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愛知県地球温暖化対策推進条例について質問しました しもおく議員(振興環境委員会)

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10月5日、9月議会・振興環境委員会で、しもおく議員は「愛知県地球温暖化対策推進条例について」質問しました。
全文を紹介します。〔未定稿 文責:日本共産党愛知県議会議員団〕

(コチラからダウンロードできます)

【議案】
○愛知県地球温暖化対策推進条例について
(下奥委員)
今回、この条例は、県、事業者、県民が一体となって、地球温暖化対策に関する取り組みの推進という点で大事だと思います。また、特定事業者に対して計画書の提出や実施状況の提出を義務付け、評価を行う点は、重要だと思います。しかし、不十分な点もあると思います。
 一つは、事業者にたいする事項が、努力義務になっている点です。例えば、第4条「事業者は、自らの事業活動における温室効果ガスの排出を抑制することが地球温暖化対策の推進に必要であることを認識し、温室効果ガスの排出の抑制等に自主的かつ積極的に取り組むよう、努めなければならない」となっています。
 また、再生可能エネルギー等の優先的な使用として、第17条では、「事業者及び、県民はエネルギーを使用するにあたっては、できる限り・・・再生可能エネルギー等を優先的に使用するよう努めなければならない」とここには、できる限りという言葉も加えられ、さらに消極てきな姿勢が強調されています。
 この条例を読む限り、温室効果ガスの排出が多い事業者に対して、自主的な取り組みに委ねられています。
 二つ目は、現行制度では、地球温暖化対策計画書や目標で掲げる数値が、補整後の数字になっていることです。クレジット制度も利用できる数値であり、その場合は机上の数字が減ったように見せているだけで、事業者のそもそもの温室効果ガスの排出量が減っている数字ではありません。本来の、排出量で目標を掲げるべきです。
 そして、最大の問題は、県は温室効果ガス削減目標を2030年度の温室効果ガスの排出量を2013年度比で26%削減するとしています。そして、この目標の達成に向けた条例としていますが、そもそも、基準となる目標が低すぎます。徳島県では、国の削減目標に、徳島県の削減目標を上乗せして「新たな削減目標」を設定し、削減目標(2030年度)を徳島県 2013年度比で▲40.0%と高い目標を掲げています。
 地球温暖化対策が遅れている結果、局地的豪雨、台風の頻発、災害並みの猛暑など、異常気象となりすでに深刻な事態を招いています。地球温暖化対策は後回しにできない緊急の課題です。そこで、以下3点について伺います。
 一点目、温暖化対策や自然エネルギーへの転換を図ることを事業者にたいし、努力義務で自主性に委ねるのではなく、排出抑制のためには、規制強化や、厳しく義務化するといったことが必要と考えますが、いかがでしょうか?答弁を求めます。
二点目、地球温暖化対策計画書の目標値について、補整後の数字ではなく、本来事業者が排出する温室効果ガスの排出量について目標とし、評価を行うべきではないでしょうか?答弁を求めます。
三点目、今朝の朝日新聞で、地球温暖化の記事が掲載されており、その中で国立環境研究所地球環境研究センターの副センター長が「現状の温室効果ガス排出は2度を超えるペースで進んでおり、脱炭素社会への転換を真剣に考える必要がある」と述べたことが報道されています。地球温暖化対策推進条例と掲げるのであれば、その条例に脱石炭も掲げて、温室効果ガス排出量が多い、石炭火力をやめさせるべきではないでしょうか?答弁を求めます。

(地球温暖化対策課主幹)
まず、一点目の排出抑制のための規制等に関するご質問に対しお答えします。
事業者の自然エネルギーへの転換を含む地球温暖化対策は、事業者自らが温室効果ガスの排出状況を把握し、削減目標を設定した上で、具体的な対策を立案し、その達成に向けて実践していくことが効果的であると考えます。
その一例として、現行条例による地球温暖化対策計画書制度対象事業者の平成25年度から平成27年度までの温室効果ガス排出量の状況を見ると、この3年の計画期間において約3.3%削減されており、この制度については一定の効果があったと考えております。
今後さらに事業者の自主的かつ積極的な取組を促進するため、新たな条例における地球温暖化対策計画書制度としては、事業者から提出される計画書や実施状況書を、県が評価、公表、助言ができるよう制度の拡充を行っていきたいと考えております。
次に、地球温暖化対策計画書制度の目標値についてのご質問についてお答えします。
地球温暖化対策計画書制度においては、まずは事業者自らが省エネに最大限取り組んだ上で、クレジット分等をあわせて補整後の排出量として算定しております。
クレジット制度とは、例えば、省エネルギー機器の導入や森林育成などの取組によるCO2排出削減量や吸収量を売買可能なクレジットとして国が認証する制度であり、購入したクレジットは温対法・省エネ法等の報告に活用することが認められています。
なお、事業者の実態としては、温室効果ガスの排出量をほとんど自らの省エネで減らしています。
最後に、石炭火力等についてお答えします。
石炭火力を含めた発電事業は、国のエネルギー政策に関わるものであり、その可否については、国が判断するものと考えております。
発電事業に伴う温室効果ガス排出削減対策については、電力業界が平成27年7月に「低炭素社会実行計画」を発表し取組を進めており、国は毎年度その進捗状況を評価するとしています。本県としてはこうした国の動向を注視して参ります。

(下奥委員)
先ほど紹介した、朝日新聞には、国際研究チームが地球温暖化の問題について論文をまとめたと報道されています。その論文には、地球温室化してしまうことも指摘されていると書いてあります。また、「地球温暖化の国際ルール「パリ協定」は、気温上昇を「2度未満」にするとの目標を掲げる。だが、論文は、パリ協定の目標を達成しても後戻りできない大きな影響が出る可能性がある」と指摘している・・と報道されています。
 そこで、伺います。地球温暖化がいよいよ深刻化している中で、環境首都あいちを掲げる県の役割も重要だと思います。今後積極的な取り組みが求められますが、地球温暖化対策推進条例を提案している県として、地球温暖化対策への決意をお聞かせください。
 
(地球温暖化対策課主幹)
  本条例案についてお認めいただけた際には、県は事業者、県民、市町村など全ての主体と自主的かつ積極的な取組を推進し、本年2月に策定した「あいち地球温暖化防止戦略2030」に掲げた温室効果ガス排出量の削減目標に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

(下奥委員)
大量生産・大量消費が地球温暖化を加速させて、目に見えるかたちで猛威を振るっています。28日付の朝日新聞では、国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が「産業革命以降の気温上昇を1.5度に抑えても世界中で極端な高温が増え、多くの地域で豪雨が頻発する」という予測をまとめたことが報道されていました。
 国の対策はもちろんですが、県独自の思い切った対策が必要です。県の掲げる温室効果ガス削減目標を見直し、脱石炭へと舵をきって、地球温暖化対策強化へ全力をあげることを求めて、質問を終わります。

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