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[2017年6月27日]健康福祉委員会(わしの議員)

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〔未定稿 文責:日本共産党愛知県議会議員団〕

児童相談センターの職員増員を

【わしの恵子委員】

 児童虐待について伺います。今年5月30日に発表された愛知県児童相談センターの平成28年度の「相談対応件数」は16,568件で、前年度の15,572件に比べ996件増加し、過去最多となりました。そのうち、児童虐待相談は4,297件で過去最多だった平成27年度の3,726件に比べさらに571件増加して、7年連続して過去最多を更新しました。

 私は、平成27年12月議会でもこの問題を質問し、児童虐待の通告を受けて児童相談センターがどのように対応し、児童福祉司など職員の確保はどのようになっているのか、また、赤ちゃんの養育環境を把握する乳幼児全戸訪問事業などを行う、保健師などのマンパワーについても十分な回数と体制が図られているかなど伺ったところです。

 その後、平成28年5月に児童福祉法等の一部が改正され、6月3日に公布されました。

 改正の概要ですが、1児童福祉法の理念の明確化等 、2児童虐待の発生予防、3児童虐待発生時の迅速・的確な対応、4被虐待児童への自立支援が掲げられております。

 省令等で児童福祉司の配置標準については、各児童相談所の管轄地域の人口4万人に1人を配置することを基本とする。全国平均より虐待相談対応件数の発生率が高い場合は、業務量に応じて上乗せを行う。児童相談所に、スーパーバイザーを児童福祉司5人につき1人を配置することとする。さらには児童福祉司2人につき1人以上の児童心理司を配置することとする。そして医師又は保健師を1人以上配置することとすると定められました。

 そこで質問ですが、平成28年6月3日公布されたこの児童福祉法等の一部改正を受け止めて、これまでに児童福祉司等の配置についてどのように人員の増員をされてきたのか具体的に示してください。

 

【児童家庭課主幹】

  県の児童相談センターにおける専門職員については、平成29年度から児童福祉司を4名、児童心理司を9名、保健師3名、合わせて16名を増員した。その結果、児童福祉司は131名、児童心理司は41名、保健師は3名で、合わせて175名となっている。

 

【わしの恵子委員】

 29年度は随分努力をしていただき、増員されてきたことが明らかになりました。それぞれ本当に具体的に示して頂きましたが、この目標達成のためには児童福祉司や児童心理司、保健師などさらに今後も増員が求められていると思いますが、今後どのように体制整備をしていくのか、具体的に伺いたいと思います。

 

【児童家庭課主幹】

  今後の体制整備については、国が平成31年度を目標とした「児童相談所強化プラン」を策定しているので、県としてもこの国のプランを踏まえて児童福祉司や児童心理司などの専門職員については、人事当局とも調整し、平成31年度にかけて計画的に増員し体制整備を図ってまいりたいと考えている。

 

【わしの恵子委員】

 答弁わかりました。

 私は、6月20日、西三河児童・障害者相談センターに伺いました。センター長さんからいろいろお話しを伺ってまいりました。

 昨年、西三河児相に寄せられた児童虐待相談対応件数は435件ありました。一昨年は294件だったので1.47倍にも増えたそうです。更に今年に入って4月5月だけでも100件超えている。このままだと月50件で年間600件にもなるのでは、と心配されていました。

 中には重篤な骨折や怪我などのケースも相変わらずあるそうです。警察等から通告が入ると、児童福祉司、スーパーバイザー、児童心理司など4、5人の職員でチームを組んで親と子どもと分けてそれぞれ話しをし、必要な場合は、子どもさんを一時保護するなどしているそうです。こういうケースが1日に3ケースもあれば他の仕事から応援に回ってもらっています。また、土曜や日曜、夜間の通報には、在宅の職員を呼び出して対応するなど、職員の負担の上に成り立っていると苦労が語られました。

 そんななかでも4月から西三河児相には1人の保健師が配置され、赤ちゃんや幼児にとてもうまく対応してもらっているし、医療知識があり、親への指導も適切である、保健師さんの配置、活躍は本当にありがたいし、素晴らしいと喜んでおられました。

 そして、法の改正によって児童心理司は児童福祉司2人に対して1人以上の標準となったけれど、そのように配置されれば、2対1のペアやチームが組めてケースに深く対応できるのではと期待を示されました。

 そこで伺いますが、私は、センター長のお話しを聞いて、やはり何といっても人員の確保こそ、児童虐待の発生予防から自立支援まで一連の対策の更なる強化等を図るうえで、最も求められていることだと改めて思いました。

 児童福祉法等の一部改正する法律にもとづき、全ての児童が健全に育成されるように、「人員配置を法の改正どおり行う」という県当局の決意を改めて伺いたいと思います。

 

【児童家庭課主幹】

 本県の児童虐待相談対応件数は、年々増加しており、また相談内容も複雑、困難な事例が多くなっている。

 今後も深刻かつ対応の難しい児童虐待が増加することが見込まれるので、児童虐待に迅速かつ的確に対応し、虐待を受けた児童への継続的な支援などの対策をより一層強化するため、児童福祉司、児童心理司等の専門職員については、児童福祉法に基づく適正配置に努めていく。

 加えて、昨年6月の法改正により、市町村は身近な場所における支援を担う責務が明記され、要保護児童等に対する支援の協議を行う「要保護児童対策地域協議会」の機能強化を図ることとされた。県としては、市町村の専門職員に対する研修を充実するなど、市町村の体制強化を支援していく。

 

【わしの恵子委員】

 さらに、児童虐待防止のために司法の関与を強化するなどを主な内容とする児童福祉法等の改正が、この6月14日の参院本会議で成立しました。改正の一つに、児童虐待を受けた子どもを親権者等の意に反して一時保護を2か月を超えて行う場合、家庭裁判所の承認を得なければならないとされました。

 そこで伺いますが、本県では一時保護の保護期間は平均何日ぐらいで、親権者等の意に反して2か月を超える一時保護の実態はあるのかどうか伺います

 

【児童家庭課主幹】

 一時保護は、児童福祉法第33条に基づき、虐待を受けた児童や保護者が養育できない児童を一時的に一時保護所等で保護するものであり、平成28年度における一時保護の平均保護日数は24.4日となっている。

 また、親権者等の意に反して2か月を超える一時保護の件数ですが、平成28年度は6件あった。

 

【わしの恵子委員】

 現状では、28年度は親権者等の意に反した一時保護が2か月を超えることが6件あったということですが、そういう場合に、どのように対応しているのか伺いたいと思います。

 

【児童家庭課主幹】

 現在、親権者等の意に反した一時保護が2か月を超える場合は、児童福祉法第33条第5項によって「都道府県知事は、都道府県児童福祉審議会の意見を聴かなければならない。」とされているので、本県では「愛知県社会福祉審議会」の下部組織である 「児童福祉専門分科会 児童措置審査部会」にお諮りしている。

 外部の有識者で構成される審査部会では、委員の専門的知見と客観的な観点から、一時保護の必要性についてご審議いただいている。

 

【わしの恵子委員】

 最後ですが、私は、子どもの最善の利益を大切にすることが一番必要だと思います。そのためにも児童相談所の体制整備については早期達成が必要だと思います。最優先で取り組むべきだと意見を述べて質問を終わります。

 

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