議員団活動

医療・介護の現場に、県独自の処遇改善支援を

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2025年12月議会 福祉医療委員会

【しもおく奈歩議員】 238号議案のうち「医療・介護支援パッケージ」について、伺います。 愛知県内の医療現場からは、「もう限界です。物価高騰にみあった診療報酬増額を、消耗品は3割以上値上げしています。」「物価高騰地獄から助けてください。診療報酬の大幅な引き上げが我々の命綱です」「5年間赤字決算で、理事の給与を引き下げることで対応しています」「もう限界閉院を考えている」・・と、悲鳴が上がっています。このままでは、医療現場はもちません。

 人件費についても「スタッフの給与が社会水準より低く、離職が心配です」「給料を上げたくても、経営が困難であげられない」という声がありました。医師・看護師不足に拍車をかけています。医療は、県民の健康と命をつなぐ、なくてはならないものです。まず、こうした、現場の状況をどのように認識されているのか伺います。

【医務課担当課長】  医療法に基づき、毎年度、県内の医療法人から提出を受けている事業報告書によると、2024年度の医療法人の経営状況については、赤字となっている法人は全体の43.8%にのぼり、新型コロナウイルス感染症流行以前である2019年度の34.2%と比べ、9.6%増加しています。

 また、愛知県医師会を始めとする関係団体からは、知事に対して医療機関における物価高騰への支援拡充に関する要望を受けており、経営状況は厳しさを増していると認識しております。

【しもおく奈歩議員】  次に、今回のパッケージは、包括的な補助となっています。しかし、内容は介護・障害者福祉従事者へ1人当たり1万円の賃上げを半年分支援するというものです。毎月1万円では、ケア労働者と全産業平均の賃金格差は解消されません。医療機関についても、医療従事者の賃上げに要する費用や、診療・調剤に必要となる経費の高騰分を支援するというものです。そこで伺います。どのくらい賃上げ支援に効果があると見込んでいるのか伺います。

【高齢福祉課担当課長】  介護事業所における賃金改定に係る補助については、これまでも実施してきたところですが、従来の制度では、その対象は介護職員のみとされていたところです。

今回の「介護事業所職場改善等事業費」においては、その対象が介護職員や介護支援専門員、理学療法士等、介護職員以外の職種にも拡大されたところであり、介護事業所で介護に従事する職員全体への一定の賃金改善の効果が見込まれると考えております。

【障害福祉事業所支援室長】  障害福祉サービス等事業所における賃金改善に係る補助についても、今回は、これまで対象とされていなかった相談支援に関わる従事者にも拡大されたところであり、障害福祉従事者全体に一定の賃金改善の効果が見込まれると考えております。

【医務課担当課長】  医療・介護支援パッケージにつきましては、厚生労働省が示す事業スキームに基づいて、予算化しております。病院につきましては、1床あたり8万4,000円、有床診療所につきましては、1床あたり7万2,000円、無床診療所・歯科診療所につきましては、1施設あたり15万円の支援額となっており、一定の賃上げに係る効果があるものと考えております。

【しもおく奈歩議員】  今、医療機関の7割が赤字だと言われています。愛知県医労連が国の支援パッケージに基づいて試算をしたところ、「6千万円の赤字で、冬ボーナスが昨年より0.3ヶ月(原資1,800万円)カットになった病院でいうと、物価分が577万2千円、賃上げ分が436万8千円合計1,014万円。職員150人とすると1人6万7千円くらい、賃上げ分だけだと2万9千円くらいです。ボーナス削減0.3ヶ月が、6〜9万円の削減なので全然足りませんね」と、いうことでした。極めて不十分なものです。

報酬改定までのつなぎということですが、危機的状況を打開する手立てが必要です。そこで伺います。医療や介護の現場を支えるために、愛知県として独自に上乗せ支援を行うべきではないでしょうか。答弁を求めます。

【医務課担当課長】 12月補正予算におきまして、県では、国の医療・介護支援パッケージにおける医療機関への支援に対する愛知県独自の上乗せとして、重点支援地方交付金を活用し、光熱費、燃料費及び食材費の高騰分への支援に加え、新たに診療経費等の高騰分への支援を追加しております。

【福祉総務課担当課長】 福祉分野におきましても、国の医療・介護パッケージに加え、重点支援交付金を活用し、介護事業所や障害福祉サービス事業所等の光熱費、燃料費や食料費への支援の上乗せを行っております。

一方で、社会福祉施設等の安定的な経営の確保については、国が全国一律の制度として、報酬改定を始めとした制度改正により講じられるべきと考えており、県としては国に対して、人件費や物価高騰等の影響を適切に捉えて必要な措置を講じるよう要望を行っているところです。

【しもおく奈歩議員】  国に、愛知の医療現場や介護現場の声を届けて診療報酬の大幅引き上げを求めていただきたいということと、医療・介護の現場を支える手立てを県独自にも決断していただくことを求め質疑を終わります。

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