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[2017年10月4日]振興環境委員会(振興)アジア競技大会について しもおく議員

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〔未定稿 文責:日本共産党愛知県議会議員団〕

締結期限延長について具体的に明らかにせよ

【下奥奈歩委員】

 アジア競技大会問題での質問を行います。本会議でも他会派の議員から質されていますが、日本共産党は、アジア競技大会の愛知・名古屋での開催が決まった以上、OCA憲章にあるように、スポーツ振興におおいに寄与し、国際平和と友好に貢献する大会になるよう務めるべきであり、大会の準備から開催に至るまで、安全で、愛知県民・名古屋市民の生活や環境と調和のとれた無理のない取り組みと、開催の進め方について、密室でなく、原則公開で、透明性を確保し、民主的運営ですすめていくことが大切であると考えています。

 この立場から、昨年9月議会の振興環境委員会で私は、「アジア競技大会について、あまりにも情報が隠され、不明慮であり、競技大会成功へのプロセスやシステムが極めて不透明です。県は、競技大会成功のために情報を原則公開するべきです。また、大きなイベントであるアジア競技大会は県民の支持と理解が不可欠です。大会への取り組みが県民生活や環境と調和のとれた、規模や内容も身の丈にあった無理のないものにすることがもとめられます。競技大会は、スポーツによる交流が最大の目的であり、国際競争力強化のためのものではありません。そういったことに利用されるのではなく、純粋なスポーツ振興と、スポーツを通じて国際平和と友好を促進するスポーツ大会になることを強く求めます」と質問しました。

 先月15日に県は、「第20回アジア競技大会開催都市契約の締結期限延長期間の合意について」記者会見し、開催都市契約の締結期限を来年の3月25日まで延長する。また、締結契約が困難な場合には、更に6ヵ月間延長することができることを明らかにしました。

 振興部の資料では、①開催都市に権限のない条項や実施困難な条項の修正、②開催構想で提示した財政計画が実現可能となるよう、数量や期間、県市や組織委員会の負担軽減を図るための条項の修正、③OCAが一方的に有利な条項の解消、④財政面及び商業面義務に関する調整の4点について協議しており、8月下旬までに修正協議が整わない場合に、開催都市契約の締結期限を延長するとしています。

 そこで、伺います。締結期限が延長された以上、協議が整わなかったということであると思います。4点の協議条項について、県と名古屋市は、OCAに対し、何を具体的に求め、どの点が合意に至たらず協議の途中であるのか明らかにすることと、延長されたのを機にOCAと県・市そして県民が歓迎できる大会になるように不利にならないことや財政負担が大きくならないようにしっかりと協議を進めていくことが重要であると思います。答弁を求めます。

【アジア競技大会推進課主幹】

 「開催都市に権限のない条項や実施困難な条項の修正」については、例えば、大会期間中、本都市内外のホテルの価格を管理し、価格が高騰しないよう求められております。しかし、ホテルの価格を管理することは実施困難ため、業界団体に対して必要な働きかけを行うといった内容に修正するよう協議を行っている。

 「負担軽減を図るための条項の修正」については、例えば、セキュリティはあらゆる措置を講ずるとされている。これは、OCAの要求により経費が増大する恐れがございますので、開催都市側の裁量で具体的な取組内容を決められるように協議を行っている。

 また、選手関係者の数も想定している1万5千人から増大しないよう上限を設ける方向で協議を行っている。

 「OCAが一方的に有利な条項の解消」については、例えば、OCAや国際競技団体と開催都市側の協議において意見が異なる時に、最終決定権をOCAが持つとされた条項がございます。こうした条項では、OCAの結論により財政的な影響が及ぶ恐れもありますので、開催都市側の意向が反映されるように求めているところである。

 「財政面及び商業面の義務に関する調整」については、入場料収入やスポンサー収入などに関するOCAと組織委員会の配分割合の調整であり、OCA憲章では、50:50の割合で配分されることとなっていますが、これにとらわれず、組織委員会が大会開催に必要な収入を確保することができるよう、配分のあり方の協議を行っている。

 OCA対する協議については、良い内容の契約が実現できるよう努力してまいりたい。

【下奥奈歩委員】

 新聞報道では、負担のあり方について、協議が整っていないとのことですが、これは事実ですか。新聞で報道されている以上、県として県民に事実関係を明らかにすることは当然必要です。明らかしてください。

【アジア競技大会推進課主幹】

 負担のあり方についてでありますけども、開催都市側の負担の軽減ですとかスポンサー収入の配分などについて、OCAとは鋭意協議を行っているところございますので、協議が整っていないのは事実である。

県民への説明、県民の声を大切に

【下奥奈歩委員】

 新聞報道が先行されており、県からは何も説明がありません。これでは、県民に情報が公開されているとはいえません。県民が歓迎するアジア競技大会にしていくためには、情報を原則公開とすべきです。

 前回、昨年9月議会のときに「アジア競技大会の成功に向けては、議会や県民の皆様の意見を無視することはない。」という答弁されています。また、2月議会のときには、「大会開催基本計画については、来年度から策定準備を始めるが、途中の段階で議会や県民に示せるよう、OCAと相談してまいりたい。」と答弁で述べております。しかし、現状は、県民無視、議会軽視で進められているように思います。

 

 続いて、開催構想について伺います。振興部の資料によれば、発表した開催構想に対し、シンクロナイズドスイミングの会場変更、水球の会場変更、サッカー場の会場の追加の検討、近代5種の会場の分散などについて検討し、すすめているとのことです。

 私は、開催誘致の取組が拙速であり、県民に十分情報が知らされていないことを、開催決定前にも議会で指摘しましたが、開催構想の変更は、開催構想が県民の知恵も借りて十分に練り上げられていなかったことを示しています。

 そこで伺います。その後、開催構想の見直しの検討はどのように進んでいますか。関係者だけでなく県民から積極的に意見を募る計画はありませんか明らかにしてください。

【アジア競技大会推進課主幹】

 開催構想でお示しした内容のうち、競技会場や選手村などについては見直しの検討を行っている。競技会場については、市町村や競技団体から意見を伺っているほか、新たな競技施設の整備予定などを把握し、調整を進めているところである。なお、競技種目につきましては、2024年にパリで開催されますオリンピックの競技種目を取り入れる必要があることなどから、今後変更も想定される。

 また、選手村については、名古屋競馬場跡地を候補地のひとつとしておりましたが、競技会場が遠方のところについては、その近くのホテルなどを利用して代替施設とする方向で検討を進めているところである。こうした検討過程の中におきまして、県民から意見を募集することについては、その方法や機会を名古屋市と相談していきたいと考えている。

選手村について 

【下奥奈歩委員】

次に、選手村について伺います。振興部の資料では、選手村の分散を検討し、OCAと協議になっていますが、これはどうすすんでいますか。

 

【アジア競技大会推進課主幹】

 選手村の候補地であります名古屋競馬場跡地から遠方となる会場の競技は、アスリートファーストの視点や、県内全域での大会の盛り上げという観点から、選手村の分散が重要であると考えている。今年度は、会場周辺のホテルや官民の研修施設を対象に、選手村の代替施設としての利用可能性を検討しているところである。また、OCA憲章において、「選手村は、全ての競技者始め、チーム要員が一堂に会する」こととされておりますので、分散につきましては、今後、OCAと協議する予定としている。

【下奥奈歩委員】

 選手村の跡地の利用基本計画の検討について、基本構想の策定をすすめるにあたり、ヒアリング調査・アンケート調査を行っているとのことです。  

 しかし、付近の住民を含め、県民に対するアンケート調査が行われておりません。前回、2月議会で選手村について質問したとき答弁の中で、「地元住民などへの説明や意見を聴くことについても、名古屋市にその方法や機会を相談して、行ってまいりたいと考えている。」と答弁していました。先ほど申し上げたように、県民から広く意見を募るべきではありませんかなぜ、県民に対してアンケート調査がされていないのか明らかにしてください。

【アジア競技大会推進課主幹】

 選手村の整備につきましては、大会後の後利用を見据えて、今年度、基本構想づくりを進めている。その中で、名古屋競馬場跡地に進出する意向のある民間事業者を確認するため、分譲マンションや商業施設などの民間事業者に対して、ヒアリングやアンケートを実施しているところである。この基本構想の素案がまとまった段階で、地元住民の皆様などに、ご意見を伺う方向を考えておりますので、引き続き名古屋市と調整を進めてまいりたい。

【下奥奈歩委員】

 最初にも申し上げたように、アジア競技大会をOCA憲章に即し、県民が歓迎し、平和・スポーツに寄与する競技大会にしていくためには、県民に途中であろうと情報を公開し、県民とともに練り上げていくことが大切です。開催都市契約が結ばれれば、その遵守が求められ、遵守されない場合、OCA理事会は開催を撤回でき、「この撤回は直ちに発効し、それによってOCAが被ったいかなる損害に対する賠償の権利も侵さない」(OCA憲章第43条の2)とされています。これでは、開催都市契約が結ばれてから、県民に明らかにされたとしても、県民の意見は反映されません。開催都市契約は原則非公開とされていますが、県は公開のために努力すると、度々表明しています。開催都市契約まで半年延長になったことは重要です。

 ぜひその立場から、県民に情報原則公開を貫き、県民とともに、アジア競技大会の計画を練り上げ、県民が歓迎できる大会にしていくことを求めて、私の質問を終わります。

 

 

 

 

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