任が重くなります。介護を受ける側にとっても不安です。

 そこで、今述べてきました実態について、県の見解を伺いたいと思います。

 

【高齢福祉課主幹(介護保険)】

 まず、報酬改定の仕組みそのもので言うと、先ほどもお話しさせていただいたとおり、国で全国の実態調査をやっていて、各地域だとか事業種別等で経営分析をされて所要の報酬改定の仕掛け作りと言うか、その手続きを国でやっている。県としては、賃金アップのための、例えば処遇改善加算の取扱いとか全職種への展開等については、国の方へ県の要望としてさせていただいている現状である。

 

【下奥委員】

 介護報酬のマイナス改定が繰り返される中で、経営が成り立たなくなった事業所が続出しているのが実態だと考えます。介護が必要な人がサービスを使えない「介護難民」が後を絶たない状況になっています。大変深刻であります。

 ところが、こういう時に財務省は、10月25日の財政制度等審議会で来年度予算編成に反映する社会保障改悪を示し、診療報酬や介護報酬の引き下げなど社会保障費を削減する方針を打ち出しました。診療報酬と介護報酬は来年4月に6年ぶりの同時改定時期を迎えます。

 介護では通所介護や訪問介護、特別養護老人ホームを標的にし、報酬を引き下げる案を財務省は示しました。生活援助については、1日あたりの報酬に上限を設ける形で利用制限を導入し、必要な援助を取り上げる方針を示しました。これではますます介護難民を増やすだけだと思います。

 高齢化と言われる社会の中で、介護分野が果たす役割は極めて大きいと思います。今必要なのは、マイナス改定ではなく、削減されてきた医療や介護の報酬を元に戻し増額に転じることであります。愛知県として、政府に対し、現場の深刻な実態を訴え改善していくことを強く要望します。

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