県政の窓

へき地医療充実せよ 共産党が県に要望

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 東栄町にある東栄医療センターの存続が大問題となっています。奥三河のへき地医療に対する愛知県の対応は、長野県阿南町の阿南病院(県独立行政法人)に対する支援と違っています。
 人口は東栄町が約3200人、阿南町は約4500人。両町とも高齢化しています。
 東栄町は今年4月、奥三河3町村で唯一の病院だった町立東栄病院を東栄医療センター(診療所)に格下げ。県の支援約200万円もなくなりました。
 町は、同医療センターを新しい場所に移設する計画。新たに建設される施設では、3月まであった40床の病床をなくす方針です。 
 病院がなくなることに町民の不安は高まり、4月の統一地方選は東栄病院の存続が大争点に。病院存続を掲げた共産党の浅尾もと子さんが当選。党議員空白を克服しました。
 さらに町は、当初は継続するとした人口透析をやめると公表。透析患者でつくる奥三河の新城地域、愛知県両腎友会は透析の継続を求める署名5千人超を町に提出しました。
 愛知県は、今年3月まで東栄病院を奥三河のへき地医療拠点病院に指定していましたが、財政支援は年間約200万円。一方、長野県は県南端の阿南病院に年間約8億円を支出しています。
 厚労省は医療法に基づき、へき地医療の確保は国と都道府県の責務としています。
 日本共産党愛知県委員会は11月26日、東栄町と懇談。同月28日、愛知県に対して東栄医療センターの存続と拡充のための支援を要求しました。浅尾もと子東栄町議、しもおく奈歩前県議らが参加(写真)。県側は「町の判断を尊重する」と回答しました。

【阿南病院】
 阿南病院は、1945年に千葉医科大学(現千葉大学医学部)が戦時疎開してきたことから診療がはじまりました。戦後、医師や看護師らに阿南町への遺留を求め、48年に長野県立病院第1号となりました。
 61年から県の政策により無医地区解消のためにへき地巡回診療を開始。伊那谷から木曽谷までの県南部の広大な地域を3泊4日かけてジープで、医師、看護師、運転手兼事務職員が巡回しました。
 63年に県立木曽病院が開設。木曽地域の診療を引き継ぎました。
 阿南病院の診療科目は現在11、病床数は85、24時間体制で救急患者に対応し、へき地巡回診療を継続、通院困難な高齢者のために在宅訪問診療をおこなっています。
(錦見友徳)

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