〔未定稿 文責:日本共産党愛知県議会議員団〕
【わしの議員】
補正予算について2点質問いたします。最初に実効性のある子どもの貧困対策について質問します。この度、子どもの貧困対策検討会議は、愛知県が昨年12月に行った「愛知子ども調査」の結果を受けて、子どもが輝く未来に向けた取り組みの方向性を示した提言をまとめました。県は、この提言の趣旨を尊重して、提言に沿って、すべての子どもたちが健やかに成長できるよう、実効性のある子どもの貧困対策を実施するということだと考えます。
そして、9月議会補正予算には、ボランティアセンター運営費補助金の拡充、子ども食堂支援調査費を、そして、子どもの貧困理解推進事業費を新規に予算化するという3つの事業を提案されましたが、提言の中には、「教育の機会の均等」や「健やかな成育環境」など、必要な様々な支援の充実が掲げられています。そこでお聞きしたいのは、今回の9月補正でなぜこの3つの事業を提案されたのか伺います。
【地域福祉課主幹】
子どもの貧困対策につきましては、9月12日に「子どもの貧困対策検討会議」からの施策提言を受けまして、庁内横断的なプロジェクトチームにおいて具体的な施策の検討を行っておりますが、その中でもとりわけ「学習支援」や子どもの居場所づくりとしての「子ども食堂」などに早急に取り組む必要があると考えておりまして、これらに関連した3つの事業について、今議会に補正予算案を提出させていただいたものです。
【わしの議員】
説明いただきましたけども、言うまでもなく、子どもの貧困の背景は、格差と貧困が広がる中、親や家庭の貧困が大きな原因と考えます。貧困であることは、子ども調査の分析にもありますように、落ち着いて勉強する環境がないとか、親が忙しくて相手にしてもらえない、朝食を食べていない、栄養価のある食事がとれないなど、様々なハンディを背負って大人になると思います。そして次世代に連鎖していく心配もあります。そういう中で、子どもの居場所となる学習支援の実施だとか、子ども食堂支援は、緊急課題としても、とても大切なことだと思います。
そこで、9月補正で行う3つの事業について、具体的に内容を伺いたいと思います。
【地域福祉課主幹】
最初に、1つ目の「ボランティアセンター運営費補助金」ですが、来年度以降に県や市町村が実施いたします学習支援事業を充実させるため、学習支援事業をサポートするボランティアを確保するための取組です。
具体的には、愛知県社会福祉協議会ボランティアセンターが、子どもの学習支援のためのボランティアの募集と養成を行いまして、ボランティアセンターにおいて学習支援ボランティアを登録のうえ、必要な人材の斡旋をしてまいります。このために必要な経費に対して、県が助成を行うものであります。
次に2つ目の「子ども食堂支援調査費」は、子どもたちの身近な地域で子ども食堂が開催されるよう、子ども食堂に対するフードバンクを活用した食料支援の方法などについての調査を行うものです。
具体的には、子ども食堂の開催回数、参加人数等の活動状況や、食料支援の種類、量、頻度等のニーズを、アンケート調査や聞き取り調査により把握し、子ども食堂のニーズに即した支援方法について調査研究してまいります。
最後に3つ目の「子どもの貧困理解推進事業費」は、学習支援事業や子ども食堂を含めた子どもの貧困対策を効果的に進めるためには、県民の皆様にご理解していただくことが重要でありますので、有識者による講演やパネルディスカッションなどのシンポジウムの開催をするものであります。
【わしの議員】
具体的にお答えいただきました。そこで、子ども食堂や無料学習塾などが、貧困状況にある子どもにとって、みんなで学習したり、食事をいただいたりと、居場所づくりとしても、とてもうれしいことだと思います。今回の事業は緊急に求められているものだと思います。すべての子どもたちが健やかに成長できるよう、実効性のある子どもの貧困対策となるよう願います。同時に、最も大切な貧困対策というのは、貧困家庭を作らないこと。ひとり親、特に母子家庭の貧困は深刻ですが、そういう家庭をどのように支援していくのか、行政としても大きく問われることだと思います。貧困調査をした愛知県として、今後も積極的な施策を講じていただくよう要望してこの質問は終わります。