[2018年5月25日 5月臨時議会 議案質疑]
しもおく議員は、ジブリパーク構想推進費(補正予算見込額376,000千円)について質問しました。
〔未定稿 文責:日本共産党愛知県議会議員団〕
【しもおく議員】日本共産党しもおく奈歩です。通告に従い第90号議案 平成30年度愛知県一般会計補正予算について質問します。
今回の補正予算は、愛知万博が開催後「愛・地球博記念公園」として県が管理している公園内にジブリパーク整備を進める内容のもので、多くの県民から期待の声が寄せられています。しかし、この事業について懸念があるので3つの点について伺っていきたいと思います。
一つ目は、環境への配慮についてです。愛・地球博記念公園となっている場所は、2005年に愛知万博 日本国際博覧会が開催され万博のテーマを「自然の叡智」とし「環境万博」をめざし開催されたところです。
今回、ジブリパークでは愛知万博の理念を引きついで自然環境を損なわないように進めるとしています。
そこで、伺います。この間、環境の調査は行われたのでしょうか?自然環境について自然保護団体等からも意見を聞くべきと考えますが、どうでしょうか?「春の女神」と呼ばれ、絶滅のおそれのあるギフチョウも生息しているといわれます。環境首都あいちというなら貴重な植物・生き物を守り絶対に自然破壊はしないと県民に約束すると同時に、万博のテーマを継承し環境を守る決意をお聞かせください。
二つ目は、周辺地域の交通問題についてです。愛・地球博記念公園周辺は、イオンモールがありイケアがあります。イケアができてから渋滞が深刻な問題となっています。長久手市民から「通勤や普段の生活で渋滞に巻き込まれ困った」と声を聞きました。また、公園内の「サツキとメイの家」は今でも人気で公園に遊びに来る方も多くいらっしゃいます。
現在でも渋滞で混雑しているのに、そこへ、ジブリパークができればさらなる混雑が起こることは明らかです。地元からも、「ジブリは人気が高く全国規模になるともっと渋滞が発生することが懸念される」という心配の声があります。
そこで伺います。渋滞含め周辺の交通問題。について、現地の声も聴いて、ジブリパークへ入場予約を行うなど対策を今後検討されていくべきと考えますがいかがでしょうか?現在の状況とあわせて交通安全対策の調査はされているのでしょうか?伺います。
三つ目は、今回の構想の進め方についてです。ジブリパークは今、着々と県とジブリの話し合いの中で進められて今回補正予算がだされたわけですが、もう現段階で2022年に開業目標時期まで決められてしまっています。行政が日程ありきで進めていって環境問題や交通問題などへの対策が後手に回っているように思います。そして、あまりにも拙速で勝手にいろんなことを進めて県民無視のやり方になるのではということが懸念されます。
そこで、伺います。県は、基本的な考え方の中で「より多くの皆様に愛されるオンリーワンの公園になることをめざす」と述べています。そういうのなら、まず、県民が主人公で、県民の立場にたって県民へのアンケートやパブリックコメントを行うなど、意見を聞きながらすすめるのが本筋ではないでしょうか?県の考えを伺います。
【建設部長 答弁】ジブリパーク構想推進費について、3点お尋ねをいただきました。
まず、環境への配慮についてであります。
2005年に開催された愛知万博は、愛・地球博記念公園をメイン会場とし、「自然の叡智」をテーマとし、人、いきもの、地球に対する「愛」を我々に示しました。この万博の理念と成果を継承していくことが、我々の責務であります。
一方、ジブリ作品に一貫して流れているものも、まさに、人、いきもの、地球に対する「愛」であり、愛知万博の理念と合致しております。
ジブリパーク整備にあたっては、自然環境と調和し、万博後の未利用地や既存施設を有効活用することとしております。
現在、基本デザインで示したエリアを中心に、有識者の指導・助言を受けながら、植物の生育状況や動物の生息状況に関する自然環境調査を実施しているところであり、今後の基本構想策定業務や基本設計業務に活かしてまいります。
次に、交通対策についてであります。
愛・地球博記念公園の周辺道路では、大型商業施設の立地等に伴って、休日などにおいて渋滞が見受けられるところであり、ジブリパーク整備に伴う交通対策は今後の課題と考えております。
今年度は、基本構想などの検討を進めていく中で、ジブリパークの来場者数や、来場者の交通手段などの予測を行い、これらの結果を踏まえ、関係者と調整しながら、交通が集中する箇所の混雑緩和策、駐車場の増設、リニモやバスといった公共交通機関の有効活用などを検討してまいります。
最後に、ジブリパーク構想の進め方についてであります。
ジブリパーク構想につきましては、これまでも、昨年5月のスタジオジブリとの合意や今年4月の基本デザインの知事による公表など機会があるごとに、県民の皆様方にお知らせをしてきたところであります。
また、関係市、経済団体、公園内の活動団体に対して、情報提供を行い、意見交換を実施しております。
この構想は、国内はもとより海外からの関心も高く、また、期待も大きい事業でございますので、引き続き、節目、節目において幅広く情報を発信してまいります。
今後とも、環境への配慮や交通対策などにしっかりと取り組み、愛・地球博記念公園全体の魅力を高め、より多くの皆様に愛される公園を目指してまいります。
【しもおく議員】いろいろ答弁いただきました。最後に要望させていただきます。
県は、ジブリパーク整備の趣旨として「自然の叡智」をテーマとし、人・いきもの・地球に対する「愛」を示した万博の理念を継承することが責務であることや、ジブリ作品に流れているものも万博の理念とあっていると述べています。
そう述べるのであれば、環境を壊す石炭火力や設楽ダム、リニアを推進する姿勢は逆行するものです。万博のテーマを継承する県として県全体にも環境を守る立場に立つべきです。また、子供から大人まで楽しめ愛が込められたジブリ作品をテーマにした構想を進める一方で大村知事は中部国際空港島に人生を狂わすほど依存度が高いカジノ誘致を狙っています。私には、夢も愛も感じられません。
本当に万博の理念を継承するというのなら、環境を破壊する開発は直ちに中止し、カジノ誘致検討は白紙撤回し、くらし・福祉・教育第一の県政の転換をすべきです。
ジブリパークを進める中で環境壊すことがないように、そして何よりも県民が主人公となって県民の声を聞きながら、県民が歓迎できる施設にすることを求め要望とします。