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プラスチックゴミについて質問しました しもおく議員(振興環境委員会)

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10月5日、9月議会・振興環境委員会で、しもおく議員は「プラスチックゴミについて」質問しました。
全文を紹介します。(コチラからダウンロードできます)

〔未定稿 文責:日本共産党愛知県議会議員団〕

海洋プラスチックごみについて

(下奥委員)
今、プラスチックごみによる海洋汚染が大きな問題となっています。自然に分解されにくいプラごみは、地球環境に関わる深刻な問題です。日本は、海に大量のプラごみを流出させている国のひとつです。プラごみによる生態系や人体への影響が懸念をされています。環境を守るために、実効性のある対策を進めることが必要です。
そこで、伊勢湾や三河湾について、プラスチックごみの廃棄量の現状とマイクロプラスチックごみの実態についてお示しください。
(資源循環推進課主幹)
プラスチックごみの廃棄量のみを示すデータではありませんが、平成29年度に伊勢湾や三河湾沿岸部の市町村と協力して、プラスチックごみを含む約360トンの海ごみを回収しました。
別途、県が実施した調査で、海ごみの内訳として、生活系ごみが9.8%、事業系のごみが3.0%、漁業系のごみが1.1%、その他人工物が1.7%であり、流木・灌木などの自然物が大部分を占めていました。
また、平成27年度に環境省が実施した調査結果によると、三河湾を含む伊勢湾におけるマイクロプラスチックの密度は、1m3当たり0.061個から1.627個であった。同時期に調査された東京湾に比べて低い密度ですが、駿河湾と同程度でした。

(下奥委員)
2014年から2016年に環境省が実施した調査では、日本海から太平洋まで、どこでもマイクロプラスチックが確認されています。また、海洋ごみとマイクロプラスチックに関する環境省の取り組みの中で、「日本の周辺海域に、北太平洋で16倍、世界の海の27倍のマイクロプラスチックが存在しており、マイクロプラスチックのホットスポットとなっている。」と述べています。
世界の海洋と生態系に深刻な影響を与えている小さなプラスチックゴミ「マイクロプラスチック」の対策を盛り込んだ改正海岸漂着物処理推進法が、6月15日の参院本会議において全会一致で可決・成立しました。
そこで、法改正の概要について伺います。また、法改正を受け、県としてどう対応していくのか答弁を求めます。
(資源循環推進課主幹)
海岸漂着物処理推進法の主な改正点は、目的に海洋環境の保全の観点等が追加され、マイクロプラスチック対策として事業者による使用抑制と排出抑制ついての努力義務、政府によるマイクロプラスチック抑制のための施策のあり方についての速やかな検討及びその結果に基づき措置を講じる旨が規定されました。
また、3Rの推進等による海岸漂着物等の発生抑制や国際的な連携の確保・国際協力の推進が規定されました。
県としては、今年度から3年間をかけて、岐阜県、三重県及び名古屋市とともに、国が実施する広域連携モデル事業を活用し、伊勢湾における海ごみの実態把握等を行っています。
また、今年度は海ごみの発生抑制対策として、マイクロプラスチックを含む海ごみの問題を啓発するDVDの作成を予定しています。

(下奥委員)
この法改正は、マイクロプラスチックの対策を盛り込んだものであり、大切な法改正です。しかし弱点もあります。この法でのマイクロプラスチック対策は、マイクロプラスチックの発生を抑制するための基本理念を定め、事業者の責務を明らかにするというものです。しかし、具体的な規制は含まれていません。例えば、マイクロプラスチックの「使用の抑制」「排出の抑制」は事業事業者の努力義務となっています。政府の積極的な取組に加え、企業や業界に社会的責任を果たさせていくことが重要です。
次に、海洋プラスチックごみの問題点についてです。
海洋生物がエサと区別できず取り込み、体内から小さなプラスチック破片相次いでが検出されています。
マイクロプラスチックの問題もあります。レジ袋やストローなどの使い捨てプラスチック製品が沿岸部や海に流出し、波や紫外線で細かく壊されて、5ミリメートル以下に微細化されたプラスチックをマイクロプラスチックといいます。
このマイクロプラスチックは、有害物の運び屋の役割を果たすことも指摘されています。有害物質を含む理由の一つは、プラスチック製品の用途に合わせて、生産過程で化学物質が添加されることです。
もう一つの理由は、プラスチックが海洋中に存在する、PCBなどの有害物質を吸着する性質をもっていることです。
その、有害物質を含んだマイクロプラスチックを魚や貝が摂食し、生態系へ影響を及ぼすこと、またそうした魚や貝を人間が食べることによる健康影響が懸念されます。
そこで、伺います。海洋プラスチックごみの問題について、県はどう考えているのか伺います。また、述べたように、有害物質を付着させ、人間の健康や生態系に重大な影響を与えると考えますが、県の見解を伺います。
(資源循環推進課主幹)
生物や生態系への影響が懸念されているマイクロプラスチックは、世界的な課題であると認識しています。
県では、平成26年度に海ごみのキャラクターとして制作した「カッパの清吉」を活用し、子供向け環境学習プログラムの作成や環境学習セミナーなどを実施して、普及啓発を行っています。
海洋プラスチックごみの人の健康や生態系への影響については、国等の研究機関が様々な調査研究をすすめているが、いまだ全容解明に至っていません。
県としては、国の調査結果、検討結果を踏まえた上で対応を検討したいと考えております。

(下奥委員)
国の調査結果を待ってとの答弁でしたが、県としても普及を進める必要があると思います。
次に、プラスチックの発生削減についてです。海洋プラスチックごみの問題を解決するためには、プラごみを減らす課題とともに、不必要なプラ製品を生産しないことが必要です。
先程述べた、マイクロプラスチックは、化粧品や日焼け止めにも含まれ「マイクロビーズ」とも呼ばれています。
EU環境理事会の会合では、オーストリア、ベルギー、スウェーデンがルクセンブルクの指示のもと、化粧品や洗剤へのマイクロプラスチックの使用禁止をもとめる共同声明を提出しています。
アメリカでは、マイクロビーズの化粧品等への配合を禁止する法律が成立しています。ハワイ州では、日焼け止めの販売や流通を禁じる法律を作りました。
他にも、国際社会では、レジ袋や発泡スチロール製食器などの生産を禁止したり、使用時に課金したりする規制を導入しています。
これらの規制は、製造の禁止、販売や流通の禁止まで踏み込んでいるのが特徴です。
そこで、伺います。海洋プラスチックを減らすためには、そもそも、ゴミになるようなプラスチックを出さない、不要なプラスチックを削減するという入り口での規制が必要です。環境首都愛知として、規制なども含め対策を強化すべきではないでしょうか?答弁を求めます。
(資源循環推進課主幹)
国は、第四次循環型社会形成推進基本計画で、プラスチック製品の代替に関し「バイオプラスチックの実用性向上と化石燃料由来プラスチックとの代替促進等を総合的に推進する。」としており、マイクロビーズを含めたプラスチック製品の規制のあり方について、国の動向を注視して参ります。

(下奥委員)
県独自の答弁がなく、国の動向を注視するとの答弁で不十分と思います。今朝の中日新聞に「中部企業で脱プラ広がる」との記事があり、代替製品の製造、紙製ストローへの変更など、企業努力が始まっています。県独自でも対策をすべきと考えます。
次に、政府の第四次 循環型社会形成推進 基本計画案にプラスチック資源循環戦略を策定することが盛り込まれています。そこでプラスチックの規制を行う」としていますが、年次ごとの目標はありません。海洋プラスチック憲章を実現するに十分な年次ごとの目標を盛り込ませることが必要と考えます。愛知県の見解を求めます。
(資源循環推進課主幹)
国は、来年6月に大阪で開催されるG20までに「プラスチック資源循環戦略」を策定するとしています。その戦略で示される具体的な内容を踏まえて、県として検討していきたいと考えております。

(下奥委員)
県として検討していくとの答弁なので、他国の取組、先進事例も踏まえながら、前向きに検討していただきたい。
次に、諸外国では、プラスチック製品の製造、流通、使用の規制がされています。しかし、今回の改正・海岸漂着物処理 推進法ではこれらの規制まではふれていません。プラスチックの生産そのものは問題にせず、ごみとして海などに流出させなければ良い、という発想では問題の解決になりません。設計・生産段階から発生削減を行うことが求められています。この点について、重ねて、県当局の見解を伺います。
(資源循環推進課主幹)
プラスチック製品の設計・生産段階からの発生削減は、海洋プラスチックごみの発生要因や生成過程を特定する必要があり、早急には難しいと考えております。
国は、プラスチック製品について、「バイオプラスチックの実用性向上と化石燃料由来プラスチックとの代替促進等を総合的に推進する。」としており、プラスチック製品の規制のあり方については、国の動向を注視して参ります。
プラスチックは、軽く、割れにくく、加工しやすいなど非常に有用な素材であるため、家庭や、工場、事業場、医療現場など、プラスチック製品は至る所で利用されています。
このプラスチック製品が、ポイ捨て等されて、海洋プラスチックごみになってしまうことが問題であり、私たち一人ひとりがプラスチック製品を適切に扱うことが重要であると考えています。
こうしたことから、環境学習プログラムなどを活用した発生抑制対策を行っているところであります。

(下奥委員)
答弁の認識は、大変不十分、と思います。
プラスチックとは、石油製品です。廃プラスチック処理の過程でもCO2が排出されます。パリ協定が明確に目標に掲げたように、21世紀には、CO2実質排出ゼロの社会を実現することは世界の流れです。
 環境首都あいちとして、温暖化対策と一体に、真剣なマイクロプラスチック対策に踏み出すことを求め質問を終わります。

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