議員団活動

[2015年12月9日] 一般質問 児童虐待への対処の充実を

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〔未定稿   文責:日本共産党愛知県議会議員団事務局〕

【わしの恵子議員】

 「今年5月30日付けの新聞報道では、児童虐待相談また最多 県内14年度5年の前の3.7倍に・・・」という見出しが大きく掲載された。心を痛めたのは私ばかりではないと思う。

 調べてみると、平成26年度の県内10か所の児童相談センターに寄せられた「相談対応件数」15,302件のうち、児童虐待相談は3,188件、20.8%と、過去最多だった平成25年度の2,344件に比べ、さらに844件増加し、5年連続して過去最多件数を更新した。児童虐待相談が増えている要因についてはどのように分析されているか。また、27年度の傾向について、伺う。

【児童家庭課主幹】

 児童虐待相談の増加要因については、警察からの通告が平成25年度1,037件から平成26年度1,387件と350件増加し、その内訳として、保護者がDVを子どもに見せることによる心理的虐待の通報が大きく占めている。

 また、市町村や医療機関からの通告も増加しており、連携強化による早期発見・早期対応が図られ、初期段階での相談に繋がったと考えている。

 今年度は、11月末までの速報値ですが、虐待相談対応件数は2,309件で前年同期1,962件に比較して347件増加している。

【わしの恵子議員】

 この5年間、相談件数が増えた原因は、市町村や警察、医療機関からの通報が増えており、専門機関の連携による早期発見、早期対応が図られ、初期段階での相談につながったということで、一刻も早く子どもたちを救うことができるのは良いことだと考える。

 虐待相談件数の増加に伴い、一時保護等の件数も増えているのか伺う。

【児童家庭課主幹】

 この5年間一時保護の件数は増加しており、平成26年度は834件で前年と比べ151件増加している。

 しかし、虐待相談対応件数全体に占める一時保護の割合は、平成22年度の46.1%から平成26年度には26.2%と低下している。

 

【わしの恵子 委員】

 子どもの安全確保のための一時保護は、前年度と比較して151件増えているということだが、緊急的に一時保護所へ子どもを保護する活動は、待ったなしの対応が必要で、時には勤務時間外の深夜のこともあるなど、職員の苦労も大変だと思う。児童虐待の通報があってから一時保護所に入所するまで、児相職員がどのように対応するのか、伺う。

【児童家庭課主幹】

 児童相談センターは児童虐待の通告を受理すると、緊急受理会議により調査項目及び当面の対応方針を決定し、学校、病院等関係機関への照会や原則48時間以内に児童の安全確認を行う。

 その結果を援助方針会議に諮り、緊急度、一時保護の要否を検討する。一時保護が必要と判断されれば、児童相談センター職員が児童を一時保護所に移送する。なお、乳児の場合は乳児院への一時保護委託となる。

 

【わしの恵子議員】

 48時間以内の子どもの安全確認が求められているとのことだが、一時保護所は三河と尾張の2か所しかないため、一時保護所に入所させる職員の苦労は計り知れないと考えるが、職員の活動を保障する出張旅費や高速道路利用など予算を含めて人員の確保について、伺う。

【児童家庭課主幹】

 一時保護業務に必要な児童相談センター職員の出張旅費や高速道路利用などの予算については、業務に支障のないよう確保している。

 人員の確保については、尾張地域の一時保護所の開設に伴い、職員15名を増員した他、国による配置基準に合わせ児童福祉司等を平成22年度から27年度までに24名増員して児童相談センターの体制強化に努めている。

 

【わしの恵子 委員】

 高速道路使用の予算が不足しており、大変だと現場から聞いているので、実態をよく調べてほしい。

 次に、職員増に努めていると答弁にあったように、平成22年から平成27年までに24人増員をしたとあるが、児童福祉司、児童心理司、スーパーバイザーについて、それぞれの増員状況を伺う。

【児童家庭課主幹】

 24人の増員の内訳ですが、児童福祉司を21名、児童福祉司の教育・指導を担当するスーパーバイザーを3名増員した。

 

【わしの恵子議員】

 児童心理司が増えていないが、児童心理司の役割と増えていない理由について伺う。

【児童家庭課主幹】

 児童心理司の役割は、子どもや保護者の相談に応じ、診断面接、心理検査等を行い、併せて、心理療法、カウンセリング、助言指導を行うもの。

 新城設楽を除き全ての児童相談センターに計31名の児童心理司を配置しており、児童福祉司と密に連携をとりながら、児童や保護者に対して適切に対応している。

 なお、児童心理司は児童福祉司のように法による設置義務や配置基準はない。

 

【わしの恵子議員】

 一時保護所における適切な心理的ケアを行うためには、心理司の増員が必要だと現場からの切実な声として聴いている。現場の声をしっかり聞いてほしい。

 次に、児童虐待に対応するには十分な職員体制が必要。職員を増員する一方で、仕事の過重による休職者や退職者が増えていると聞くが、その状況について伺う。

【児童家庭課主幹】

 児童相談センターにおける休職者、退職者の状況については、平成26年度は2名の児童福祉司が体調不良を理由に休職し、8名の児童福祉司と1名の児童心理司が自己都合により退職をした。なお休職した職員のうち、1名は復職し、1名は今年度に入って退職している。現在は、休職している職員はいない。

 平成26年度の退職者については多くが年度末での退職であり、配偶者の転勤や本人の転職、家庭の理由などの理由と聞いている。

 

【わしの恵子議員】

 26年度は9名の退職者がいたということだが、前年度と比べるとどうか。

【児童家庭課主幹】

 25年度は2名である。26年度の9名と比較すると多かった。

 

【わしの恵子議員】

 26年度は多かったと言われたが、私もそう思う。中途退職者が増えたのは、大変さのあらわれである。ぜひ、現場の声をしっかり聞いて対応してもらいたい。

 次に、市町村においては、母子手帳を交付するときの母親へのアンケートや「赤ちゃん訪問」などを行っていますが、いずれも保健師さんなどのマンパワーが求められますが、十分な回数と体制が図られているのか伺う。

【児童家庭課主幹】

  現在、県内全ての市町村では、県が定めたアンケートを盛り込んだ妊娠届出書を活用して課題を抱える妊婦の把握に努めるとともに、生後4か月までの赤ちゃんがいる全ての家庭を最低1回は訪問し、赤ちゃんの養育環境の把握する「乳幼児全戸訪問事業」を実施している。

  こうした取組みにより把握した、課題を抱えて子どもの養育に不安を持つ家庭に対しては、さらに市町村の保健師、助産師などの専門職が定期的に訪問して相談を行ったり、特に、強い不安を持つ家庭に対しては、訪問相談や家事支援を行う養育支援訪問事業につなげ、養育環境の改善や育児指導などの支援を行っている。

  養育支援訪問事業については、現在36市町村が実施しているにとどまっているなどの課題もあり、県といたしましては、市町村における体制整備のため、家庭訪問に携わる市町村保健師など専門職に対する研修や、養育支援訪問事業が全ての市町村において実施されるよう各保健所において事例検討や研修会などを実施するなど、市町村に対する支援に努めている。

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