浅尾もと子東栄町議らは11月28日、愛知県庁を訪れ、保健医療局健康医務部医務課地域医療支援室の近田直之室長に知事あての要望書(下記)を手渡し懇談しました。
東栄町は東三河北部の地域医療を支えてきた東栄医療センターを無床化し、透析の廃止も打ち出しました。
4月の町議選で、浅尾議員は「東栄病院が縮小の道をたどらなければならないのは国と愛知県がへき地医療対策を怠ってきたからです」と訴え、「県や国がへき地医療に責任を果たせば病院を守る展望はある」と語り抜き、12年ぶりに党議席を回復しました。
無床化に続き、18人が利用している透析も中止する方針が出されると、患者や住民も黙ってはいません。透析患者会が人工透析の継続と医療スタッフの確保を求める町長あての陳情署名を開始。人口約3千人の町で970人もの署名が集まりました。
この日の要請に対し、県は「無床化は町が決めた。町の決定を尊重したい」「へき地医療は医師の派遣を継続している。県の独自補助は考えていない」「透析中止も町の方針を尊重したい」などと冷たい回答。
浅尾議員は、「町民は病床の存続を強く願っている。透析継続の署名に住民の思いがこめられている。地域の実情をよくつかみ、へき地医療には県が責任をもっていただきたい」と強く迫り、公約実現へ奮闘しました。
写真::要望する(右から)須山県常任委員、下奥前県議、山口県自治体部員、浅尾東栄町議
愛知県知事 大村秀章様 2019年11月28日
日本共産党愛知県委員会委員長 岩中正巳
日本共産党東三地区委員会委員長 稲生俊郎
東栄町議会議員 浅尾もと子
東栄医療センターの存続と拡充に関する要望
地域医療の確保と充実に向けた活動に敬意を表します。さて、東栄医療センター(旧東栄病院)は、無医村の時代に地域住民が自ら土地や資産を提供しあって設立した歴史を持っています。飯田線沿線住民の医療拠点として東三河北部の地域医療圏において重要な役割を担ってきました。
ところが病院は今年4月から19床の有床診療所となり、救急患者の受入れもなくなりました。さらに来年には奥三河3町村唯一の透析の中止と診療所の無床化が進められようとしています。
東栄医療センターのこれ以上の医療機能の縮小は、地域医療の崩壊につながり過疎化に拍車をかけるものであり容認するわけにはいきません。地元医師会や患者団体から強い懸念が表明されており、救急車で遠くの病院まで運ばれた住民からは悲鳴があがっています。
現在の医療を取り巻く環境を考えれば町単独で病院を維持することは大変厳しいものです。近隣自治体との連携及び愛知県や国による強力な支援がこの地域には必要です。住民の健康と生命を守り、コミュニティを存続させるために、以下の諸点を要望いたします。
1.診療所の無床化、人工透析の中止など、東栄医療センターの医療機能をこれ以上縮小しないように、関係 機関に対して県から必要な働きかけを行ってください。
2.へき地医療対策費の増額など医療過疎地域への支援を強め、東栄医療センターへの財政支援を増やしてく ださい。
3.東栄医療センターで働く医師や看護師などを確保するため、愛知県地域医療支援センターによる支援など を強めてください。
4.地域医療を支える東栄医療センターの役割を東三河北部の地域医療圏において位置づけ、救急医療の受け 入れを復活させるなど、山間部でも安心してくらせる東三河北部の地域医療を確保してください。
県委員会は要請に先立ち、東栄町役場で聞き取り調査と、東栄町の透析患者と懇談を行いました。
写真:(上)現在の東栄医療センター (中・下)東栄町役場で 聞き取り調査をする日本共産党愛知県委員会