議会報告

[2016年3月15日]議案質疑 環境調査センター・衛生研究所のPFI手法について

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 〔未定稿 文責:日本共産党愛知県議会議員団事務局〕

環境調査センター・衛生研究所整備等事業契約及び環境調査センター・衛生研究所整備等事業監理契約について

【下奥奈歩 委員】

 先程説明がありましたが、最初に確認します。今回の予算は、12月議会で提出された環境調査センター・衛生研究所のPFI手法による整備と同様のものという認識でよろしいでしょうか。

【環境政策課主幹(総務・予算)】

 議案の14ページに、債務負担行為予算を2件提案している。上段の一つ目の環境調査センター・衛生研究所整備等事業契約については、12月議会で御審議いただいたものと同様の内容となっている。具体的な内容としては、新施設に係る実施設計、建設工事、旧施設の解体工事、それから、15年間の管理運営費となっている。

ただし、12月議会で御審議をいただいたものは、入札公告を行うためのもので、年度内に契約を行わないと予算の効力を失ってしまうことになるが、契約が来年度となる見込みであることから、債務負担行為予算を再度お願いするものである。

 二つ目の環境調査センター・衛生研究所整備等事業監理契約については、新たに御審議をお願いするもので、PFIの事業契約後、PFI事業者が実施設計、工事を行うことに対して、県が、28年度~31年度の間、設計監修と工事監理を通じて、事業者の監視を行っていくものである。

 

【下奥奈歩 委員】

 環境調査センター・衛生研究所のPFI手法による整備に対して、我が党は、12月議会で質問して、反対の立場を表明しました。PFIについては、様々な問題点や疑問点があります。中でも、建設について、建設段階で民間業者に委ねているために、安全性について、県として厳格なチェック体制が必要です。PFIで建設を民間に任せることについて、安全性の保証がほんとうにあるのでしょうか。建設に手抜きや、偽装などが起こった時に、想定してなかったでは済まされません。管理についても、公営の施設を民間の管理に丸投げする仕組みとなっています。改めて、県の考えをお示しください。

 

【環境政策課主幹(総務・予算)】

 今回の環境調査センター・衛生研究所の建替えについては、県が昨年度、基本設計を

実施し、それに従うとともに、さらには、県の公共工事で用いられている「構造基準」、「耐震基準」に基づくことになっている。

 また、事業者から6月に提案される事業提案書については、外部の建築の専門家も入った「事業者選定委員会」において、施工計画や建築材料の品質管理等についても、厳正に審査される予定となっている。

 さらに、今回の工事の施工にあたっては、県の公共工事と同様に、工事監理業務をPFI事業者とは別の事業者に県が直接委託し、基本設計で示した性能水準が守られたかどうか、それから、実施設計や建設工事が適切に行われているかどうかをモニタリングするとともに、県の職員が直接、現場に立ち会って工事の検査を行うなど、しっかりと事業者を監督することによって、建替え後の施設の安全性は十分に確保されると考えている。

 

 

 

 

【下奥奈歩 委員】

建築基準が守られず、偽装が見抜けない中で、安全性がほんとうに保証されるのか、大変疑問に思います。災害によって耐震性がなく建物が壊れた場合、また、建物に不備があり、事故が起こった時のチェックの甘さの責任は重大です。民間任せでなく、県としても管理体制をしっかりとしていくことが必要と考えます。コスト面についても、コスト削減と言いながらも、結局は想定しないことが起こり、コストが上がってしまうことが懸念されます。また、コスト削減により、質が確保できなくなる可能性があると考えられます。

環境調査センター・衛生研究所は、昭和47年に現在の北区に建てられました。その時以来、維持管理は行われてきたものの、建替えは一度も行われていません。老朽化しているのに、長い間、放置されていたことも問題があるのではないでしょうか。コスト削減だけに飛びつくことには大きな問題があると考えます。

国民の生命・財産を守る諸制度の規制緩和が進み、耐震強度偽装などのように、質よりもコスト重視の運営が進められることになりかねません。県民にとって大切な施設だからこそ、何よりも安全を最優先すべきです。   

以上、述べたように、不安や懸念材料があることから、第1号議案 平成28年度愛知県一般会計予算第3表、環境調査センター・衛生研究所整備等事業契約及び環境調査センター・衛生研究所整備等事業監理契約については、賛同できません。また、第1号議案の平成28年度愛知県一般会計予算の環境費についても、不十分な点が多いと考え、反対の立場を表明し、質問を終わります。

 

 

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