高齢者施設整備を進め待機者の解消を求める
2017年3月7日2月議会 2月補正 介護施設等整備事業費
第53号議案、平成28年度愛知県一般会計補正予算(第5号)について、歳出6款、健康福祉費第4項の高齢福祉費の第3目、高齢福祉施設費、介護施設等整備事業費の市町村事業費補助金について伺います。
これは、市町村が行う介護施設整備事業について、2016年度の当初予算では52億5260万4千円が計上されていましたが、今回の補正では、21億8119万7千円の減額がされているものです。当初予算では、2015年10月に各市町村から小規模特養ホーム16か所を、認知症高齢者グループホーム19か所を増設する計画となっていました。
しかし、2016年度においては計画どおりに進まず、小規模特養では10か所、認知症高齢者グループホームでは6か所のみの整備に終わりました。
2015年の4月には、国は介護報酬の改定を行いました。
その中身は、介護職員の処遇改善分プラス1.65%、認知症・中重度への対応分プラス0.56%を含めた上でマイナス2.27%となり、実質的には全体でマイナス4.48%もの大幅な報酬引き下げが行われました。中でも特養はマイナス6%と、過去にないマイナス幅となっております。
愛知社会保障推進協議会は、2015年4月の介護報酬引き下げについて、県内における影響調査を7月に実施しました。調査地域は第一次として一宮市、稲沢市、北名古屋市、清須市、岩倉市、江南市、大口町、の6市1町。第2次は名古屋市及び半田市の2市。それらの地域の介護事業所、約700事業所へ郵送で行いました。
回収数は178事業所で、回収率は25%でした。介護報酬改定の影響についての質問に対し、「減収」は105事業所で約59%もありました。その内6%が減収を理由に「事業の廃止」と深刻でした。そして調査のまとめでは「短期間に25%の回答が寄せられたのは、関心の高さと事業所運営の厳しさを反映し『黙ってはいられない』という思いが強く表れている。
報酬改定の影響で多くの事業所が減収になり、人員配置や賃金・労働条件の見直しや経営者自らの給与を大幅に削り、経費も削減して何とか運営を維持しようと浮き彫りになった。まさしく身を削っての経営努力は限界と深刻である」と指摘しています。
以上のように介護を取り巻く環境は厳しい実態があります。
このように介護を取り巻く環境が厳しくとも、県としては介護施設等の整備をきちんと進めていく責任があるのではないかと思います。整備計画に対し、42%も残してしまったわけですので、早急に進める必要があると考えます。
県の第6期介護保険事業支援計画を見ると、特養ホームの2016年度の実績見込みについては、30人以上の広域型特別養護老人ホーム、24874人分の整備目標に対して、24426人分の整備。定員29人以下の小規模特養では3571人分の整備目標に対し、3281人分となっています。広域型と小規模を合わせて27707人で、目標から見れば738人が不足することになります。その分だけ、待機者の解消から遠ざかるのではないかと危惧します。
そこで2点伺います。
- 減額となったのはどのような理由なのでしょうか。
- また、今後、市町村が計画通り整備を進めていくためにどのように県として対応されるのか伺います。
要望
何故計画通りに介護施設の整備が進まないのかについては、市町の公募のやり方が問題になったケースもあると答弁されましたが、私は、そんな環境の下でも、県は特養の目標を目指す責務があると思います。その決意なしには、入所を待ち望む要介護者とその家族の期待に応えることはできません。
県としては、市町村が小規模特養や認知症グループホームなどの計画を持ったら、それに見合うような援助や指導を行い、市町村の計画どおりの整備が進むように県としても最善の努力をしていただくことを要望して質問を終わります。