〔未定稿 文責:日本共産党愛知県議会議員団〕
【下奥奈歩 委員】
一昨年9月議会の時に、新城で操業している「産業廃棄物堆肥化工場 タナカ興業」について質問をしました。
以前質問したときは、ママの会を始め、住民の生活と子どもたちのことを心配している地元の方の、砒素や悪臭の問題など不安がある、という声を伝え、住民の合意と関係市町村の連携を何よりも尊重し、住民の懸念のある施設については、その操業を認めないという立場で県が臨むことを求め質問をしました。
また、地元では新城市民の人口7割に当たる約3万4千人が反対だという署名をしています。
しかし、残念ながら県が住民の声を無視して、操業の許可を出し動き出しています。
そこで伺います。県は、業者に対して監視・指導する立場にあると思うが、操業されてからこの間立入検査を何回行ってきたのか、立入を行う際、どういった点を重視して行ったのか伺います。
また、現地で臭気についても確認していると思うが、どういった方法で確認が行われているのか伺います。
【廃棄物監視指導室長】
県では、タナカ興業の新城工場に、平成28年4月の廃棄物の搬入開始以降、先月末までに、約60回の立入検査を行っている。
立入検査の際は、処分業の許可申請書の内容や廃棄物処理法に規定される産業廃棄物処理基準等の遵守状況について確認している。
臭気については、現地での立入時に、職員により臭気が感じられるか確認している。
【下奥奈歩 委員】
次に臭気について伺います。操業が始まっているこのタナカ興業の産業廃棄物堆肥化工場から悪臭が発生し、地域住民の生活が阻害されているとの声が市民から上がっています。そして、現在悪臭の苦情が360件寄せられて、企業団地からも苦情が出ているようです。これは新城市も認めています。
県は、こういった悪臭に対する住民や企業団地から苦情が寄せられていることは認識しているのか伺います。
【廃棄物監視指導室長】
苦情が寄せられていることは承知している。
【下奥奈歩 委員】
県は苦情があることを認識しているとのことであります。
わが党新城市委員会は、産業廃棄物堆肥化工場について市民アンケートを実施し、215通の回答が寄せられました。その中で「異様な臭いがしている」「悪臭被害がなくなるような強力な行政指導をお願いしたい」「施設周辺で悪臭を感じた」など工場からの酷い臭いに切実な住民の声が寄せられました。
新城市民の方々は、若者が希望を持ちずっと住み続けたいと思える街づくりを願っています。しかし悪臭漂うまちになり、人口流出に拍車がかかる事態にまでなってしまうのではないかという懸念があります。
そこで伺います。若者や子育て世代も含め、市民の方が住んで良かった、これからも住み続けたいと思える街づくりにしていくために、そして住民の声を受け止め、悪臭対策強化や指導・監視する立場である県としてしっかりと指導を行うべきではないでしょうか。
【廃棄物監視指導室長】
タナカ興業に対し、県は廃棄物処理法に基づき、新城市は悪臭防止法に基づき、引き続き監視・指導を行っていく。
【下奥奈歩 委員】
悪臭の指導は市が行うことということですが、県としても、しっかりとこういう問題について市民の声をよく聞いて、行うべきだと思います。
次に伺います。現在新城市のホームページ上では、臭気について規制基準を満たしているとしているそうですが、これは間違いないでしょうか。確認のため伺います。
【大気環境課主幹】
新城市では、2か月ごとに事業場の風上側と風下側の敷地境界2地点と直近民家で測定を行っており、その結果では、臭気指数はいずれも10未満であり、当該事業場に適用される規制基準18を下回っていると聞いている。
【下奥奈歩 委員】
規制基準を満たしているという答弁でありました。しかし、その測定の方法に問題があるのではないでしょうか。これは、わが党が明らかにしたことでありますが、市は、臭気測定のサンプルを敷地外境界線のところで採取しているようです。また、新城市は過去に一度だけ工場敷地内の排気口の臭気測定を行ったにもかかわらずそのデータを公表していない。臭気測定について、県に伺ったところ、敷地外のところでの測定が一般的だということでありますが、新城市議の話によれば東京の八王子市は、工場建屋の排気口で得たサンプル臭気を測定しているとのことです。
そこで、伺います。市民の「悪臭がある」という不安の声にこたえて、県から市に対して過去の測定データを市民に公表すること、排気口でも定期的に測定を行いデータの公表をしていくことを求めていくべきと考えますがどうでしょうか。答弁を求めます。
【大気環境課主幹】
悪臭防止法に基づく悪臭の規制事務については市町村の所管となっている。
なお、排気口での測定については、環境省から敷地境界で規制基準を超過するなど住民の生活環境がそこなわれていると認められる場合などにおいて行うとの考え方が示されている。この考え方を踏まえ、排気口での測定やデータの公表については、新城市が判断することと考えている。
【下奥奈歩 委員】
産業廃棄物処理施設は、次の世代に禍根を残すものです。これからの若者や次の世代と将来へ重大な影響を与えることになると考えます。若者たちが元気に活躍できるまちづくりと新城の豊かな自然を手渡ししていけるような市政にしていかなくてはなりません。県民のくらしを守る県として、住民の生活環境を改善し、市民の地域振興の願いを真摯に受け止め、悪臭規制事務は市のやることである、で終わらず、県も住民の立場に立って真剣に悪臭対策に取り組むことを求めて質問を終わります。