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[2017年10月27日]決算特別委員会(環境費)名古屋港浚渫土砂について しもおく議員

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〔未定稿 文責:日本共産党愛知県議会議員団〕

名古屋港浚渫土砂の中部国際空港沖への埋め立てについて

【下奥奈歩委員】

 平成28年度決算に関する報告書63ページの環境活動事業費6環境影響評価費に関わって伺います。

 国土交通省中部地方整備局が昨年から進めている、中部国際空港沖公有水面埋立事業というものがあり、これは、名古屋港で発生する浚渫土砂の処分については、ポートアイランドに築堤(ちくてい)を 整備し、やむを得ず仮置きしているが、平成 30 年代前半には仮置きが限界に達 する見込みであるとして、将来にわたって名古屋港の維持・発展を支えるためには、新たな埋立地の早期 確保が必要であり、本事業は名古屋港の港湾整備に伴い発生する浚渫土砂を処分 するための新たな埋立地を計画し整備するものだとしています。

 この事業について環境影響評価が行われていると思います。今年環境影響評価方法書に対して8月25日に知事意見が発表されています。

 そこで、まず伺います。この事業の環境影響評価は昨年からの流れがあります。この間、環境影響評価を順次行ってきているとおもいますが、昨年度から今日までの環境アセスメントの流れを説明してください。

 
【環境活動推進課主幹(環境影響・リスク対策)】 
 平成28年5月27日に事業者である国土交通省中部地方整備局から計
画段階環境配慮書が県に送付され、同年8月10日付けで配慮書に対する知
事意見を通知した。
 また、平成29年3月28日に環境影響評価方法書が県に送付され、同年
8月25日付けで方法書に対する知事意見を通知した。 
 
 住民からの意見に沿って県の認識を質す

【下奥奈歩委員】 

 説明のあった環境アセスメントの流れで、今は方法書が終了した段階だということです。この方法書は住民意見も出されており、その後に知事意見がだされておりますが、これは住民や自治体の意見をよく聞くというアセス法の本来の意義から言って、これらの住民意見について知事がどう受け止めて意見に反映したのかあるいは反映されていないのか、今後の事業展開に大きく関わっていくことになるので、問う必要があると思います。

 そこで以下、主な住民の意見に沿ってどう受け止めて知事意見に反映されたのか反映されていないのか順次見解を求めていきたいと思います。

 事業計画に対する住民からの主な意見の第一は、「上位計画の名古屋港港湾計画に従わずに、勝手に個別の埋め立て事業を進めることは許されない」こういう指摘があります。また、昨年の配慮書への意見のなかにも「事業の進め方とスケジュールで、平成23年7月29日第4回検討会で中部国際空港沖を選定。その後4年半も空白があってからこの検討書を公表した理由は何か。名古屋港港湾計画の全面改訂との調整がとれなかったためではないのか。中部国際空港沖で埋め立てる計画は認められない」という指摘があります。

 そして方法書の中での、その指摘に対する見解では「中部国際空港沖を候補地に選定することについて、関係者の一定の理解を得ることに時間を要したためであり、名古屋港港湾計画の改定とは関係ありません」と居直りました。また、埋め立てが確定した場合に適合を図るとしているが、上位計画の名古屋港港湾計画を無視して勝手に個別の埋め立て手続きをすすめ、その後に整合を図るということは許されないのではないか、と住民の方が意見を述べています。

 そこで伺います。関係者の一定の理解というよくわからない抽象的で内容が不明な点について具体的な説明を求めます。また上位計画である名古屋港港湾計画を無視したまま個別の事業が進められていることについて県の基本的な見解を伺います。

 
【環境活動推進課主幹(環境影響・リスク対策)】 
  環境部は、環境保全の見地から審査するものであり、「関係者の一定の理
解」の具体的な内容について、お答えする立場にはない。
  また、中部国際空港沖公有水面埋立事業は名古屋港港湾区域内に埋立地を
設置する計画ではないため、名古屋港港湾計画に位置付けられるものではな
い。 
 
 
【下奥奈歩委員】 

 住民からの主な意見の第二は、名古屋港で発生する浚渫土砂の埋め立て処分場を3800万㎥、しかも環境省から、浚渫土砂量の低減方策を引き続き検討・実施を求められているにも関わらず、何の低減策も検討せずに進めることは中止すべきである。と意見のなかで指摘されています。

 また、必要のない護岸整備、泊地整備を廃止・延長して浚渫土砂量の低減を図ったり、ポートアイランドに仮置きしている土砂のうち、汚染されていない土砂を山間部に戻したり、建設資材として活用・再利用するなどで、3800㎥の埋め立て量を削減する方策を検討すべきである。と意見の中で述べられています。

 そこで伺います。環境相も求めているように浚渫土砂量の低減方策の検討や埋め立て量を削減するさまざまな方法を検討していく必要があると思いますが、県の見解を伺います。

 
【環境活動推進課主幹(環境影響・リスク対策)】 
  平成28年8月10日付け配慮書に対する知事意見において、「埋立容量
の根拠を浚渫土砂の発生量も含めて明確にするとともに、浚渫土砂の有効利
用について検討すること。」を求めている。 
 
 
【下奥奈歩委員】 

 住民からの主な意見の第3は、港湾機能の強化や維持により発生する土砂1200万㎥や中長期的に必要な港湾機能の維持により発生する土砂600万㎥の内訳を記載し、その必要性、妥当性を検討できるようにすべきであると述べられています。

 また、昨年の配慮書の中で「事業の必要性、浚渫土砂の埋め立て処分場を3800万㎥の説明が納得できない。それぞれの土砂量の根拠をまず示すべきです。どこの港湾機能のどういう強化・維持でどれだけあって3200万㎥なのか、その必要時期はいつか、港湾計画では位置付けられているのか、それぞれの航路等の浚渫量・頻度はどれだけか。こうした資料を示してそれぞれの浚渫の必要性が検討できるようにすべきである」ということも住民意見で述べています。昨年の意見から今回の方法書では「港湾機能整備の強化や維持により発生する土砂1200万㎥、ポートアイランド仮置き土砂2000万㎥が追加されているだけだという、指摘もあります。

 そこで伺います。このように内訳がわからない中でこの事業の必要性や妥当性は全く検証できないと思います。また、住民から寄せられた意見にも全くこたえていません。しっかりと必要性や妥当性を検証し住民の声に真摯にこたえるべきと考えますが、この点での県の見解を伺います。

 
【環境活動推進課主幹(環境影響・リスク対策)】 
  平成29年8月25日付け方法書に対する知事意見において、「埋立地の
計画容量の根拠を明らかにするとともに、事業計画等について、より具体的
に示すこと。」や「準備書の作成にあたっては、住民等の意見を十分に検討
すること。」などを求めている。 
 
 
【下奥奈歩委員】 

 住民からの主な意見の第4は、「南5区の海面処分用地については、土地需要の具体的な見通し、事業採算性の確保が難しいこと等から、事業化を見合わせ、中部国際空港沖を新たに選定するのは本末転倒である。この理由で中部国際空港沖も事業化の見合わせが必要となります。」と述べられています。

 また、土地需要の見通しが立たないのは、南5区でも空港沖でも同じです。それとも中部国際空港沖に土地需要があるのか。「浚渫土砂の埋め立てとセントレアの第二滑走路とは無関係」と国交大臣は言いながら需要があるならその需要を具体的に示すべきです。

 埋め立てた土地の計画の活用計画も明らかにしない、また、20年後の浚渫土砂処分場計画も示さず推しすすめることは許されない。中部国際空港株式会社は「2027年度、二本目滑走路用」と明記している。この計画は、中部国際空港株式会社の考えと言うが、もし、この埋め立て地を滑走路に売り渡すというなら「公有水面立法」に違反する行為である。この点からもこの計画は中止すべきであると住民意見で指摘されています。

 そこで、伺います。この住民からの意見にもありますように計画が明らかになっておらず、具体的な見通しがたたないのに推し進め、さらには埋め立ててあとは滑走路に売ってしまおうというねらいであれば公有水面立法に違反する恐れのあるものです。この点についての県の見解を伺います。

 
【環境活動推進課主幹(環境影響・リスク対策)】 
  環境部は公有水面埋立法を所管していないので、お答えできない。
なお、中部国際空港沖公有水面埋立事業は、名古屋港の港湾整備に伴い発
生する浚渫土砂を処分するための埋立地を整備するものである。 
 
 
【下奥奈歩委員】 

 住民からの主な意見の第5は、伊勢湾断層の問題です。「事業者は、伊勢湾断層から一定の離隔(りかく)距離(きょり)を確保することにより所要の安全性は確保できるというが、具体的な距離と出典、その場合の所要の安全性確保とはどの程度なのかを示すべきである」と述べられています。

 また、昨年の配慮書への意見で「断層の存在を追加すべきである。配慮事項が記載され断層の変化が護岸に直接的な影響を及ぼさないように検討をとあるだけで、伊勢湾断層のライン上を越えなければよいとする姿勢だが、場所を選定する前に他の候補地も含めて断層の調査をし、選定の基準の一つとすべきである」と住民意見で指摘しています。

 そして、配慮書の見解では「断層から一定の離隔距離を確保することにより所要の安全性は確保できることから、候補地の候補地の評価項目としては選定していません」とあるが、一定の離隔(りかく)距離とは、具体的に何mでその出典は何か、その場合の所要の安全性確保とはどのような中身なのか示すべきである。と住民意見で述べています。

 2016年4月14日の熊本地震では断層に沿って幅1㎞長さ3㎞の区域で50棟以上が全壊していることも意見の中で述べ、指摘されています。

 そこで伺います。熊本の実態からもわかるように、甚大な被害となっています。日本は地震大国で、東海地方でも大きな地震がくると言われております。それなのに、断層付近の極めて危険な場所であるにもかかわらず、この事業では、断層の科学的根拠を示さず、「安全性は確保できる」という全く説得力も根拠もなく言い張っています。危険な計画ではないでしょうか。離隔距離を確保することで所要の安全性は確保できるという具体的な距離と出典、所要の安全性確保の科学的根拠をしめすべきですが、この点についての県の見解を伺います。

 
【環境活動推進課主幹(環境影響・リスク対策)】 
  中部地方整備局は、方法書において、「埋立地の護岸は、波浪及び高潮、
地震等の作用に対して、安全性が確保され、内部の埋立用材及び保有水が流
出しない等の機能を有する構造とする。護岸構造の検討は、「港湾の施設の
技術上の基準を定める省令」に基づいて行う。」としている。
これについては、準備書段階において、中部地方整備局に確認していく。

 

【下奥奈歩委員】

 最後に、この事業がこのように全く住民の意見をまともに反映されないまま進められていっていずれは埋め立てたことを理由に中部国際空港2本目滑走路ができてしまうのではと危惧しております。

 今回の知事意見では、こういった住民の意見が反映しているとはとても言えません。正当な住民の意見を組み尽くす立場から程遠い見地ですすめられていることを指摘し、質問を終わります。

 

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