議会報告

本会議の討論(わしの議員)    [2015年10月14日]

カテゴリー:

 私は、日本共産党愛知県会議員団を代表して第112号議案 平成27年度愛知県一般会計補正予算(第3号)及び第113号議案 愛知県名古屋飛行場等見学者受入拠点施設展示物整備基金条例の制定について、第116号議案 愛知県社会福祉施設条例の一部改正について、第118号議案 愛知県体育施設及び社会教育施設条例の一部改正について反対の立場から討論を行います。

 最初に第112号議案補正予算のうち名古屋飛行場見学者受入拠点施設整備費、及び第113号議案の同施設を整備するための基金条例の制定についてです。

 両議案は、いずれも展示物に係る議案ですが、反対する理由は3つあります。

 第1は、展示物が戦争美化につながるおそれがあるからです。

 展示物について、5月の臨時議会振興環境委員会において、わが党の下奥議員が、『かつての戦時中、特攻機として使われ、多くの若者の命を散らした』戦闘機「零戦」を展示することは戦争美化であると指摘し、反対しました。

 県施設への零戦展示に対し、不安の声、異議が上がっています。豊山町議会の9月定例会では、見学者受入拠点施設への零戦展示が議論になりました。質問したわが党の山本議員は、8月27日に名古屋空港に隣接する三菱重工小牧南工場内にある「史料室」を見学した際、史料室の職員から「『大村知事は飛ばせる零戦の展示を望んでいる』と県から説明を聞いた」ことを紹介しています。

 今議会の下奥議員の質問にたいし、当局は「何を展示するかは具体的には何も決まっていない」と答弁しましたが、零戦展示の可能性は否定しませんでした。

 県当局は、三菱側と「飛ばせる零戦」を含めて協議しているという情報もあります。

 今年は戦後70年。アジアの人々2000万人、日本国民300万人が犠牲となった、かつての戦争の惨禍に思いをはせ、日本国憲法前文にうたう「政府の行為によって再び戦争の起こることのないようにする決意」を新たにすべきではないでしょうか。

 

 県民と空港周辺の住民は、平和・安全・便利な名古屋空港を望んでいます。このような願いに背く、戦争美化につながる零戦や航空兵器の展示は許されません。

 第2は、30億円もの県費を投じて、実質的に「三菱航空機博物館」をつくり、屋上屋を重ねる施設づくりになるからです。

 名古屋空港に隣接する三菱重工の小牧南工場内には、零戦や三菱製のジェット戦闘機、ビジネス機の機体が展示されています。入場は無料で、市民に開放されています。また、小牧南工場に建設中の、初の国産ジェット機、MRJの生産工場では、MRJの機体の組み立てラインを見学する施設を整備中であると発表されています。名古屋空港を使用する民間航空会社がMRJを導入するならば、空港来場者は離着陸するMRJを間近に見ることができ、乗客として利用することもできることになります。

 このような状況のもとで、30億円を費やし、県営名古屋空港の年間旅客数65万人の半数を超える年間35万人の来場者を見込み、大人1000円、子ども500円の有料施設を設置することは、「過大な利用見通し」「税金のムダづかい」と言われてもやむをえません。

 第3に、見学者受入拠点施設と連携する「フィールド・ミュージアム」のなかに、航空自衛隊小牧基地や航空機の軍需工場が含まれていることは大きな問題があります。

 いま、小牧基地は、「専守防衛」から「海外派兵」の基地へ、性格と機能を大きく変えつつあります。先の通常国会で、国民の多数を無視して成立させられた安保法制、私たちはこの法律を戦争法と呼んでいますが、この法制のもとで小牧基地は、海外の戦場で、米軍への武器・弾薬・兵員の輸送、すなわち兵たんを担う、空輸作戦の拠点として強化されようとしています。そして、三菱重工小牧南工場で生産されるのは、MRJだけではありません。航空自衛隊の次期戦闘機F35が生産されます。

 さらに、日米両政府の取り決めで、小牧南工場がアジア・太平洋地域の米軍や他国軍が使用するF35の機体の整備拠点にされようとしています。これは、県営名古屋空港に、米軍や他国軍のF35が飛来するということです。2006年1月17日、春日井市、小牧市、豊山町は、当時の防衛庁にたいし、米軍機が名古屋空港を使用しないよう求める要望書を提出しました。

 小牧南工場をアジア・太平洋地域のF35の整備拠点にすることは、地元の願いに背くことになります。

 いま、空港周辺の住民から強い不安と怒りの声があがっています。2007年、三菱小牧南工場で整備された航空自衛隊のF2支援戦闘機が県営名古屋空港の滑走路で墜落炎上する事故がありました。住宅地に墜落したら大惨事になるところでした。

 その直後には、米海軍のF18戦闘機が名古屋空港に緊急着陸し、滑走路の施設が破壊されました。また、小牧基地所属のC130輸送機は、実践並みの訓練飛行をおこない、空港周辺地域では、部品落下事故が頻発しています。このように、県営名古屋空港の軍事利用の拡大は、住民の安全を脅かし、不安を増大させるばかりです。

 安保法制のもとで、基地機能と軍需生産を拡充・強化されつつある小牧基地や小牧南工場を、愛知県が「フィールド・ミュージアム」として見学施設に位置付けるのは、安倍政権が強行する憲法違反の「海外で戦争する国」づくりに愛知を組み入れ、「平和で安全な名古屋空港を」との県民の願いにそむくことになります。

 県議会では、先輩議員の努力によって、1963年(昭和38年)、「戦争のない世界、原水爆脅威のない世界は、全人類の悲願である。愛知県は、全世界の人々と手を携えて人類永遠の平和と幸福実現のために努力する平和県である」と宣言しました。

 名古屋空港の将来的発展を考えるとき、改めて平和宣言とその基礎である憲法9条を生かすべきだと思うものです。

 補正予算案のもう一つの問題は、大規模展示場の整備を目指す基本構想の策定に3000万円が計上されていることです。

 大規模展示場の整備について県は、国内最大規模の10万平方メートルの屋内展示場を設置する構想ですが、名古屋市でも名古屋港稲永ふ頭に10万平方メートル規模の展示場整備の構想があるとうかがいます。県は、「名古屋市でも大規模展示場の構想があり調査していることは承知しているが、愛知県は県内全域を視野に入れているので、必要に応じて名古屋市とも情報交換をしていきたい」と振興環境委員会で答弁ありましたが、本当に、県内に大規模展示施設が2つも必要なのでしょうか。

 いうまでもなく大規模展示施設は、土地の確保、建設費やその後の維持管理においても莫大な負担がかかります。現在国内で最大規模の東京ビッグサイドは、約8万平方メートルで、用地費を除く建設費1985億円、千葉県にある幕張メッセは7万5000平方メートル、建設費558億円が投入されています。

 幕張メッセには、竣工3年目から借金返済のために、千葉県と千葉市が一般会計繰り出し金や、負担金を支出しており、平成24年度までに総額365億円に上っています。今後も10年以上の負担が予想されており、県民・市民の膨大な税金投入は留まるところがありません。

 名古屋市の大規模展示場の整備費は1200億円から1400億円と見込んでいるようです。また、稼働率についても幕張メッセでは、東京ビッグサイドの影響を受けて、約40%にとどまっていることなど、大きな問題があります。

 以上の理由から、第112号議案 一般会計補正予算、第113号議案 愛知県名古屋飛行場等見学者受入拠点施設展示物整備基金条例の制定については賛同できません。

 

 次に、第116号議案 愛知県社会福祉施設条例の一部改正についてです。

 これは、県の老人休養ホーム「愛知県南知多老人福祉館」を来年3月末で廃止することを内容としたものです。県の老人休養ホームは2005年度まで最大4か所ありましたが、これにより全部廃止されてしまいます。県は、昨年12月に策定した「第6次行革大綱」で、「南知多老人福祉館」について、日帰り入浴施設など民間事業者によるサービスが提供されていることを理由に、公の施設としての同館の廃止を打ち出していました。

 しかし、利用状況は78.5%が60歳以上の利用で、リピーターの客は昨年8月から今年7月までの1年間で、80%を超えることも健康福祉委員会の質疑で明らかになりました。

 1996年に31億円も投じて建て替えをしており耐用年数もあと20年ぐらいは大丈夫です。日帰り入浴施設とは性格が大きく違う宿泊施設であります。

 これから高齢者人口が大きく増加しますが、年金が削減され消費税増税も行われるなかで、高齢者にとっては、低廉で健全な保養休養のための施設はますます必要になっていると思います。また、この施設は高齢者だけでなく、障害のある方や母子の方にも、低廉な価格で大変よろこばれている施設です。廃止のニュースを知った方々からは、利用者の声をどのように聞いたのかと問い合わせもありました。

 さらに、地元の就労の場であることや、海辺でありながら高台にあり、津波などの避難場所として重要な場所であることから地元にとっても大切なところです。指定管理者に支払っている管理料が年間500万円余に過ぎず、他自治体の保養所と比較しても大変低く、指定管理者の努力も評価をすべきです。新聞報道では、県が廃止する理由の一つに、増える管理費として「修繕費として13年度は2500万円、14年度は650万円を計上。さらに大規模修繕となるとさらに膨大な費用がかかる」と、県の担当者の声が載っていましたが、立派な建物を建てれば、一定規模の維持管理費や修繕費は当然ではないかと考えます。

 私がこのように廃止の理由について何点か質問しましたが、県当局は「費用の多寡ではない。公の施設の必要がない」と答弁されました。しかし、高齢者や障害者、母子など社会的弱者にとって大切な憩いの場、保養施設であるからこそ、私は、県がもっと主体的に考え存続の努力をすべきだと思います。 

 以上の理由で第116号議案 愛知県社会福祉施設条例の一部改正については反対です。

 

 最後に、第118号議案 愛知県体育施設及び社会教育施設条例の一部改正についてです。

 これは、岡崎総合運動場、一宮総合運動場・野球場の付属照明設備が古くなって危険だからと撤去をするものです。撤去すれば、夜間の利用ができません。夜間しか利用できない勤労者などにとっては、スポーツをする楽しみ、権利が保障されなくなってしまうのではないでしょうか。

 付属照明設備が古くて危険であれば新しいものに付け替える。修繕して使えるなら修繕すればよいと考えるのが当然ではないですか。県民のスポーツ振興のためにも廃止することは納得できません。以上の理由から、第118号議案 愛知県体育施設及び社会教育施設条例の一部改正については賛同できません。

 さらに、この116号議案と118号議案については、全国トップクラスの愛知県の豊かな財政力を県民の健康や福祉の増進を図るという地方自治の本旨と照らし合わせても問題です。

 以上、県民の願いとは逆行する補正予算案、条例改正案には反対であることを表明して、日本共産党を代表しての討論とさせていただきます。

 

▲ このページの先頭にもどる

© 2015 - 2024 日本共産党 愛知県委員会