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[2017年12月11日]振興環境委員会(環境)石炭火力発電について しもおく議員

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〔未定稿 文責:日本共産党愛知県議会議員団〕

【しもおく奈歩 委員】

 地球温暖化にかかわる石炭火力の問題について質問します。

 ドイツ・ボンで気候変動枠組み条約第23回締約国会議・COP23が先月6日~7日の日程で開催されました。今回の会議では、議長国がフィジーで初の島嶼国が議長国ということで注目を集めました。フィジーなど島嶼国は、海面上昇、巨大台風などさまざまな異常気象の影響を大きく受けるため気候変動のフロントラインと言われています。

 また、今日と議定書に代わる地球温暖化対策の新たな国際枠組み「パリ協定」発効後の重要な会議でもありました。

 そこでまず、COP23の成果や、どういうことが話題になったのか、県の認識を伺います。

 

【地球温暖化対策室長】

 COP23について、国は、各国の排出量の報告や評価の仕組みといったパリ協定の運用ルールなどについて、議論がなされたとのことであり、そのように認識している。

 

【しもおく奈歩 委員】

 それでは大変不十分だと思います。

 今回のCOPでは、脱石炭がシンポジウム等で話題となりました。日本のNGO関係者は「脱石炭は今回の裏テーマです」と話していたそうです。その理由は、このまま石炭火力を使い続ければ、世界の気温上昇を2度未満に抑えるというパリ協定の目標が達成できないからです。

 次にいきます。カナダと英国の主導で「脱石炭に向けたグローバル連盟」が11月16日に発足したことも注目されました。フランスやイタリアに加え、米国内の州も含む25カ国超が参加をしています。連盟は、▽石炭からの段階的な撤退▽クリーンエネルギーの推進▽石炭火力への投資の規制…などを進めるとしています。

 これは世界の脱石炭の流れを象徴する動きです。

 「気候変動と戦うためには、緊急に石炭から撤退する必要がある」と、今、パリ協定の目標である地球の平均気温上昇を1.5度未満に抑える努力を各国が行い、脱石炭の流れが大きくなっているところです。

 そこで、2点について伺います。

 1点目、この脱石炭に向けたグローバル連盟発足されたことについて見解を伺います。2点目、また、脱石炭こそ世界の流れであると考えますが、県の認識を伺います。

 

【地球温暖化対策室長】

 「脱石炭に向けたグローバル連盟」については、国は、今後、詳細な情報を収集し、そのうえで参加の是非を検討すると聞いている。

 県としては、国のエネルギーミックスにより、バランスの取れたエネルギー構成のもとで温暖化対策を進めていくことが重要であると認識している。

 

【しもおく奈歩 委員】

 国言いなりで、それでいいという認識ではいけないと思います。

 次に伺います。国連の世界気象機関は7日までに、2017年が観測史上最も暑い3年のうちの一つとなり、13年~17年は史上最も暑い5年間になるとの報告書を発表しました。そして、「地球温暖化は引き続き進行している」とも指摘をしています。

 また、海洋の表面温度が、観測史上第3位内の高さになる見通しでユネスコによると、世界遺産に指定された29カ所のサンゴ礁のうち、14年~17年に白化する温度に達したのは24カ所に上るとしています。ネパールでは、大洪水で甚大な被害があったことも報告されています。

 海外の話だけではありません。日本も他人事ではいられません。この間起こっている、局地的豪雨や竜巻など激しい現象こういった異常気象は地球温暖化の影響であると考えられます。

 そこで、今、気候変動の猛威が、現実世界で人々の生活や生存に大きな影響を与え始めています。地球温暖化が異常気象を増やしていく可能性が大きいと考えますが、県の見解を伺います。

 

【地球温暖化対策室長】

 IPCC、気候変動に関する政府間パネルの第5次報告書においては、すでに気候変動は自然及び人間社会に影響を与えており、今後、温暖化の程度が増大すると、深刻で広範囲にわたる不可逆的な影響が生じる可能性が高まることが指摘されている。

 県としても、温暖化対策を積極的に推進することが必要であると考えている。

 

【しもおく奈歩 委員】

 いま、国際社会は、機構変動問題が人類の直面する重大な政治課題であることを共有し、急速に変化しています。その象徴が「パリ協定」の早期発効です。

 しかし、日本はこの「脱炭素社会」を目指す流れに逆行し2012年以降、最もCO2排出係数が高い石炭火力発電所の建設計画が乱立する異常事態にあります。残念ながらこの愛知県も異常事態の一翼を担ってしまっているわけです。

 国連環境計画が、今年の「排出ギャップ報告」の中で、気温上昇1.5度目標達成のために、石炭火力発電所の新規建設は許されず、既存の石炭火力発電所も廃止も必要、と厳しく指摘しています。

 そこで、石炭火力発電所を抱える愛知県としてもこの指摘は無視できるものではないと思います。厳しい指摘はあることに対して県としての見解を伺います。

 

【地球温暖化対策室長】

 国のエネルギーミックス及びCO2削減目標とも整合する電力業界の『低酸素社会実行計画』について、国は、「電力業界全体の取り組みが継続的に実行を上げているか、毎年度、その進捗状況を評価する」としており、本県としては、国の動向を注視していく。

 

【しもおく奈歩 委員】

 次の質問です。脱炭素を目指す様々な行動では、ドイツの環境NGO「ウルゲバルト」が、主に投資家に向けて、石炭産業にかかわる世界の企業775社のデータベースを公開しました。

 これは、気候変動を加速させる石炭産業に投資したくない人のために、投資を引きあげるべき企業をリストアップしたものです。日本については、丸紅を始め、電源開発、中部電力、東京電力などの電力各社の名前が挙がっています。

 そして、世界で最も大きな火力発電事業者「大手石炭火力発電事業者ランキング」の中で、日本の企業も石炭火力発電設備の計画で突出しており、データベースの中に含まれている120社を建設計画規模順に並べると、日本は、丸紅が26位、電源開発が56位、中部電力が60位となっています。この結果からも、いかに日本が石炭火力に依存しているかがわかります。 

 世界の脱炭素の流れの中で、60位というランクに入っている中での武豊火力発電の計画は許されないものです。

 アメリカでは、国内の脱石炭を求めた活発な運動によって、7~8年前は、100以上の石炭火力発電所の建設計画がありましたが、活動家や地域住民が協力してほとんどを中止に追い込むということが起こっています。また、国内でも関西電力は兵庫県赤穂市で計画していた重油・原油による火力発電を石炭へと見直すリプレース計画を見直し、現在のまま運用を継続すると発表しました。また、千葉県市原市でも石炭火力発電所の計画中止が発表されました。計画中止や見直しがされたところはCO2削減が理由としています。脱石炭や地球温暖化ストップへ国内でも変化が起こっています。

 そこで伺います。この世界の流れ、国内の先進的事例に学び、愛知県も脱炭素へ大きく舵を切る時だと考えますが、県の見解を伺います。

 

【地球温暖化対策室長】

 石炭火力発電所の立地は、国のエネルギー政策備かかわるものであり、発電所を立地する場合は、電気事業法に基づき事業の可否について、国が判断するものと考えている。

 

【しもおく奈歩 委員】

 日本政府は、世界の流れである脱石炭の流れに逆行しています。日本は環境NGOが温暖化対策に消極的な国に与える「化石賞」にまた選ばれました。アメリカトランプ政権は「第化石賞」を受賞しています。そして、日本はそのアメリカと日米首脳会談で、途上国で石炭火力と原発の技術を展開する覚書を確認したということで、国際的に厳しい批判をアベています。

 何度も申し上げている通り、世界の流れは、脱石炭です。石炭火力は時代遅れであり、規制されてくものだということを直視すべきです。

 そして、地球温暖化での気候への影響や大きな被害が出ている中で、石炭火力発電の廃止は待ったなしです。環境首都愛知というなら、武豊火力の廃止をすべきということを申し上げて、質問を終わります。 

 

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