議会報告

[2016年3月16日] 「地域の足」コミュニティーバスの充実県としても

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〔未定稿 文責:日本共産党愛知県議会議員団事務局〕

交通空白地域について県に認識を問う

【下奥奈歩委員】

 県内地域を走るコミュニティーバスについて質問をします。

 高齢化社会が進み、商店街の衰退、過疎化などで病院や買い物などに必要な住民の移動手段「地域の足」の確保が重要になっています。地域社会を維持するために避けられない課題の一つです。

 一昨年10月26日付の日本経済新聞に「交通の空白地域を減らそう」という記事があります。

 その中に、交通空白地域が広がり、駅から1キロ以上、バス停から500メートル以上離れた地域で暮らす人は全国で730万人を超している。と書いてあります。また、農林水産政策研究所が出している生鮮品販売店舗までの距離が500メートル以上の人口を調査したものがあります。

 その中で愛知県のところを見ると、人口割合で38.2%、65歳以上の割合は38.1%となっています。

 そこでお聞きします。交通空白地域があるということを県は把握していますか?また、交通手段がない移動困難者、買い物難民がいるという認識はありますか?

 

【交通対策課主幹】

 愛知県内における交通空白地域あるいは移動困難者、買い物難民についてお答えする。いわゆる「公共交通の空白地域」については、定まった定義はなく、国土交通省の資料によれば「駅やバス停から一定の距離を超えた地域」としている。

 例えば、都市では駅から半径500m以上、バス停から半径300m以上が空白地域として捉えられることが多いようであるが、地方では駅から半径1000m以上、バス停から半径500m以上を空白地域と捉える場合も見られるようである。

 このように、駅やバス停からの距離の捉え方が地域によって異なるのに加え、地形の高低差や住民の意識などが考慮されることもある。

県としては、市町村が主催し、交通事業者や地域住民で構成される地域公共交通会議等に参加しており、こうした公共交通空白地域を解消するためにコミュニティバスの運行など様々な取組がされていることは承知している。

 また、病院や買い物に出かける際に移動手段の確保に支障が生じている方々への対応についても市町村の地域公共交通会議で検討されていることは承知している。

 

【下奥奈歩委員】

 会議で検討されていることは知っているではなくて、県として交通手段がなかったり、移動困難者や買い物難民がいるということは認識していますか?空白地域がどれだけあるかということを調べていますか?

 

【交通対策課主幹】

 県として交通空白地域を一律に定めることは適当ではないと考えており、その箇所数については把握していない。

 

【下奥委員】

 愛知県が2014年9月に行った「買い物環境及び買い物行動に関するアンケート調査」というものがあります。愛知県内在住の65歳以上の高齢者1万人を調査対象にしたと記載されています。その調査の中で県内の5人に1人が買い物に不便を感じていると回答しています。

 買い物に不便を感じている理由には「近くに買い物できるお店がない」が62.8%「買い物に行くための交通手段が不便」が33.8%となっています。高齢者の買い物に影響を与えるのは、「年齢」と「店舗までの移動距離」であると分析結果に記載されています。

 交通不便地域に住む高齢者、また、免許を持っていない子どもや、経済的事情で車を持つことができない若者に向けて、地域公共交通による移動支援「地域の足」の確保が喫緊の課題になっていると考えますが、県がどう考えますか?

 また、県内の交通空白地域がどれくらいあるのか調査すべきではないでしょうか?

 

【交通対策課主幹】

 地域の足の確保についての考え方についてお答えする。

 今後の高齢化の進展や運転免許証の返還などで、これまで以上に地域の足の確保は重要になってくると考えている。

 しかし、その方策は、地域の実情に精通した市町村がまちづくりの一環として、住民や交通事業者の意見を聴きながら検討すべきものと考える。

 また、公共交通空白地域については、その定義が一様ではなく、地域の実情に応じて把握を行うかどうか、また、行うとしても、定義をどうするのかなどの対応を、まず市町村で検討すべきものと考えている。

 

 

【下奥奈歩委員】

 県としてもしっかりと把握してほしい問題です。

乗り合いバスが次々と廃止されています。愛知県のここ5年間の数字で見ると、廃止申し出のあった路線29系統のうち19系統が廃止やむなしということで、廃止されています。 

 廃止が進む中で高齢者をはじめとする生活交通の危機が深まっています。生活できない状況とまではいかなくても社会参加の機会が大きく奪われる事態が進行してしまいます。

 実際に豊橋市民から「高齢者が郊外へ行きやすく、行動範囲が広くなるように交通網を充実させてほしい」という声が上がっています。また、県が市町村に対して行っている「公共交通施策に関するアンケート」では、公共交通運営管理に関わる課題への対応を問われている項目では「地域によって公共交通が利用できない不便地域への対応」に県全体では64.7%が必要性を感じていると答えています。また、東三河では87.5%が必要だと答えています。

 交通難民となっている県民が社会参加の機会を奪われる事態が進むことについて、県として放置したままではいけないと思います。不便地域への対応について県は必要だと感じていますか?

 

【交通対策課主幹】

 交通難民となっている県民の社会参加の機会が奪われていることを県は放置すべきではないということについてお答えする。公共交通は、車を運転できないなど独自の移動手段を持たない方の社会参加の機会を広げるという役割を担っており、このことは公共交通のあり方を考える上で重要な視点の一つであると考えている。

 こうしたことを踏まえ、地域で交通をどのようにしていくか、なかでも公共交通をいかにしていくかは、費用負担をどうするかも含め、まずは基礎自治体である市町村が主体になって地域の方々と決めていくものであると考えている。

 

 

【下奥奈歩委員】

 「地域の足」の確保をするために、必要なのがコミュニティーバスです。市町村の自主運行している愛知県内のコミュニティーバスは、昨年2015年月時点の数字でいきますと、県内54市町村のうち50地市町村(約93%)で運行されています。市町村の自主運行バスの利用状況は2012年では716万8392人だったのが、2015年は、832万1001人へと増加しています。

 私の地元でもコミュニティーバスやタクシーが走っていますが利用者は南部地区では2013年度322人から、2014年度1451人、前芝地区では2013年度4688人から、2015年度10190人へというように他の地区でも同じように増加しています。それだけバスを必要としている方が多いということがわかります。

 県は、コミュニティーバスバスに対してどういう基本認識を持っていますか?

 

【交通対策課主幹】

 コミュニティバスは東京都武蔵野市の「ムーバス」の取組にならって全国に拡がったといわれており、乗合バス事業者が運行しない入り組んだ街の中の方にまで入り込んだバス路線を、市町村などが主体となって運行しているものである。

 コミュニティバスは、様々な形態のあるデマンド型交通やタクシーなどと共に、住民の生活を支える公共交通の一つである。

 県内でも、ご指摘のように50の市町村でコミュニティバスを運行しており、地域において重要な役割を担っていると認識している。

 ただ、コミュニティバスの運行を行うか否か、また、どのように行うかは、地域の特性などを踏まえ、住民の方や関係機関と意見を交わしながら、市町村において判断されるべきものであると考えている。

 

愛知県も地域のコミュニティーバスに補助を

【下奥奈歩委員】

 住民の最後の足である路線バスが廃止される中で、「住民の最後の足」の危機費の対応で役割を果たしているコミュニティーバスですが、そのバスも現状は住民の願いに十分こたえた充実した生活交通手段とは言えません。一律100円が県内の50%を占めていますが、豊橋市内のコミュニティーバス「柿の里バス」「愛のり君」では、運賃の最高額が500円、柿の里バスは、豊橋市の石巻から医療センターまで乗ると往復で1000円もかかります。地元からは「高くて不便。医療費とバス代は負担が大きい」と切実な声が出されています。

 他にも「高齢化すると運転も危ないので100円か200円の均一料金のバスを走らせてほしい」という声があります。

 ところが市は、「増便の予定や、一律料金に踏み出すことは財政的に難しい」と言います。

 また、他の地域のコミュニティーバスは、市町が運行経費などを運賃だけでは賄えずに、赤字分を税金で補っていることころもあります。住民一人当たりの年間負担が1238円となる地域もあるそうです。増便や、有料か無料にするのか、県内市町村は「住民に必要な民間バスだから残したい」「福祉バスの役割も担っているから70歳以上の無料化を継続する」「利用者が増える中で車両を大きくしたが採算面の悩みがある」という声があります。

 さらに、コミュニティーバスを走らせることに踏み出せない地域は、「もし走らせたとしても市町村の負担が増えて、バスを廃止や便数を減らすということにもなってくる」という声があります。

 走らせている地域も走らせていない地域も、財政面の負担に苦戦しています。市町村だけでは限界があります。

 コミュニティーバスは、地域住民にとって必要な「最後の足」です、そこで県として、市町村が走らせているコミュニティーバスに対して、県が補助するということが必要だと考えます。

 静岡県では市町村に対しに対して8分の1から2分の1の補助をしています。2014年度の補助実績は約2億7千万円です。岐阜県では3分の1又は4分の1の補助をしています。補助実績は約2億9千万円です。

 静岡県や岐阜県が補助しています。愛知県もコミュニティーバスに対して県として独自の補助をして、「地域の足」確保を支えるべきではないでしょうか?

 

 

【交通対策課主幹】

 コミュニティバスに対する県費補助についてお答えする。広域行政を担う県としては、バス事業者が運行する乗合バス路線のうち、市町村をまたぐ広域的・幹線的なバス路線を維持・確保するため、国と協調して助成を行っている。コミュニティバスについては、条件不利地である三河山間地域における過疎バスを除き、運行に対する支援を行っていない。

 通院や買い物といった地域における生活交通の確保は、まず、住民に最も身近な基礎自治体である市町村が地域の実情に応じて対応すべきものであり、住民や交通事業者と連携して、その費用負担をどうするかも含めて、決めていただくものと考える。

 なお、市町村がコミュニティバスの運行等を行う場合には、基本的に、その運行維持費等の8割が特別交付税で措置されている。 

 

【下奥委員】

 岐阜県では、地域公共交通について市町村の自主運行バスは「地域の最後の公共交通である」と言っています。他の県では、兵庫県がコミュニティーバスについて「最後の交通手段としての重要な役割」と言って、県がコミュニティーバスに対して支援をしています。

 県民の生活には、地域の足の確保が必要です。まちづくりと、交通権保障との両輪で、誰もが安全で安心して移動できる社会を実現することが切に望まれています。たとえば、店へ買い物に出かける、病院へ行く、学びに行く、図書館へ行くなど、地域の公共交通は生活の土台とも言えます。土台が崩れていけば地域の崩壊に拍車がかかることにもつながります。

 県は、リニア事業を応援していますが、リニアは無駄遣いで県民にとって負担でしかありません。地域の振興には、リニアではなく、コミュニティーバスを含めた地域公共交通の充実こそが地域の振興です。県として、地域の足確保へ向けた取り組みをすることを強く要望して質問を終わります。

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