議会報告

[2015年9月30日] 2015年9月議会  一般質問  しもおく奈歩議員

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安全保障関連法いわゆる、戦争法に対する知事の姿勢を尋ねる

 

日本共産党しもおく奈歩です。通告に従い、質問をさせていただきます。

最初に、安全保障関連法いわゆる、戦争法に対する知事の姿勢をおききします。知事は以前、この法に対して、慎重審議をという見解を述べていましたが、県内には、自衛隊の小牧基地、豊川駐屯地をはじめ、数多くの自衛隊基地があります。戦争法によって、海外派兵の出撃基地になる可能性が高いと考えます。さらに、三菱重工など戦闘機の組み立て、整備拠点となっており、県民の安全と平和が脅かされることになります。9月11日の参議院での日本共産党仁比そうへい議員が質問した中で、三菱重工小牧南工場にF35整備拠点として海外から軍用機がくることが明らかにされました。地元の自治体が知らない間に勝手に決めるのは大問題です。まさに、愛知の若者が戦場へと送られて、若者の命が危険にさらされてしまいます。県DSC00674民と愛知の若者を守るためにも、きっぱりと国に対して整備拠点の撤回と戦争法の廃止を求めていく必要があると考えます。日本共産党は、立憲主義民主主義を守り、戦争法廃止の一点で国民連合政府の実現を呼び掛けています。あわせて、知事の姿勢と考えをお聞かせください。

 

子どもの医療制度の充実やや国民健康保険税への補助金復活など暮らしの応援を

 

次に県政問題についてです。愛知県の財政力指数は、全国トップクラスであり、全国有数の財政力が豊かな県となっています。ですが、福祉・介護・教育は全国最低クラスとなっていて、「福祉の増進を図る」(地方自治法1条の2)という地方自治体の目的に照らせば、本来こうした分野に力を尽くすことが求められているはずです。ですが、6月県議会の健康福祉委員会で、日本共産党のわしの議員の質問に対して、県からの「こどもの医療費に対する県の補助の目的は達成している。」などとの答弁は、地方自治体の本旨に逆行するものとなっています。改めて、子どもの医療費の充実や、国民健康保険税への県独自の補助金の復活を強く求めていきます。

 

若者の雇用問題、ブラック企業・ブラックバイトの根絶へ

 

そのうえで、今、焦点をあてるべきは、若者の雇用の問題であります。この問題について順番に質問をしていきます。

一つ目は、ブラック企業への県の認識についてです。今、ブラック企業問題が深刻化しています。有給が取れない、人手不足、残業代がでないなどがあります。私自身、食品製造で正社員として働いていた時に、有給をとると手当から500円引かれるというブラックな職場でした。たくさんの青年から働き方についてお話をきいてきました。

モバイルショップでは「定時が朝の9時から夜の21時だった。」「夜21時にタイムカードを切らされて、あとはサービス残業だった。」という状況だとききました。8時間労働という基本が投げ捨てられています。

工場勤務の20代女性から「過労で体調を崩す人や、やめてしまう人もいます。それでも負担を大きくして、残業しても追いつかない仕事を入れて、利益優先で、労働者を使い捨てにしています。ブラック企業をなくしてほしい」というお話をききました。

愛労連(愛知県労働組合総連合)からも、今労働相談で、賃金未払いや労働時間の関係、パワハラ・セクハラ・いじめ、また、メンタル疾患で苦しんでいる労働者からの相談などが増えているとききました。

「労働局における平成26年度個別労働紛争解決制度施行状況について」という資料の中で、労働紛争の相談内容は「いじめ、嫌がらせ」が4年連続トップとなっています。

また、今年の1月末に愛知労働局が発表した数字ですが、重点監督結果というものがあります。愛知県では、328事業所を対象に調査を行っています。そのうち違反状況が270事業所で全体の82.3パーセントとなっています。

愛知県内にもブラック企業と言われる、大手企業が、多くの店舗や事業を展開しています。

そこでお聞きします。県としてのブラック企業への認識はおもちですか?また、若者が安心して働いていくためにブラックな働かせ方をなくしていくべきと考えますが、県はどうかんがえますか?

 

県の取り組みを尋ねる

二つ目は県での取り組みについてです。

国では、厚労省が法違反の疑いのある約4500社の立ち入り調査や、離職率の公表や、過労死防止法、青少年雇用促進法案が成立されるなどしています。そして、今年3月の国会で安倍首相は労働者を使い捨てにする「ブラック企業」の社名について、「社会的に影響力の大きい企業が違法な長時間労働を繰り返している場合には、(労働基準監督署が)是正を指導した段階で公表する必要がある」と表明しました。また、神奈川県では県として、「若者の使い捨て撲滅神奈川宣言」というものを出しています。

愛知の若者が希望をもって働いていけることが大切です。若者の使い捨てでは、県の言う「人材」も育たないのではないでしょうか。

そこで、二点お聞きします。一点目、ブラック企業根絶のために、県でも独自の実態調査をしてみずから労働違反の実態をつかむべきと考えますがどうでしょうか。二点目、国との連携をして県で、国の雇用を守る政策、離職率の公表などの具体化をすすめることや、労働局との連携をして行くことが必要だとかんがえます。労働局の方から監督官の数が足りていない、労働局だけでは限界があるので、県にも力を貸してもらいたいという声がありました。また、愛知労働局がやっているキャリアアップ助成というものがありますが、県でもそれに類似する非正規をなくす対策として、助成金、支援金といった制度をつくっていてはどうでしょうか。県独自の取り組み、国と県との連携、県としてどう考えますか?

関連して、学生の就職についても国との連携が重要です。愛知労働局と愛知県の連帯強化をと会議が開かれそこで、強化に向けていくつかの項目があり合意をされています。その中に「高校生を対象にした労働関係法講座の開催」というものがあります。労働局のかたが「県とも連携して、学生への労働基準法に関する授業をもっとやっていきたい」と話されていました。具体的な中身はまだこれからだときいています。

何も知らないままでは、学生が自分の身を守ることができません。被害にあうのは学生です。これから、夢を持って就職する子たちのために、大人が教えることだと考えます。そこでお聞きします。国と県で連携をして、労働基準法を学ぶ機会を県すべての高校の教育に取り入れていくべきと考えますが、どうでしょうか?

 

深刻な奨学金の状況と県の独自の奨学金制度を

 

三つ目は、ブラックバイトと奨学金についてです。

最初に奨学金についてです。日本は世界から見て異常なほど学費が高いと言われています。上がり続ける学費と、親世代の所得減少などを背景に、いまや、学生の二人に一人が奨学金を借りています。学ぶ権利を保障し、若者の夢と希望を後押しするはずの奨学金ですが、多額の返還額と利子、取り立ての厳しさで、若者の人生を狂わせる事態が起きています。

学生の奨学金への依存度が上がり、奨学金を利用する学生は20年前と比べて3.7倍となっています。一人あたりの貸与額は平均295万円にものぼります。大学院に進学したら1000万円にもなります。さらに、奨学金を借りる学生の10人に7人が有利子です。所得が減り、非正規が拡大するなか卒業後に迫られる多額の返還と利子は若者にとって大きな負担です。「奨学金返済でいきづまり自己破産」「夫婦で奨学金を返済中で子どもをあきらめた」という若者がうまれています。実際、青年の仲間にも奨学金で大学と大学院に通い、今、就職して収入を返済に充てています。生活費と返済でぎりぎりで大変だと話していました。

学生が安心して、借りられる奨学金にしていくことが必要ではないでしょうか。すでに、山口県や鳥取県では地元に就職した学生を支援する奨学金支援制度ができています。長野県では、経済的な理由で進学をあきらめている学生を支援しようと、全国で初めて、入学一時金に相当する給付型奨学金を2014年度から創設をしています。

そこで、二点、お聞きします。一点目、紹介したように他の県では奨学金の対策が始まっています。愛知県独自の奨学金給付制度や、支援制度の確立は十分可能だと考えます。教育にもっとお金を使うべきです。国の「まち、ひと、しごと創生戦略」において「奨学金を活用した大学生等の地元定着や、地方公共団体と大学等の連携による雇用創出、若者定着に向けた取り組みなどを推進する」ことが提起をされています。こういうことを踏まえて愛知県で独自の制度をつくるべきと考えますが、どうですか?

二点目、奨学金の問題は、日本共産党名古屋市会議員が市議会で質問をしています。その中で、奨学金返済支援制度の創設について今年度、来年度の見通しについて市に対して質問をした時に、市から「国の要綱によりますと、奨学金返還支援制度の実施に当たりましては、地元産業界との協議が必要でござまして、また、市町村が実施するに当たりましては、支援対象者が重複するおそれもあるため、県とも十分に調整することとされております。
 愛知県におきましては、現時点では対応が未定であるとのことでございまして、今後とも産業界の要望をお聞きするとともに、県とも情報共有をしてまいりたいと考えております」と市はこう言っていますが、県はこれを受けてどう考えますか?

 

ブラックバイト根絶へ相談窓口やリーフレットの思い切った充実を

 

次に、ブラックバイトについてお聞きします。今、この奨学金や高い学費により、バイトをする学生が増えています。さまざまな事情で高校生の中にもバイトをする生徒が増えています。そのバイトがブラックな状況になっています。

「やめたくても、やめさせてもらえない」「試験前でも無理やりシフトを入れられる」「シフトが入っていたのに暇だから来なくていいと言われた」など、酷い状況となっています。大学生の子から「ブラックバイトという言葉は会話の中でよく出てくる。なんで人手不足なのか、自分の職場は大丈夫なのかとはなしている」とききました。学生の間でブラックバイトに対する不安や疑問がそれだけ多いということです。

そこでお聞きします。ブラックバイトから身を守る対策を県としても実施すすめるべきと考えますがどうでしょうか?

四つ目は、労働問題の対策、推進、啓発についてお聞きします。愛知県で、県民事務所、ヤングジョブ愛知や、若者サポートステーション、若年者就職窓口など、労働相談窓口を設置して、就職や、就職後の相談対応をしているとききました。それと、働くルールのリーフレットを発行しています。

そこで二点お聞きします。

一点目リーフレットの発行部数が5000部と聞いています。愛労連(愛知県労働組合総連合)のかたから、15部しか届いていない。これでは、単位労働組合にも配れない。ということをきいています。また、この部数では働く若者やすべての学生にはわたりません。

せっかくリーフレットを作っているのだから、これを増刷して、働くルールの周知徹底のために愛知県の高校生全員に届くようにだとか、コンビニや、駅若者が集まるところにもリーフレットを置くとか、若者に届けるためにこのことをぜひ取り組んでほしいと考えますが、どうでしょうか。

二点目は、相談窓口の充実に向けての取り組みについてです。県が行っている相談窓口では、今年度30代~50代789件 20代234件となっています。今ブラックな職場が増える中20代から「パワハラ」「賃金不払い」など相談窓口へ、相談があったときいています。当局の方から「20代の若者ももっと積極的に相談に来てほしい」と言われました。働く権利について普及啓発、相談窓口の重要性について、どう認識し、どのように充実を図るつもりですか?

また、労働相談窓口の所在地や、連絡先などの情報を、県が積極的に発信していけば、若者に自分たちの悩みを届けることのできる場所があるというメッセージとなり、相談を増やすことにつながると考えますが、どうですか? 以上で壇上からの質問を終わります。

 

◯振興部長(植田昌也君) F35の整備拠点について御質問をいただきました。
 昨年十二月に防衛省は、米国政府によるアジア太平洋地域のF35の整備拠点について、三菱重工業小牧南工場に設置すると発表されました。
 このことについては、防衛省から直前に説明はあったものの、未整理の点が多かったことから、空港の設置管理者として詳細な説明と情報提供をお願いしたところであります。
 なお、前回の説明以降、新たな説明はございません。


 ◯政策企画局長(平岩昭彦君) 安全保障関連法についてお答えをいたします。
 安全保障関連法に関する知事の見解につきましては、既に安全保障関連法の成立を受けまして、九月十九日に愛知県知事コメントを公表し、報道もなされているところでございます。
 なお、御質問の中にありました本県財政につきましては、リーマンショック等で五千億超の大幅な税収減となり、平成二十一年度から五年連続で職員の給与カットや大幅な歳出抑制を行うなど、極めて厳しい状況にありましたが、その間におきましても、福祉・医療分野については予算の確保に注力してきました。その予算額は、二十二年度二千四百二十七億円から二十七年度三千百四十億円と、この五年間で七百十三億円、一二九・四%の大幅な増額としました。
 さらに、福祉・医療分野では、心身障害者コロニー、城山病院、小児保健医療総合センターの新棟建設、機能拡充、岡崎、一宮、豊川での重症心身障害児者の入所施設の新設と、これを支援する障害者福祉減税基金の創設、県単独事業といたしまして、福祉医療制度、遺児手当支給費、在宅重度障害者手当支給費などを実施し、教育分野では、県独自の少人数学級を引き続き実施するとともに、愛知総合工科高等学校や稲沢、北設楽、大府、瀬戸の特別支援学校の新設など、教育環境づくりを進めてまいりました。
 こうした取り組みの成果といたしまして、愛知県の健康寿命は、男性が七十一・七四歳、第一位、女性が七十四・九三歳と第三位ということで、大変高い結果となりました。
 今後とも、県民の誰もが安心して健やかな生活を送ることができますよう、医療、介護の連携、地域包括ケアシステムの構築、医師・看護師確保対策、障害者福祉施策並びに子ども・子育て施策の充実など、医療、福祉、社会保障施策にしっかりと取り組んでまいります。



◯産業労働部労政局長(間所陽一郎君) 次に、若者の雇用の問題のうち、まず、いわゆるブラック企業に対するお尋ねであります。
 ブラック企業は、明確な定義はなく、一般的には、労働者に苛酷なノルマや長時間労働、サービス残業を課したり、パワハラ、セクハラなどで精神的、肉体的にも追い詰め、自主退職に追い込むなど、若者を使い捨てにして利益を上げる企業と言われております。
 また、ブラック企業は、会社の求人票を見る限りでは適正な労働条件が提示されており、採用面接の際にも、自社の有益な情報のみを提供するなど、判別することは極めて難しい状況にあります。
 こうした企業の実態はマスコミ等でも取り上げられ、県を初め、数多くの労働相談窓口においても、時間外勤務手当の不払い、勤務時間変更の強要などの労働関係法令違反につながるような相談や、パワハラによる体調不良といった相談があると認識しております。
 次に、いわゆるブラック企業の働かせ方についてですが、若者の将来への希望や生活設計を閉ざすばかりでなく、将来を担う有益な人材が使い潰されることになれば、社会的にも大きな損失となるものと考えられます。
 県としては、若者が安心して働ける雇用環境の提供が重要であり、企業に対し労働関係法令の周知、啓発を図るとともに、若者に対し、いわゆるブラック企業に就職しないよう取り組んでいくことが必要であると考えております。
 次に、いわゆるブラック企業根絶のための県の取り組みと、国と県の連携に関するお尋ねであります。
 労働基準法等の労働関係法令における指導、監督は国の権限であるため、県では、法令違反に係る実態把握や個別企業への直接的な指導、監督はできないものと認識しております。
 国においては、新卒者の離職率等の把握が行われるとともに、若者が適切な職業選択ができるよう青少年雇用促進法が成立しており、県では、国、愛知労働局と連携しながら、若者や中小企業に寄り添い、きめ細かい情報提供や相談を行っていくことが重要であります。
 また、国のキャリアアップ助成金制度については、来年度以降も助成額の拡充などを検討すると聞いており、国と連携してその活用を促進していくことが効果的であると考えております。
 県としては、若者が就職やアルバイトに際して、ブラック企業についての認識を持つよう周知、啓発を行うことと、そうした企業への就職の未然防止を図ることが重要であると考えております。
 そのため、労働関係法令や相談窓口を紹介した若者向けのリーフレットを作成し、県内の全高校、大学への配布や、就職面接会等の場を通じて周知、啓発を図るとともに、労働相談を行っております。
 また、ブラック企業への就職の未然防止を図るため、県独自の取り組みとしまして、国と共同で運営しているヤング・ジョブ・あいちの中にあいち若者職業支援センターを設置し、若者の安定した雇用に向けた就職相談を実施するとともに、県が認定する愛知ブランド企業やファミリー・フレンドリー企業などの県内優良企業の企業情報を積極的に提供しているところであります。
 さらに、愛知労働局や経済団体、労働団体、学校関係者等と構成する新卒者就職応援本部や大学等就職担当者連絡会議などの開催を通じて、ブラック企業に関する問題も取り上げるなど、地域が一体となった取り組みを展開していくこととしております。
 次に、名古屋市が検討している奨学金支援制度についてお答えいたします。
 名古屋市においては、まち・ひと・しごと総合戦略における奨学金を活用した大学生等の地方定着促進制度の導入可能性について検討を行っていると聞いております。
 本制度は、自治体と産業界で基金を造成することが必要な制度となっておりますが、今のところ産業界からの具体的なニーズは確認できておりません。引き続き産業界の要望をお聞きするとともに、名古屋市との情報共有を進めてまいります。
 次に、リーフレットについてのお尋ねであります。
 県では、若者向けのリーフレットを五千部作成し、県内の全高校、大学に配布する一方、新規学卒者を中心とする就職面接会において周知、啓発を図るとともに、相談窓口等を通じて、若者を初め労働者に対し、働く上での基本的知識の周知に努めております。
 こうした情報を広く若者に届けるためには、リーフレットの作成、配布に加え、スマートフォンからも見ることができる周知、啓発が大変効果的であり、今回のリーフレットは、県のホームページから簡単にダウンロード、印刷ができるように工夫したところであり、高校、大学等において、カリキュラムの中で御活用いただき、就職を目指す若者に届くように取り組んでいくこととしております。
 最後に、労働相談窓口の重要性と情報発信についてのお尋ねです。
 働く際の基本となる労働関係法令を労働者と使用者の双方に対して周知、啓発していくこと、そして、労使間の認識の違いによるトラブルを防止、解決するため、労働相談体制を充実していくことが大変重要であると認識しております。
 そこで、県内各地域において、県独自に、または公益財団法人愛知県労働協会と連携した労働講座を年二十二回開催するとともに、労働法ガイドブックを作成、配布し、周知、啓発に努めております。
 また、名古屋駅前のウインクあいちにあります労働相談コーナーや県民事務所に八カ所の労働相談窓口を設置し、労働条件を初め幅広い相談に応じるとともに、労働基準監督署やハローワークなど、労働相談窓口を設置している愛知労働局を初めとする関係機関と連携を図り、労働相談体制の充実を図っているところであります。
 こうした情報を若者に届くようにしていくことが重要であり、愛知労働局や就職支援機関、市町村等とも連携をとり、広報紙やホームページ、セミナーなどを活用し、周知していくこととしております。



◯教育長(野村道朗君) 教育委員会にも、高校生への労働に関する教育及びいわゆるブラックバイトから身を守る対策についてお尋ねをいただきました。
 初めに、高校生への労働教育についてでございますが、高等学校では、労働問題は公民科の授業の中で取り扱っておりまして、労働基本権の保障、我が国の労使関係の特色、労働条件などの基礎的知識について学んでおります。
 また、愛知労働局や県の社会保険労務士会が高校生を対象とした労働関係法令に関する出前授業を実施しておりまして、毎年、教育委員会を通して各県立高等学校に案内を送付しております。
 例年、就職者の多い学校を中心に実施しており、昨年度は二十校で約四千百名の高校生が受講をし、入社前に確認すべき就業規則や有給休暇等の知識、入社後に職場でトラブルに遭った場合の相談窓口など、やがて社会に出たときに必要となる労働者の権利などについて、具体的な事例などを交えながら学んでおります。
 教育委員会といたしましては、公民科の授業における労働に関する学習に加えまして、こうした出前授業の一層の積極的な活用を各学校へ働きかけてまいりたいと考えております。
 次に、高校生がいわゆるブラックバイトから身を守る対策のお尋ねについてでございます。
 県立高校では、生徒のアルバイトについては許可制をとっておりまして、アルバイトを希望する生徒には事前に仕事の内容、期間、勤務条件等を確認した上で、生徒の生活時間、学業への影響、生徒指導上の問題等を考慮して、十分な指導を行った上でアルバイトを認めております。
 アルバイト先におけるトラブル等について、近年、県立学校から報告を受けた事例はございませんが、議員御指摘のように、アルバイトに従事する生徒が労働に関する基本的なルールを身につけておくことは、ブラックバイトを含め、みずからの身を被害から守るためにも重要でございますので、生徒に対する事前指導の中で労働条件や就業規則をしっかりと確認することや、労働時間の制限等の基本的なルールなどについても十分に指導を行っていくよう、校長会や高等学校生徒指導研究会を通じまして、各学校に働きかけてまいりたいと考えております。



◯県民生活部長(川島毅君) 奨学金制度の創設についてのお尋ねにお答えをいたします。
 意欲と能力がある学生などが経済的理由により進学を断念することがないよう、安心して学ぶことができる環境づくりとして奨学金制度の充実が図られることは必要なことと思っております。
 大学生の奨学金制度は、主に独立行政法人日本学生支援機構において実施されており、平成二十六年度には、延滞金の賦課率の引き下げや返還期限猶予年数の延長など、学生の負担を少しでも軽減できるよう制度の改善が図られたところであります。
 公立大学法人を設置している県としては、今後とも独立行政法人日本学生支援機構の奨学金事業の状況を見守ってまいります。

 

労働に関する教育重視など3点の要望と意見(自席から)

回答いただき、ありがとうございます。3点の要望と意見を述べさせていただきます。

一点目、就職だけでなく、バイトでブラックバイトと呼ばれるものもあります。そのことも含めて労働教育が何よりも重要だと考えます。早期の取り組みを強く求めます。

自席から質問する下奥議員

自席から質問する下奥議員

二点目、若者向け働くルールのリーフレットには、労働相談の場所も載っています。ブラック企業や、ブラックバイトから学生や若者を守るためにも県が先頭にたち積極的に今あるものをさらに充実させるためにも取り組むことを強く求めます。

三点目、奨学金について。世代を継承していく学生を守るためにも、お話があった名古屋市と情報共有をして、連携をし、また、他の市まちについても、県が独自に奨学金返済支援、給付制度の早期設立を積極的にすすめることを強く求めます。

 

最後に、最初に紹介したように若者は今、ブラック企業や非正規の拡大で苦しめられています。ですが、ブラック企業で働く若者は、働かせ方に問題があって辞めたいとかんじてしまうのであって、「もし、こんなひどい職場じゃなきゃつづけられた」と実際には仕事への向き合い方は真剣で、やりがいもかんじています。そういうやりがいをつぶしているのは企業や今の政治のありかたではないでしょうか。愛知県では「人材」という言葉をききますが、若者は企業の都合のいい材料ではありません。若者から希望と未来を奪うのではなく、若者が自信と希望を持って働いていけるように愛知県として、取り組んでいくよう強く求めます。

また、若者から未来と希望を奪う安保法制 戦争法について知事から直接回答がなかったのが大変残念でした。知事は、朝日新聞の取材にたいして、「国民の理解が深まっていない」「憲法学者が憲法に違反しているという事実は非常に重い」と発言をしています。知事がその立場で臨むのならぜひ国に対して、戦争法廃止を求めていってほしいと思います。以上で、意見と要望をのべて終わります。

 

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