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[2016年12月12日]健康福祉委員会一般質問 放課後児童クラブについて

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〔未定稿:文責 日本共産党愛知県議会議員団〕

放課後児童クラブについて

【わしの 恵子 委員】

 平成27年4月に始まった子ども・子育て支援新制度にも位置付けられている放課後児童クラブ、いわゆる学童保育について質問します。学童保育は、どういう役割を果たしているとお考えでしょうか。

放課後子どもクラブの役割 

【子育て支援課主幹(子育て支援)】

 いわゆる学童保育、放課後児童クラブは、児童福祉法に基づき共働き家庭など保護者が昼間家庭にいない小学校に就学している児童に対して、学校の余裕教室や児童館などを活用し、授業の終了後あるいは長期休暇期間中に適切な遊びや生活の場を与えて、その健全育成を図る事業である。

特に児童の発達段階に応じた主体的な遊びや基本的な生活習慣を習得できる場としての機能を有し、放課後を安心・安全に過ごすことができる居場所としての役割を果たしている。

 

【わしの 恵子 委員】

 共働き家庭の小学校に通う子供を対象にした放課後の生活と遊びの場を提供し、発達を保障するというのが学童保育だということだと思います。

 現在、学童保育は全県に何か所あって、何人の子どもが利用されているのか。そして、待機児童についても伺います。

 

【子育て支援課主幹(子育て支援)】

 本県の放課後児童クラブの実施か所数は、確定値ではないが、平成28年5月1日時点で1,155箇所、登録児童数は49,774人となっている。また、待機児童数は806人である。

 

【わしの 恵子 委員】

 働く母親が増えている中、子と親にも大事な場所であり、大きな役割を果たしているのが学童保育です。「ただいま」と学校から帰ると「おかえり」と迎えてくれる。毎日毎日の生活の中で、宿題をする子、おしゃべりをする子、遊びにいくなど。みんなで掃除や当番をし、おやつを食べる。こんな毎日の生活を繰り返しながら、子ども達は、お互いに成長していきます。

 ですから、家庭のような役割になっている学童保育の役割は大きく、年々増加し、待機児童も806人となっているのだと思います。

 そこで質問です。学童保育の職員の配置や施設の広さなどの設置基準及び運営のための指針はどうなっていますか。

 

【子育て支援課主幹(子育て支援)】

 放課後児童クラブの設置基準については、26年4月に国において「放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準」が省令として公布され、全ての市町村においてこの基準を踏まえ、平成26年度中に条例により配置や設備などの基準を定めている。例えば職員の配置では、支援の単位、いわゆるクラスごとに2人以上の放課後児童支援員を置くこととされている。この放課後児童支援員は、県が実施する認定資格研修を修了する必要がある。

 また、児童の遊びや生活の場としての機能を備える専用区画の面積は、児童1人につきおおむね1.65平方メートル以上とされている。さらに、平成27年3月31日には、運営及び設備に関する具体的な内容を盛り込んだ「放課後児童クラブ運営指針」が定められている。

 それぞれのクラブにおいては、こうした基準や指針に基づいた運営が行われているところである。

 

【わしの 恵子 委員】

 今、学童保育の職員配置や設置基準について答弁いただきましたが、県内の学童保育については基準どおりになっているのか。また、学童保育の支援制度について伺います。

 

【子育て支援課主幹(子育て支援)】

 放課後児童クラブの基準については、実施主体である市町村が国の基準を踏まえ条例で定めているが、条例をそのまま適用した場合、運営を休止又は廃止しなければならない既存のクラブ等もあることから、市町村によってはそれぞれの地域の実情に応じて経過措置を設けている。こうした市町村においては、国の基準に合致するよう計画的な整備等を進め、改善に努めているところである。

 また、放課後児童クラブの支援については、運営費と整備費に対する補助がある。運営費は、児童数に応じて設定されている基本額に、開設日数や開設時間などによる加算額を加えた運営費を補助するものであり、整備費は専用施設あるいは学校の余裕教室の改修等によりクラブを新設するための補助となっている。

 

【わしの 恵子 委員】

 経過措置は、何年を目途としていますか。

 

【子育て支援課主幹(子育て支援)】

 経過措置の内容は市町村によって異なっており、「当分の間」と定めているところや、「平成31年度末まで」と定めているところもある。

 

【わしの 恵子 委員】

 放課後の子どもを対象とした施策としては、文部科学省が進める全児童対象の放課後子ども教室があります。全ての子ども達を対象として、学校の余裕教室などを活用して、地域住民の協力を得て、学習活動やスポーツ、地域の伝統芸能など、様々な体験活動の機会を提供するものです。この放課後子ども教室は、平成26年度に県全体で638か所が実施され、場所は主に学校敷地内で行われています。

 そして、補助金については、教育支援活動の在り方を検討する推進委員会の設置や活動調整を行うコーディネーター、学習支援、体験・交流活動等の教育活動支援員の設置など、地域住民の参画による教育支援活動に対して補助することを補助交付要綱に定めています。

 放課後の子ども達の安全な居場所、遊びや学びの場が確保できるという点では、私はこの全児童対策も非常に大事だと思います。ドッジボール大会とか手作り教室など先生が来て教えてくれるなど、子どもの安全、充実した時間にとって大切な役割を果たしていると思います。

 学童保育と放課後子供教室のどちらも大事だと思います。しかし、それぞれ性格が違うと思うがいかがでしょうか。

 

【子育て支援課主幹(子育て支援)】

 放課後児童クラブと放課後子供教室との違いについてであるが、まず、放課後児童クラブは厚生労働省の所管で「労働等により昼間保護者が家庭にいない小学生」を対象に、放課後児童支援員を配置して遊びや生活の場を与える事業である。

 一方、放課後子供教室は文部科学省の所管で、次代を担う子ども達の健やかな育成を図るため、全ての子どもを対象に、地域の方々の協力を得て学習や体験活動の場を与える事業となっている。

 このように、放課後児童クラブと放課後子供教室は、性格は少し異なるが、共に児童の健全育成を目指すものである。

指導員の処遇改善急務

【わしの 恵子 委員】

 性格が違うという答弁でしたが、学童保育は28年5月1日現在、54市町村976小学校数に対し、1155か所となり、利用者数も49774人と増え続けています。待機児童数は806名にもなっています。しかしいまだ財政基盤に脆弱さを抱えた制度となっています。

 国は、新制度のもので補助金の在り方を変更し、学童保育指導員の処遇改善等を打ち出しましたが、実現できていません。そのため県内の約6000人の指導員はパート・アルバイト職員が増えています。「ワーキングプア」とされる年収200万円以下の指導員が、約60%となっています。処遇改善は急務です。このような実態について、県当局はどのようにお考えか、また、待機児童を解消するためにどうすればよいとお考えか伺います。

 

【子育て支援課主幹(子育て支援)】

 本県では昨年10月に、放課後児童クラブに従事する職員の給与水準について民間クラブを含め調査を実施した。その調査結果によると、平成27年の年収は、補助員を含み、常勤が252万円から295万円、非常勤が64万円から106万円となっている。

 勤務時間の長さなどの条件が異なるため一概には比較できないが、平成27年賃金構造基本統計調査における全職種の推定年収の489万円から考えると、他の職業と比べて決して高いとは言えない状況であると認識している。

 次に待機児童の解消に向けては、放課後児童クラブの整備促進と支援員の計画的な養成が重要と考えている。

 まず、クラブの整備の促進については、平成27年3月に策定した「あいち はぐみんプラン2015-2019」に基づき、平成31年度末までに新たに1万人分の受け皿を確保することとしている。

県としては、実施主体である市町村の設置計画が着実に推進されるよう助成を行うとともに、市町村ヒアリングなどを活用して整備の促進を働き掛けていく。

 また、放課後児童支援員については、経過措置により5年以内に配置することとされていることから、平成31年度末までに全てのクラブに県の認定資格研修を修了した支援員を配置できるよう、計画的に研修を実施していきたいと考えている。

 

【わしの 恵子 委員】

指導員の仕事だけで生活が成り立つ職業にするためにも、県独自の上乗せ支援を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。

 

【子育て支援課主幹(子育て支援)】

 平成27年度から、国の放課後児童クラブに対する補助メニューに「放課後児童支援員等処遇改善等事業」が新たに加わっている。これは、放課後児童支援員の処遇の改善に取り組むとともに、18時半を超えて事業を行う者に対し、職員の賃金改善等に必要な経費について、運営費に加えて補助がされるものである。

 県ではこれまで、市町村に対してこの事業の活用を働きかけており、平成28年度は10市町で実施されている。

 今後とも、市町村に対して働きかけを行い、職員の処遇改善を促進していきたいと考えている。なお、国においては今年6月に閣議決定された「ニッポン一億総活躍プラン」において「放課後児童クラブについて、経験等に応じた職員の処遇改善や業務負担軽減対策を進める」とされていることから、今後の動向を注視するとともに、必要に応じて的確に対応していきたいと考えている。

 

【わしの 恵子 委員】

 処遇改善策を県でも取り組めるように国に求めると言われましたが、やはり県独自でも取り組んでいただきたいと要望します。

 次に、学童保育の大規模化や設備の不十分さも問題です。全国調査では、小学校低学年が学童保育で過ごす時間は年間1,633時間で、学校で過ごす時間より415時間も多くなっています。また、国は定員40人以下が望ましいとしていますが、それを超す規模が県内全体の46%もあり、定員100人を超す大規模なところもあると伺っています。そういうところは、緊急通報装置が未設置のところもあると聞いているますが、実態を把握していますか。

 

【子育て支援課主幹(子育て支援)】

 緊急通報装置の設置状況は承知していないが、放課後児童クラブにおける児童の安全対策は大変重要であり、市町村ヒアリングなどを活用して、運営主体が災害等の発生に備えた計画やマニュアルを策定するよう積極的に働きかけているところである。

 

【わしの 恵子 委員】

緊急通報装置を付ける時の補助制度はありますか。

 

 

【子育て支援課主幹(子育て支援)】

緊急通報装置の購入については、運営費の補助対象メニューの一つである放課後児童クラブ環境改善事業の補助対象となっている。このため、市町村に対して担当課長会議等を活用して改めて周知を行い、積極的な整備を働きかけるなど、緊急通報装置の設置を始めとする安心安全対策の充実を図っていきたいと考えている。

 

【わしの 恵子 委員】

 学童保育の役割は今日、ますます必要性が高くなっています。県当局は実態をしっかりと見ていただき、学童保育への支援を拡充するよう強く求めて質問を終わります。

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