議会報告

[2016年3月10日]2月本会議 議案質疑 県営住宅修繕費の抜本的な増額を求める

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通告に従い、「第1号議案 平成28年度愛知県一般会計予算」第9款 建設費、第9項 住宅費及び12号議案 平成28年度愛知県県営住宅管理事業特別会計予算に関連して、「県営住宅の建て替え」及び「維持修繕」について、伺います。

アンケートの声に耳を傾け、適切に修繕を

日本共産党愛知県委員会は、一昨年の2014年11月に県営住宅アンケート調査を行い37団地の住民から491件の要望・意見をいただきました。「玄関ドアや排水管の塗装が剥がれて錆だらけ」「ベランダの一部が崩落している」「ベランダの錆がひどく、布団が干せない」「下水の排水が悪く、逆流してくる」等々です。この内容については、すでに県の建設部に提出しているところです。

先日私は、北区の辻町住宅と味鋺東住宅を視察しました。築34年以上の辻町住宅は、1019戸のうち8%程度が空き家となっています。大規模改修もなく、玄関ドアはペンキが剥げ落ち、コンクリート部分はコケが生えていました。 雨漏りは、その都度対応していただいているそうですが、なかなか難しいようです。入居者からは、「子どもたちが県営住宅に住んでいることを友達に言えない」など悩みも出されました。

味鋺東住宅は、5階建てですがエレベーターもなく、階段の手すりもありません。入居者から要望があったところだけ設置するということで1階の部分だけ手すりがついてもあとは全くついていませんでした。

県営住宅は現在、59000戸管理されていますが、高度経済成長期に一気に建設されたために築40年以上の住宅が35%、築35年以上の住宅が50%と老朽化が進んでいます。

愛知県公共施設等総合管理計画では、県営住宅の劣化や損傷が、異常が発生する前の軽微な段階での予防的な補修修繕や適切なタイミングでの大規模修繕を実施することにより住宅の性能・機能を保持回復できると指摘されています。ところが県は、財源確保が困難になったことを理由に、大規模修繕を充分におこなってきませんでした。

 

維持修繕費には一般会計からの繰り入れの増額を

何故こんなことになっているのか、それは使用料(家賃)の収入で、住宅の修繕費用が賄われているからです。そこで使用料収入について調べてみると、1996年度の使用料収入は223億円でしたが、公営住宅法の改正で原価主義から応能応益制に変わり、ここ数年は年間150億円程度と減っています。

ここ10数年来、管理戸数は6万戸前後と変わりませんが、経年とともに老朽化住宅が増え、維持修繕費は増えていくのが当然だと思いますが、逆に減らされています。

2016年度の維持修繕費は45億円ですが、1996年度の84億円からは、半分近くまで減らされています。そんななかで、先ほどのアンケートにもあったように、入居者の切実な声が届き、最近3年間は増額となっています。しかし、抜本的な増額が必要です。

入居者が、管理委託されている住宅供給公社を尋ねて修繕をお願いすると必ず返ってくる返事は「危険を感じる緊急の事案には対応しますが、見栄えに係ることは我慢してください」と言われますが、維持修繕費の大幅に増やすべきだと思います。そのためにも一般会計からの繰入金は減らさずに増額すべきではないでしょうか。

そこで質問します。

 

第1に、ただ今、県営住宅の問題点を挙げさせていただきましたが、抜本的な改善策は、県営住宅の建て替えを積極的に進めていただくことだと思います。県営住宅の建て替えについては、現在どのようになっているのか。また、今後どのように進めていくのが伺います。

 

第2に、県営住宅の維持修繕費を大幅に増やすべきではありませんか。そのためには一般会計繰入金を減らすのではなく増額すべきと考えますがいかがですか。

 

玄関ドアは共用部分、塗装は管理者負担で

先ほども述べたように、大規模修繕も行っていないため、塗装関係をはじめ損傷が激しく、放置されたままになっています。特に各戸の玄関ドアは、風雨や日照にさらされ塗装がはげ落ちて哀れな状況です。ところが、県が配布している「入居者のしおり」の中の「入居者の費用負担義務について」には、建具はありますが、玄関ドアについては2月議案県営住宅明記がありません。

公社は「入居者個々で直してください」というので、「塗装の色がバラバラでもよいですか」と聞くと「それはいけない」と言います。玄関ドアの塗替えは入居者の負担ではなく、管理者が行うようにすべきと考えます。

 

そこで第3の質問ですが、県営住宅の入居者からは切実な問題として、玄関ドアの塗替えは入居者の負担ではなく、管理者の負担で塗替えできませんか、答弁求めます

 

要望

公営住宅は、「住まいの憲法25条」です。安全で最低限度の文化的な生活を営めるようにして頂きたいと願います。応募倍率は平均5倍という現状のなか、建て替えを大いに進めることを始め、住宅の補修修繕にも力を入れて、募集戸数を抜本的に増やしていただくことを強く要望して質問とさせていただきます。

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